人狼物語 三日月国

185 【半突発R-18】La Costa in inverno【飛び入り募集】


【人】 「怪人」 ファントム

―― 中央広場のはずれ:リリーと ――


劇場と劇場の間、小さな路地。
多くの人々が、こちらには目もくれず通り過ぎていく。
ステージもなく、土埃だけが舞う開けたスペース。
――自分が『美』を魅せるのに、打って付けだ。

「色々、答えを考えたんだがね。
私は結局、どこまでも表現者だ。
『魅せる』以外に方法を知らない。」

彼女に投げかけられた問い。
どれだけ言葉を並べようと、どこか空虚な気がして答えを出すことが出来なかった。
だから、『魅せる』事にしたのだ。

「一曲、とびっきりの舞いをお願いするが、いいね?」

彼女がどんな反応を示したか、わざわざ確認もしていない。
私は私の「魅せ方」を見せるだけだ。
あの日、初めてバーで会った時のように。

――けれど、今日は彼女も共に居る。
(28) 2022/11/27(Sun) 0:23:48