人狼物語 三日月国

184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨


【人】 略奪者 ラシード


[呪いを孕んだ腐臭は、狂馨は、
まるで泡が弾けたかのように急激に質量を増し、
潮風に乗って島の四方八方へと拡散していく。
赤い呪布を身に付けた略奪者たちが
各所の保存施設の窓に投石や矢を放って砕く。
だが、それを衛士に報せる市民は居ない。
駆け付ける衛士も、警備員も居ない。
長い歴史が作り上げた宝箱の中に、
赤を纏った賊は次々と侵入し───誰も止めることができない。

呪いは、腐臭は、火をつけたのだ。
人々の───自身の中から身を焦がす欲望の炎に。
表層に顕れたそれは理性を蝕み、喰い殺し。
キュラステルという楽園は風上から、
北からじわじわと狂い始めた。
]*
 
(3) 通行人 2022/11/07(Mon) 0:13:40