人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 厨房担当 マシロ

 

  ……みすみ、


[ ぴた。
  オープンキッチンで作業を進めていた大咲の耳に届いた、
  聞き覚えのある三音に思わず顔を上げる。>>246
  アレルギーやら宗教やらはどうするのかを問う声より
  頭に残ったのは、非凡ではない、その三文字だった。

  小学校高学年で自炊を覚えるまでの間
  大咲が机の上のお金で食べていたのは大体コンビニご飯。
  けれど時々、小学校が早く終わるような日に
  紺色暖簾の定食屋へひとりで行っていたことがある。
  小さな子どもひとりにも優しい店主だった。

  大人になるにつれ、自然と足が遠のいたあの場所。
  まさかね、と思いながらも
  大咲はカウンターの方へ視線を向け、逡巡し ]

 
(285) 2023/03/03(Fri) 22:08:52