【人】 巫凪 桜花 ― いつかの何処か ― [草花が咲き誇る、緑の大地。 かつてそこには、桜色の護り人がいた。 無垢に白い外衣の下、袖口に一輪の朱を擁した護り人が。 今はそこに、万朶の桜が立っている。 桜の下には、いくつもの生命が眠っている。 花を散らす。 もう居ないひとの哀しみに。 花を咲かせる。 産まれ出づる喜びの言寿ぎに。 やがて訪う眠りが安らかなものであるよう、 揺籠の上に葉を揺らしながら。 巡り、還り、いつまでも。 未来の貴方に、届くまで*] (163) 2023/11/30(Thu) 22:47:47 |