人狼物語 三日月国

7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】


【秘】 裁判官 リーベルト → 舞台役者 ヴィクトル

[最初は単純な食欲だと思っていた。
悪鬼の本能が求めてやまないもの……
生き血と肉。

とはいえ、日常生活において支障をきたすほどの渇望を覚えたことはほとんどなかった。
狼ほどの獰猛さは元々持ち合わせていない。むしろ、同族から獲物にされそうな人間達を、保護しようとさえしてきた。

抑えきれると思っていた。
――ヴィクと出会うまでは。

優れた良質な獲物と感じたからか、
彼が僕にないものを全て持っていたからか、
或いは、その両方か。

無意識に彼を追いかける目。
声を聴こうとする耳。
苛立ちが募ったのは、彼にのみ異常なほどの食欲を覚えたせいもあった。

獣になり下がろうとする己への嫌悪感。
そんな己を誘発する、彼という存在への憎悪。
後に種は違えど人ならざるもの同士であると知り、共に過ごすうち彼から救いを得たことでその気持ちは和らいだけれど、
ずっと

「初めて口にするなら彼がいい」


そう思っていた。
彼は彼で、僕に食欲を覚えていた様子だったが。]
(-215) 2019/04/23(Tue) 0:08:01