人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【人】 黒風白雨 バーナード

>>89>>90 アルレシャ・ラサルハグ
 意識があるにも関わらずほんの一瞬制御が揺らいだ事実に舌打ちするよりも早く顔を上げ、そうして得た情報は先程までの男には何一つ想定できていないものだった。

 銃口が己側に向いている。
 今の状況から風を使ったところで間に合わないだろうと悟る。

 ああ、「観客」が思いもよらぬ形で「当事者」となり、
 そうして死んでいくのがこのゲームだったと思い出す。
 俺だって「観客」のように見えていた「当事者」 ムルイジやスピカ を、
 確かにこの手で甚振って殺していたじゃないか。
 
しかも、一人は故意に押し出して。


 であれば「観客」になった時点でこれは必然だったのだろう。
 そう、思いかけた先の変化。

 モニターの割れる音を背にした従僕が、
 いつしか銃口の間に立ちはだかっている。

 守れとは言った。腕の一本や二本はいいと言った。
 けれど、こんな形でお前の命を寄越せとは言ってない!


 間に合うか。間に合え。間に合うに決まっている!
 それは一陣の風と呼ぶには甚大すぎる空気砲。
 自分達二人に飛んでくる銃弾を一つでも弾き飛ばさんと、
 死に奪われぬようになりふり構わず足掻く、
 「当事者」の己が死に抗う証。


 
間に合え。間に合ってくれ。


(91) 2022/02/23(Wed) 3:38:42