【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 回想:私邸/夜を待ちて ── [ 夜の化身が夜に遠ざかる。>>353 夢のように消えた背中をそれでも暫し見送りながら、 まだ手に残る人の温もりをそっと握り締める。 上手に諦めていた筈のものをくれたのが彼でよかった。 綺麗>>352、なんて 上澄みだけを薄っぺらく讃えるだけで、 わたしたち にちっとも相応しくないと思っていたけれど。 彼がそう言うなら、その目──わたしたち とお揃いの緑 には、わたしたちのありのままがそのように映ったのだと 信じられるのだ。 絶対にまた来る と、 言葉だけの短い約束事。 守られることを微塵も疑っていないけれど、 それでも、ああ。 きっときみが考えるよりもずっと、 ]待つしか出来ない「また」を楽しみにしているんだよ (496) 2022/12/13(Tue) 4:05:33 |