人狼物語 三日月国

16 【第三回TRPGミニマム村】ファスト・ミレニアム


【人】 「狂」の神 アネーシャ

◆感情取得 サティカル


罪とは何だろう。
愛とは何だろう。
義とは何だろう。
和とは何だろう。

人間の少女を連れてきたゼノンは、答えを見せろと言って笑った。
ぞくりとたかぶる感覚に身を沈め、そろりと周囲の様子を窺う。
困惑する者、エラを観察する者、同じように目が合う者もいた。
ゼノンが何を考えているのかわからない。
だがそれがいい。それでこそ世界だ。ソレデコソアネーシャの望む世界だ。
こんなに面白いことはない。アネーシャはゼノンの出した「課題」に、満足げに嘲った。

「ねぇ、サティカルちゃん」

「愛」神サティカルが、呼びかけに反応して顔を上げる。
アネーシャとは対照的に、困惑した表情を浮かべている彼女の姿形は、正しく全身で「愛」を表現していた。
愛らしい仕草、愛らしい表情、愛に満ちた言動、彼女の発する、すべてを包み込むような「愛」は、アネーシャの好むところだ。愛は、すぐに、裏返る。

「わたくし、不思議なのよね〜。
 ね〜ぇ、サティカルちゃんはどう思う〜?
 エラは無罪かしら、有罪かしら?
 ふふ、わたくしこういう問いかけ大好きよ。
 だって、
こんなにも不確かなものはない
のだもの〜」

「考えても答えが出ないから、世界って楽しいのよね」

最後の一言に答えは求めていなかったけれど、
ーーそれでもきっと「愛」神であれば返してくれるに違いない。彼女は、そういう性質の持ち主だ。
(2) kikimi 2019/10/05(Sat) 1:26:07