人狼物語 三日月国

104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】


【人】 風紀委員 普川 尚久

>>41 >>a36 柏倉

冬が近づくそこは、美しさとは程遠い
灰色の海
だった。

海水浴にも向かない、綺麗な砂浜とも言えずコンクリートブロックは転がる。
防波堤は苔生していて、映像で見るような“海”には程遠い。

ほど遠いからこそ、本当に辛い時にはここに来た。
ほど遠くあっても、海の冷たさはいつも変わりなかった。
俺達には。


「いつ来ても辛気臭いな、ここ」

最も綺麗なら、自転車程度で来れる距離の海だ。
学生がたむろわないはずがない。けれど、
真逆の方向にはもう少し綺麗な防波堤があるから、
“灰色”の方に来るのは余程のモノ好きくらいだ。昔から。

「進路さぁ、お前どうするか決めてる?」

何一つ、今までの自分の努力は振り返ってはくれなかった。
形一つ、影さえもなくそれは消えて行ってしまい、
あの日、あの頃の俺達はどこに居てもただ途方に暮れていた。

そんな場所で、もしかしたらを込めて、明日を語るのを。
お前は呆れるだろうか。それとも笑うだろうか。

でも、聞いてくれるなら俺はどれでも良いと思っている。
道はまだ続いていて、相手と同じ道を選ぶのは淡い期待か。
(45) 2021/11/10(Wed) 4:24:25