人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【人】 Cucciolo アジダル


 
 [ 誰よりもよく知っていた。
  少し下に向けた視線の汚れた石畳、
  そのインクの持ち主の顔も知っていた。 ]


   というかあれだって人間だ。
   生き延びる術なんか生きてりゃ勝手に学ぶでしょ。
   それでも生きられないような子供を助けるほど
   俺は、……優しかねえさ。


 [ 秘密裏の武器輸出の仲介として利用された奴が
  取引の終了と共に片付けられたことも知っていた。
  受け渡しが完了するまで息をひそめ、
  報酬を求めて伸ばされた手が赤く染まるのを
  黙って見届けた男は知っていた。

  ケツ持たなきゃ手を出しちゃいけねえ法はねえよ?
  と、そいつは自嘲めいた声を上げる。

  光の当たる道では金色の毛虫に黒髪の子供が近寄り
  何やら一言二言を交わしている。
  一人の手を引いたら芋づる式に繋がってくること等
  今更眼前の彼に言うまでもないだろう。 ]

  
(2) Muimerp 2020/10/08(Thu) 8:30:32