【人】 舞姫 イクリール[なんて清々しい人なんだろう。これは、本当に助かるかもしれない。快諾してくれたテンガン>>139にお礼を言って、女は浴場に踏みいった。 広い湯殿と洗い場には、係員と(5)1d6人ほどの気配。 扉を閉めて、早速身体を覆うシーツやタオルを押さえる手元に隠していた2本の手錠を洗い桶の中に出す。休憩室で見つけた金属製のそれは、見た目以上に頑丈だった。特殊な素材か、魅了の術で拘束性を高めているのかもしれない。 もしも通路で出会っていたのが外道や用心深い冒険者だったら、シーツの下を改められていただろう。 一応、手ぶらをアピールする為に頼りなげに身を預けてみたりはしたけれど、そんな必要などないほど、テンガン>>138は紳士的に振る舞ってくれた] あぁ、嬉しい。 お礼に、たくさん教えて差し上げなくちゃ――の、ならい。 [イクリールは、にっこり微笑んだ。 冒険者の、と口が動かない事にもはや違和感はなかったから] (142) 2021/05/03(Mon) 6:32:14 |