人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【人】 巡査部長 鬼走

>>t16 >>@12【海の洞窟】夜長

『 臣』
聞き取れなかった名前。銃口のように向けられた懐中電灯の灯り。一つ一つしらみ潰しのように、解答を投げた。回答はずれてはいる。「和臣」なら知らない訳がないことしかない。それにしては似過ぎているし、看破をされて困った素振りも何も見えない。見えるのはどうしてそんな顔をするという困惑ばかりだ。

「どうなってやがる?お前は和臣じゃないなら、アイツに双子の弟などの血縁者なんて聞いたことも──」

血、縁者?
彼が何度も言っていた言葉
『母さんは』

和臣が雪子の事で拗ねる?アイツが?

ただ和臣が田舎慣れしてないと思っていた。
でも俺と一歳差の男が、釣りであんな挙動をするだろうか。変な生物を踏むくらいの事は雪子と付き合っていたなら散々あったはずだ。「和臣」なら。

そんな馬鹿なことがあるはずがない。どう見ても外見は自分の一個下の和臣と変わらない。ただ、一つ浮かんだある仮定を照らし合わせると彼の言動は何一つ、嘘はついていない。

「お前に。……お前にしか、渡してない物があるはずだ。何か、言えるか」

それを知っているのは、ひとりしかいない。
(94) 2021/08/14(Sat) 3:43:32