人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【人】 アジダル



 [ 画面の向こうにいた英雄は太陽を背負っていた。
  真っ新な拳を祈るように振るい、
  守る手を開いて弱きものに伸ばしていた。

  それを取れるのは守られる人が他人を信じられるからだ。
  生憎と路地裏ではそんな感情は疾うに売り切れている。 ]


   それに、もう俺は人を殺しているし。


 [ 路地裏の角裏、伸びる影に隠れて立つ体を見降ろせば
  真っ新な服を赤に濡らした昨日が見えて
  奪うばかりの人間がうつっていた。

  英雄を名乗るには黒に潰され過ぎているが
  取引をするには十分な信用が見えるのだろう。

  精一杯の振る舞いを糾弾する良心を殺したから、
  小さくかぶりをふって。 ]

  
(78) 2020/10/13(Tue) 0:06:56