人狼物語 三日月国

57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み


【見】 経営企画室長 ミロク

ゆらり…

と、立ち上がるミロク。
液晶の破片が髪から溢れる。
プラスチック片と滴った血液がデスクの上に散らばる。頭を押さえ、自らの手を見る……幸運な事に切り傷は深く無い。

[良い"チュートリアル"だった。
まだ生きているのがその証拠。
敵がいるかもしれないこの未知の状況で背後から襲われても尚生きていられるのは単に幸運としか言いようが無い。]

バキンッ!


床に落ちているゴボウの破片を踏んだ。
しかしミロクは気にも留めない。

[いや怒ってはいない。寧ろ感謝している。
仮説が確信に変わって良かったよ。
ありがとう。]

ミロクはゆらゆらと歩き、壁に立て掛けてあったエナメルのバッグを強い力で引き寄せる。チャックを開けて中から"武器"を取り出した。
(@9) 2021/02/05(Fri) 22:31:43