| ― 彼が目覚めてから ― [もし彼がすぐに力尽きてしまったなら 身を清める手伝いくらいはしたかもしれないが、 そうでもなければ今度こそ抜け出すこともない。 眠る必要もないこの身で、 彼の与えてくれる不自由を享受していた。 どこか遠くで夜が明けるのを待っていた。 >>24] ……起きた? [時間も音も何の意味も持たなかった。 彼の心音だけを数え、身じろぎに顔を上げる。 今がいつなんて分からないけど、 彼が目を覚ましたのだから挨拶に迷うことはない。] (43) 2022/08/16(Tue) 20:24:06 |