【人】 XII『吊された男』 ユグ――売店を離れて―― [さて、死神先生とささやかな茶会の席を設ける前に、アリスに果実を渡してしまいたい。 茶会に手土産でもない甘味を持ち込むのは、少しばかりナンセンスだ。 ゆるく廊下を行きながら、幼い笑い声を探して歩く。 ホールに行こうか、庭園を覗こうか。 売店に行く前、入り口のほうが賑やかだったから、そちらにいるかもしれない。] ――あの。アリスを見ませんでした? [誰かとすれ違えば、そんなふうに声をかけたりして*] (631) 2022/12/13(Tue) 22:11:36 |