【人】 人事課 緑郷 溢社長率いる社員達がホテルへ着いてまだ間もなく。 それぞれに割り当てられた部屋の前の廊下。 「今回の部屋割りは〜…… 男性総務部の皆さんと社長で一部屋 、男性開発部の皆さんとロボ太さんで一部屋 、それから女性社員の皆さんで一部屋 !この三部屋でしたね。緑郷は忘れてなんかいませんよ!」 嘘。本当はさっき社長に聞きに行った。 何はともあれ荷物片手に廊下に並んだ部屋の扉を指差し確認。 それぞれの部屋の番号と照らし合わせて、うんと頷きひとつ。 「ようし、お邪魔します!」 そして当然の権利のように堂々と男性部屋へ…… などという漫才は後回し。開いたドアは女性社員の部屋のもの。 何せ今はこの大きな荷物を置くのがよっぽど急務なのである。 それにしても先客が居るかもわからない部屋に入るのに 果たしてお邪魔しますと言う必要はあるのだろうか?さあ……。 (4) 2022/09/21(Wed) 22:15:00 |