人狼物語 三日月国

163 【全年齢ランダ村】G2087第10.5次再戦村【参加CO制】


【人】 閻魔参

後日談エピローグ:不公平な賽]

運定めの祝宴を終え、解放された後のこと。
閻魔参は街の一角で、よく見知った少年少女に遭遇した。

赤白の帽子に赤い服の、幼さすらある少年は、黒い布で口許を覆った少女に、飛び付かんばかりの勢いで駆け寄ったところだった。
祝宴のさなかから、話したいことは溜まりに溜まっていたのだろう。再会を喜び合い、互いを気遣い合って、まるでそれは比翼の鳥のようだった。

ひとしきり親しげな会話を交わした後、少年は「あ、そうだ」と懐をごそごそ探り、少女に一枚のカードを差し出した。
そのカードに見覚えがあり、閻魔参は足を止める。
引き当てるなり目を逸らした記憶しかないとはいえ、それはかつて自分が手にしていたものだ。あの少年に、交換してほしいと乞われたもの。
その時は、手元に置きたくなさも手伝って、特に深くは考えなかったものだが──
身に覚えのないであろう、あられもない姿のそれを、映っている当人に渡すというのは、一体どういった心の動きなのか、と、思わず立ち止まり、様子を伺う。
(220) 2022/08/02(Tue) 3:50:54