ランダム機能


ユーザ登録




人狼物語 三日月国

57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み


【人】 三橋 夕凪   


[膨大な量の本を前に、一冊一冊手に取り
 捲り、途中からは背表紙を手にばさばさと
 本を振り、タロットを探していた。

 砂漠で一粒の真珠を探すような作業に
 どれくらい没頭したか。
 かき分けてもかき分けても見つからない宝物に、
 湧き上がる苛立ちと焦りを鎮めようと私は
 図書室の床で壁を背に、足を投げ出して座り、
 ぼんやりと考えていた。]
 
(129) 2021/02/07(Sun) 17:47:47