人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【人】 疾風迅雷 バーナード

>>92>>93ラサルハグ、アルレシャ
 あの時――拘束解除直後に、男は従僕に隙をつかれた。

 拘束解除後の従僕との会合。そして、今。

 自分を形作っている傲慢に由来する慢心が招いた事実を
 二度も突き付けられているんだ、ああ、わかっている。
 だからこそ――もう繰り返さない。
 
そう信じているからな。


 瞬間、男は前方のラサルハグのもとに駆け出した。
 正確にいうのならば、風を蹴って従僕の背後に降り立つ。

 正面から抱えて走り出すような時間も体力もない、
 正確かつ安全に弾くコントロールをなす気力もない、
 だから、

「――やれ。」


 
今の全力を放つのみ。
 

 男は従僕を抱えて後方へ飛び退く。
 そのまま自分の腕に庇い、今度は己を盾にして、
 双方の致命傷を防ぐために範囲を絞った疾風を撃ち放つ。

 破片のいくつかが腕を、背を穿つ。
 沸き上がる熱と苦痛と不快感に襲われながらも、
 梔子色の瞳は揺らがない。

(94) 2022/02/23(Wed) 5:13:22