【人】 歩く骸骨 デッド苦悩の表情でショーケースを見つめる私を、店員も遠巻きにしている。 そんな中指輪のブースに通りかかって、ぴたりと足を止めてしまった。 「…………」 カグラに言わせれば、5歳以上年下の嫁を貰う男はロリコンらしい。 つまり年齢不詳なくらい長生きの私は弩級のロリコンだ。 ────犯罪だな、在り得ない。 例え仮にベニエの側がそれが良いと言っても、やはりそれだけじゃ済まない話。 乾いた骸骨に目を向けているのは後数年だっておかしくはない。 実際は意外なほどに“獲物”として認定されているらしい事は未だ知らぬまま、在り得ない妄想として指輪から目を逸らす。 その後も不審がられるほど迷い、歩き回り。 そして。 (74) rein-joir 2019/09/16(Mon) 22:27:55 |