【人】 IX『隠者』 アリア―― 夜、ブランコのある広場 [ その夜、空に月は見えるだろうか。 昼間は暗い色をしていたようだから、>>17 見えたとしても雲に包まれて朧な月光か。 その空の彼方で世界が既に崩壊への序曲を奏でていると その時の私は、もう知っていたと思う。>>202 そんな状況であるのなら、この洋館に寝静まる夜は もしかしたら訪れていないのかもしれない。 だとしても、ふらりと抜け出してきた。 「夜風に当たりたくなったので。 べつにすぐに戻りますよ、大丈夫です。」 職員に見咎められてもそれで押し切る。 実際本当にその通りなので、 短くはない付き合いのスタッフは通してくれる。 この薬師もどきはわりかしそういう人間である。 ] (321) 2022/12/17(Sat) 19:43:21 |