人狼物語 三日月国

57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み


【人】 分校教諭 添木 卓郎

[ それなのに、自身の口から出たのは
  「また、後でな」の言葉。
 

   
──林間学校の最中に雛市の逃走事件があり、
   彼らの青春の一幕に傷が付いた、と思った。
   自分がその傷をつけた一人なのだとも。

  ──だが、奴らはとっくに過去の事を
   受け入れて次に進んでいて。
   ずっと過去を引きずり、泥沼に嵌っていたのは
   俺自身だったのだ。



  こんな心の内など彼女に伝えられる訳もなく。
  放たれた一言は彼女にどう伝わっただろう?


   
ふと冷静になってそんな事を考え
  そして激しく後悔するのはこの二日後、
  タロット探しのリミットも差し迫った時刻に
  なってからだった。
]*
(69) 2021/02/08(Mon) 21:33:14