[するすると流れるように、羅生が衣を解いていく仕草は、
優雅でさえある
>>176目を愉しませる所作を具えた指先が、
グローブの下から露わになる。
ただ従順に首肯して、触れてくれる彼の手に身を任せるのも
また、昔から変わらない。拒むことは、選択肢にさえ上らない故]
[身の中心に直に重なる、柔らかで、けれど確かな感触。
移ろう体温が隅々まで侵食してゆく充足に、陶然と眦がゆるみ、睫毛が頬へと臥せる]
…。今だって、できるでしょ。
[その時ばかりは、ちらと視線を持ち上げ、
拗ねた声音を聞かせて
>>177]