人狼物語 三日月国

168 【飛び入り歓迎】Hospital of Delusion ー妄執の病院ー【R-18RP】


【人】 四谷 隆史

― 怪異との遭遇 ―

 は?

[開口一番何を言ってるんだこの外国人。
と、口をついて言いかけたのが辛うじて喉元で留まったのは。
こいつが何かちがう、と本能が訴えていたからかもしれない。

夏の熱帯夜よりも劣るものの頬撫でる生暖かさ。
薄暗闇を照らす入口の蛍光灯は、20年の歳月を経ても
辛うじて稼働している。そんな、場所にいた1人の女。

美しい少女だ。
それこそ絵本の中から飛び出してきたかのような。
オッドアイなんて見たことない。カラーコンタクトだろうか。
薄紅の唇が、美しい顔立ちの中で
まるで色香を滲ませているかのように艶めかしく映る。

その容姿にあつらえたかのような服を着たこの娘も、
例の噂を聞いてやってきた肝試しの奴だろうか。
いや、それにしては。

ようこそいらっしゃいました。とまるで
この病院の主のような歓迎の挨拶である。
それに。]
(16) 2022/08/08(Mon) 22:24:55