>>1 マウロ
【三日月島:岬】
「歳を食うと考える事も多くてな。一人で静かに海を眺めたくなる時もあるものなのだよ、青年。」
嘘か真か、分からぬ事を口にしながら。
からん、ころん、と下駄の音を鳴らしながら、貴方の横に、距離は空けつつやってくるだろう。
柵に背を預ける形で凭れ掛かり、煙管を咥えては、紫煙を吐き出す。線香にも似た香りがさらに漂う。
「お前さんの方こそ、魂が抜けたような顔をしていたが。先の会議で疲れ果てたか?」
揶揄うように言うけれど、その実、心配をしているだけともいう。分かりづらいカラス面だ。