人狼物語 三日月国

69 【R18RP】乾いた風の向こうへ


【人】 宵闇 ヴェレス

 そんなこと思ってもない。 

[ 迂闊な己の振る舞いに謝意を述べれば、逆に彼から詫びの言葉を述べられた>>74。否定の言葉が強く出るがそれ以上は続かず、ましてや彼の健康的な肌色が、わずかに赤らむのを認めれば自分に何が言えようか。
 賑やかな市の中、ふたりして口を噤み卓を挟んで奇妙な沈黙が落ちた。]

 陽が、高くなる前に行こう。

[ ようやく絞り出したのは極くつまらない言葉だったが、彼が由縁ではない邪推や嫌疑を受ける場からも離れたかった。

 だからと言って一刻も早く羽織るものをと彼が急くのを>>75、買い物は陽が暮れた後でとやんわり遮ったのは先を急ぐばかりではなく、正直な気持ちでもあった。
 彼自身も鷹揚として忙しい質ではなかったが、何かしらを急くという気持ちが自分には薄いのだと気付くことがあった。時間は幾らでもあるし、折角の旅行なのだから長く残る良いものを彼と一緒に選びたい。それは後々も思い出として残るだろう。]
(87) 2021/04/15(Thu) 21:17:26