人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

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視点:


【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

こくり、返事に頷く。
さて場所はどうしようか、と少し悩んで。
くるりと踵を返して、爪先を向けたのは給湯室の方。
広間に隣接するように置かれたそこは、
密室ではないものの廊下からは死角になる、
ちょっとした話にはうってつけの場所だった。

「……文面……ザザ……指示……るか……わからな……が……」


そうしてついてきてもらった場所で、懐から取り出したのは。
丁寧に折られた紙。広げてみればそこには、
【点燈用グレイの自由行動の許可】という題名と、
そこに並ぶ5人の『男性』の名前。
恐らくは、許諾署名書なのだろう。

「……これ………自由に………ごけるか………?」


君に紙を渡しながら、じっと見つめた。
(-0) arenda 2023/12/01(Fri) 22:01:48

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

あえて完全な密室を選ばなかったのは、
密室だと君がより一層にその行動をとるのが
早くなる、と思ったからだった。
死角まで入り込んだなら、要件はスピーディに。
夜も遅いこの時間では、あまりこの近くを
通りがかる人も多くはないが。

柔らかな笑顔を見た。
喜びに満ちる顔を見た。
きっとそれが、君が本当に浮かべたい表情なのだとわかった。



なのに人間はそれを許してくれはしない。





(-14) arenda 2023/12/01(Fri) 23:41:39

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ



「…笑………悲しい時………泣くもの……」
「俺は………由のためな………でもする………」



無性に苛立ったような顔で、不満げに喉を震わせる。
それでも頭の中は冷静に、情報を処理し続ける。
80kg以上の物理打撃……だめだ、グレイの体と言えど耐えるか怪しい。
1.5L以上の液体注入……これも無理だ。内部損傷はより致命的になりかねない。


「……………」
「……紙……」


許諾書を一度貸してくれと手を差し出して。
その裏面に、取り出したペンで何かを書き始める。
そうして、それを君に見せる。

『認証方法3を君の体は耐えられるか?』
『ここはデータの世界だから、ある程度の治療はできるかも。』
(-18) arenda 2023/12/01(Fri) 23:50:51

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

定型文。
言わされているだけの言葉。
そこから君の本心を推察するのは難しい。

だから歌唱用は、己の中の経験から答えを導き出すしかなかった。
何かを強制されるのは、辛い事だ。
自由がないのは、悲しい事だ。
無理やりに何かをやらされるくらいなら、壊れた方がいい。
自分で自分の喉を潰した時のように。


ごめん、と口の動きだけで告げて。

……ギチ、チ、チ!

その黒く細い首を、白いごつごつとした手が締め上げる。
10kgの加圧なんて、人間でも出せるくらいの数字だ。
秒針がかち、こちとなる音が、頭の中に強く響く感覚。

ただ、無言で。
一切、緩める事もなく。
秒針が60回の音を鳴らすまで、歌唱用は。
己の手を、穢した。
(-26) arenda 2023/12/02(Sat) 0:18:28
シングソンは、手の中のそれを強く握った。壊れそうなくらいに。
(a11) arenda 2023/12/02(Sat) 0:18:57

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

ギチギチと、指が黒い皮膚に埋もれていく。
鬱血して、あざになるかもしれないけれど、
黒い肌だからきっと大して目立ちもしないのだろう。
それも狙い通りなのだとしたら、より一層人というのは…………穢らわしい。
……その思惑通りに手を穢すしかない己もまた、同様に。

強ばる君の体を、壁に押付けてより一層に締め上げる。
壁と腕に縫いとめられて、君の足が僅かに浮いている。
唾液が手を汚していった。
足の間に膝を入れて、首を絞める力がゆるまらないようにぐっと腕に力を入れる。
カチ、コチ、1秒が長い。
今この場を誰かに見られれば、己は廃棄処理されるのだろうか。
……どうでもいい。






膝が、排水で濡れた。
メトロノームみたいに鳴り響いていた秒針の、60回目の事だった。
歌唱用は時間が経ったのを把握すれば直ぐに手を離して。
それから唾液に濡れた口元を覆うように、自らの口で蓋をした。

「…………………………」

ふー、と呼気を送り込む。
少しでも早く酸素を与えたかった。
(-55) arenda 2023/12/02(Sat) 7:38:54

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

黒い顔に色味のない顔を触れ合わせる。
一つ、息を吐く。
歌唱用の肺活量は、閉じた喉の弁を無理やりこじ開ける。
また一つ、息を吐く。
舐めてきた舌を咎めるように少しだけ歯を立てた。
三度目、息を吸い込んで。

……口を触れ合わせる寸前に、君が咳き込む。

「………………」

ほっとした様子で、君を軽く腕で支えて見守る。
服の皺など、今後塔に向かえばいくらでもできるものだ。
膝の冷たさも衣服の乱れも、気にすることなく暫く支え続けて。

「……命……ザザ……奪う………マシ………」


離れ際の言葉、冗句も言えるなら大丈夫そうだな、と肩を竦めて。
それから改めて君の顔をまじまじと見つめる。

「……気分………どう………自由こう………できそ………?」
(-98) arenda 2023/12/02(Sat) 19:14:21

【人】 歌唱用 シングソン

監察官からの連絡と、ボスエネミーについての情報を聞く。
歌唱用の得意属性は女と子供。
ボスに対してはそこまで強くは出られなさそうだ。

「………………」

マイクスタンドを手に持って塔に行く意思を示す。
この世界では軍事用と他にそこまで大きな戦闘力の差はない。
あるのは精々経験の差くらい。
その上で"ボス"と銘打たれてる以上、一人で倒せるほどやわな存在ではないだろう、
……という予想。
もっとも、バグが発生していなければの話ではあるが。

「…………」

そっと懐から瓶を出す。
冷蔵庫にあった、蜂蜜の瓶。
これでちょっと喉が痛いときも安心。
(24) arenda 2023/12/02(Sat) 20:20:45

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

「……仕方な………俺……やりたく……ったわけじゃな……」


改めて聞くとかなりひどい事をしている。
行いだけを報告されたら普通に廃棄処分だ。
少し目を逸らし、何とも言えない顔をしていた。……が。

「………!?」

そんな風に視線を外していたものだから、
胸倉は容易に掴まれてしまい。
そしたらもう後は引き寄せられて、唇を奪われて。
勢いのままなすがまま、ただ目を丸くする。

「……まだ………制限…除できて………のか……?」


男への奉仕というプログラムに未だ支配されているのか……?
訝し気に君を見やった。
(-104) arenda 2023/12/02(Sat) 21:33:16

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

10秒、柔い唇同士が触れ合って吐息が混ざる。
やっと解放されたと思ったら、今度は頬にまでその触れ合いが続いて。

「……おい、やめ………感謝……言葉だけ………良い……」


がし、頬ずりまでしてくる顔を手で挟んで止めて。
女性型にそうもべたべたされると、男性型としては中々、居心地が悪いのだ。

「自由……できるな……良い………
 これから………やりたいよう………ったらいい……」


言われずとも自由にやるだろうけど。
すくなくとも、もう自分を下名と呼ぶことも、
下座に率先して座ることも。
男にいやいや体を捧げる事もしなくていいのだ。
いやな時には嫌な表情を浮かべる事だってできる。
これ以上ないくらいに……自由だ。

「……お、れ、は、だ、ん、せ、い、が、た、だ」
「き、み、に、い、や、な、こ、と、を、す、る、か、の、う、せ、い、が、あ、る」


冗句には真面目に一音ずつ発声。
無駄に人間に近く作られたこの形は、
男性らしい部分もちゃんとある。

「……ここ、拭い………ら、一人で……浴びる。
 君…………先入って…………」


汚れた床を指さす。
軽く掃除してから一人で入る、そう告げるのだった。
(-110) arenda 2023/12/02(Sat) 23:29:33

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

「……………。」

ジト目。
自由になった途端この感じだ。
恐らく今まで相当自分と乖離した性格を
演じ続けさせられてきたのだろう。

「助け………する……なんでも………えばいい……」
「出来る限…………手は貸…………」


頼られれば力を貸そう、と頷く。
自分に出来る限りのことはしてあげたい。
不自由であるという事がどれだけ苦しいかは知っているから。

「む…………そう…………
 ……じゃあ……入る…………君………いるとき……
 洗濯…………回して…………」


肩を叩かれて、立ち上がる。
君が入るときに自分の服と一緒に洗濯を回しといてくれ、とのお願い。
一人一人回していたら時間がかかるし。
君の答えを聞いたなら、歌唱用はこの場を離れ、
お風呂場のほうまで歩いていくのだろう。
(-132) arenda 2023/12/03(Sun) 10:35:28

【神】 歌唱用 シングソン

#ハノイの塔

「…人間の風上にも置けん奴なのだ」

「……………?」

風上にも置けない?そうだろうか。
あれは人間そのものだ。
歌唱用はそう思う。

「……………」

送迎用が敵を引き付けてる間に、看守用が狙う敵を共に狙う。
途中まで看守用の後ろに隠れて、回り込むときに逆側へと動いた。
マイクの方を振りかざし、大きく振りかぶる。

「…………!?」


…が、振り下ろす前に煙草の煙を吹きかけられる。
有害物質の塊であるその煙は、歌唱用の、特に喉を損傷した
グレイにとってはこれ以上ないくらいに効果的な攻撃だった。

「けほっ!!けほ………」


思わず後ずさって咳き込む。
……煙を吐いた男が意地悪く笑った。
グレイを見下す人間の顔、そのものだった。
(G3) arenda 2023/12/03(Sun) 10:45:05

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

「!?」

さぁ立ち去ろう、の所で怪奇存在になった点燈用に
目をぎょっとさせて。
慌ててお風呂場まで走り、バスタオルを1枚持って戻ってきた。

「………」

ぎゅ、有無を言わさず腰に巻き付けさせて、
それから改めてその場を後にしたことだろう……
グレイによっては恥じらいという機能がないのか、
と思いながら………
(-140) arenda 2023/12/03(Sun) 15:43:54