【人】 歩く骸骨 デッドベニエは分かりやすい子だ。 最初は何がどうしてそうなったかさっぱり分からなかったけれど。 ずっと見ていれば、いくら鈍い私でも察するものはある。 「うーん」 骸骨人間が頭を捻るのは、全然似付かわしくない小洒落た店前。 数日後に控えたベニエの誕生日のプレゼントを買い求めに来たは良いものの、何が喜ばれるものかなんて全くわからず途方に暮れているのだ。 ────こんなもの、選ぶのは何時振りかな。 最初はカグラに助けを求めたけれど、ばっさり断られてしまった。 そう言う事は自分で決めろという事らしい。言い分ご尤も。 「やはり、アクセサリーか…?」 やはり女性は光り物が好きだ。鴉のように。 聞き及ぶ話では宝石のサイズは大きいに越したことは無いとも。 でもネックレスやブレスレットを送るのは違う気がして、うろついてしまう。 そもそも彼女は王女様だ、高価なだけのものなら履いて捨てるほど身の回りに溢れかえっているだろう。重いし見劣りするだけだ。 (73) rein-joir 2019/09/16(Mon) 22:27:26 |