人狼物語 三日月国

70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚


【人】 封じ手 鬼一 百継

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「のう、氐宿や」

百継邸の裏庭。
ここには、百鬼夜行封印のかなめとなる、その名も"かなめ石"が据えられている。
そこにひとり佇む氐宿を見て、百継は一瞬躊躇った後、声をかけた。
振り向いた氐宿はやはり人好きのする微笑みで、百継は内心安堵の息をついた。
彼でなくとも誰かの一人の時間の邪魔はしたくないものだ。

用命かと問われて、百継はまた困った。
その実は、ただ氐宿と話がしてみたかっただけなのだ。
彼の持つ能力への興味は尽きないが、それよりも百継は、氐宿という男が知りたかった。

陰陽道に触れるとは、常人には見えないものを見るとはどういう気分であるのか。
生家は。経歴は。その微笑みの成り立ちは。
しかしすべて、この場で突然質すにはあまりに無粋な問いである。

少し考えて、百継はこう言った。

「氐宿、儂を占ってはくれぬだろうか。
何でも良い。

未来でも、過去でも、気性でも、才でも、為すべきことでも。
お主から見て、儂はどのように見えておるかのう?」

まずは、ここから。
彼の目線を借りて、彼に到達する道を探して行こう。

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(16) TSO 2021/04/21(Wed) 1:31:47