人狼物語 三日月国

188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】


【人】 III『女帝』 シャルレーヌ

[ 自分でもわけがわからないまま、
 その場に立ち尽くして泣き出した私を、
 彼は抱きしめてくれた。

 村の人は皆優しい。
 だから、人前で泣くことなんてなかった。
 だからというわけではないけれど、
 こうして抱きしめてくれる人はいなかった。
 私は「聖女」で、特別だから。


 初対面でいきなりする行為ではない、
 ということは、知らなかったけれど、
 全然嫌ではなくて、
 むしろひどく安心するのが不思議だった。
 髪を撫でられることもおんなじで。

 あの頃は、胸の奥に灯りが灯るような
 張りつめた糸が緩むような、この気持ちが、
 “安心”ということも知らなかった。]
(555) 2022/12/13(Tue) 15:51:52