人狼物語 三日月国

16 【第三回TRPGミニマム村】ファスト・ミレニアム


【人】 「狂」の神 アネーシャ

◆ナハト 返信


歌を聴き、歌を歌い、歌を奏で、歌を愛して、
そうしてその全てに飽いたところで、

「……アネーシャ?」

己が名を呼ぶ、義神に出会った。

この神に光は似合わない。否、光こそ彼に相応しいのかもしれない。
夜の闇が相手の表情を隠す。何を思って声をかけてきたのかはわからないけれど、それでもおおよその想像がつくのは、ひとえに付き合いの長さ故だろうか。
それが本心かどうかはわからない。
神とは言え嘘はつく。神だからこそ嘘はつく。
真実なんて、世界のどこにも見えはしないのだ。

そう、愛のように。正義のように。平和のように。
目に見えるもので確かなものなんて、この世界にひとつだって在りはしない。

だから、ーー……

アネーシャは考えるのをやめて、振り返ったその顔に笑顔をつくった。

「ごきげんよう〜♪
 そうねぇ〜……、
 わたくし今は、夜よりも、あなたが好きよ」
(13) kikimi 2019/10/05(Sat) 8:57:45