人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 厨房担当 マシロ

 

[ しばらくの間、大咲は邪魔にならない位置から動けなかった。
  過日のランチタイム営業の時にふと古傷が傷んで以来
  ずっと、ケーキを作りたい、と思っていた大咲にとっては
  過去に酷似したこのケーキは簡単に無視出来なかったのだ。

  ……結局十数分の時間を掛けて、己の中の大咲と折り合いをつけて
  大咲は今日の夜出勤メンバー分の
  おすすめ! と書かれたシュークリームを購入した。
  賄いのお供に、たまには他店のおやつがあっても良いだろう。
  遠くからとはいえ長時間見続けたくせに
  なんにも買わないのもバツが悪いというものだし。 ]


  …………ケーキ、か


[ うさぎの穴は駅から徒歩五分。
  ゆっくり歩きながら、小さく大咲は呟いて、溜息を吐いた。
  …こんな情けない顔は、出勤中は見せられない。 ]
 
(31) 2023/03/03(Fri) 5:20:37