人狼物語 三日月国

55 (R18)竜宮城


【人】 因幡 フウタ

[冬だし、日が落ちて暗くなるのも早い。
理恵の足取りが元気百倍でなくなって来たのも見て取れたので、戻ろうか、と手を差し出した。
ポケットに手を突っ込んで温めていたので、
繋いだ手はいつもと比べて冷たさがマシの筈だ。

足元の道標に賑やかされながら宿へ戻れば疲れはどこへやら、また理恵があちらこちらへと歩き出した。保護者の様に後ろをついていって、賑やかな部屋へ立ち入った。>>9
叩かれている太鼓の音を聴いて、夏祭りでやっとった音かな?と近付いた。
理恵がぼんぼんカッカッと叩いているのと、流れていく液晶の画面を見て、「あれがあそこに来た時に打つんじゃないのか?」とか「そもそも曲を知らんと難しいんじゃないか?」とか思ったけど口を出さなかった。
彼女が必死で演奏しているのだ。
静かに聴いてやるのが男というもの………ぶふっ。あまりの外しっぷりに途中で噴き出して、おっとと口を覆った。
太鼓見習いのハンコを押された理恵は文句を言っていたが、「見習いで間違いないじゃろ、初めてなんじゃから」とフォローをしたつもり。点数は見ないフリだ。
2秒で飽きる彼女にしては持った方だろう。

次は何か緑の台の前に来た。
板と玉を受け取って、一緒に遊び方の説明を受ける。
玉を板で打って打ち返して、という遊びの様だ]


  よし、来い。


[理恵から飛んで来た玉を打ち返せばいいんだな、とずっと構えていたけれど、何度理恵が板を振ってもこっちに玉が飛んで来ない。
というか理恵の板が玉に当たらない。

ぽーんと玉と一緒に先攻権が飛んで来た]
(17) 2020/12/29(Tue) 6:43:39