【人】 役者 セロ 朝10時からの収録が押しに押してやっと終わった頃には、お昼を回っていた。 うなる腹を宥めながら訪れたのはいつもの場所。 木製のドアを開けた先は、いつもより賑わっていた。 (まあ、日曜のお昼だしね。) カウンター……は人が多いので、二人掛けの席に腰を下ろす。隣の人と目が合うようなら、軽く会釈をするだろうか。>>167 高野とレイラを認めて内心ガッツポーズする。今日はついている。 今日は何にしようか。 メニューを取ろうとして、見覚えのある男性に気が付く。>>0:45 (たしか、事務所の先輩の彼氏……だった人) 一度だけ軽く挨拶をした程度だが、先輩からその後の話しを聞いておりなんとなく覚えていた。向こうは覚えていないだろうけど。 先客たちの賑やかな声を聞きながら、メニューに目を通す。 「ボロネーゼ、カルボナーラ、ボロネーゼ……うーーん」 散々迷って結局注文したのは、 「すみません、ボロネーゼとカルボナーラお願いします」 どっちも食べてしまえばいいのだ。* (381) 2023/03/02(Thu) 19:34:36 |