人狼物語 三日月国

68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】


【人】 特殊NPC シトゥラ

>>144 

その、瞳の煌めきを思い出す。
少女の爪が、肌を裂く感覚を思い出す。
その、熱は、衝動は、渇望はもうここには無い。

それはきっと、ロールの放棄によって失われる。


「死に損なって、苦しい思いをするのなんてご免だわ。
 ねえ、シトゥラ。あんたはわたしを上手に殺せるのかしら」


青年は、手を離した。

「――そうしたいと言ったら、連れていってくれるの」


繋いだ手が、解ける。
ここに残るのは、あの時の少女ではなく。
赤い目の狼なんかじゃなくて、きっと。

そうなった少女の中に、残った感情を。
残るだろう感情を、青年は推測できない。
どこまでが“餓狼”のバグなのか。

彼女が青年に、手を伸ばした理由もそこにあるのなら。
それがこの修正によって、失われても。

しかたないと、諦めることは、きっと。
(147) 2021/05/01(Sat) 1:33:40