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人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

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視点:


【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

本当に、これでは。
まるで赤ん坊のようだ。
それでも歌唱用は、歌が聞きたかった。
どんな歌でもよかったけれど。
……誰の歌でもいいわけではなかった。

胸の中で、君の歌を聞く。
あぁ、やっぱり、歌が好きだ。
聞いてるだけで楽しくなる。歌ってみたくなる。
色んなアレンジが浮かぶ。頭の中で伴奏が構築される。
歌唱用はやっぱり…………呆れるくらいに、"歌唱用"だった。


「……………sin……son……」


君の歌と指の動きに手を引かれるように、
男は小さくメロディを口ずさむ。
シングソン歌を歌う者と名付けられたグレイは、
君が歌うように気楽に、ノイズが走っても気にせずに。
小さな声で、歌って、歌って。
(-0) arenda 2023/12/10(Sun) 22:43:17

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

「──────♪」


やがて歌唱用は、顔を上げて歌いだす。
自然に零れた笑みを浮かべて、君を見ながら。
楽しそうに、無邪気な子供のように。
明るく歌を口ずさむ。
己の中で固まっていたものが、解けるのを感じる。
きっとそれがストレスだったのだろう。
随分と胸の中が、すっきりした心地だった。


「………ありが………トムラビ……」
「君はやっ………素敵な人………」


一通り、歌い終わったら。
歌唱用は浮かべた笑顔を消さないままに、
君にお礼を告げた。
よほど楽しくなったのか、君の細い体を
ぎゅぅと抱きしめたまま。
(-1) arenda 2023/12/10(Sun) 22:48:35

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

しばし2人、歌を歌い合う。
どこまでも楽しくて、平和で、暖かくて。
愛しい時間だった。

「……?意外………照れてるの………?」


そういうのには慣れてそうだ、と思っていたから、
目をそらす様が面白くてくすくす声を漏らす。
君といると楽しい、そんな心が芽生えた。

「……ありがと………嬉しい………」
「ここから帰っ……………また会いた…………」


あまり抱きしめ続けると息苦しいかなと、解放しながら。
叶うかも分からない願いをひとつ零して。
それは、未来になんの希望も抱かずに過ごしていた歌唱用の。
久々に抱いた、光だった。
(-8) arenda 2023/12/11(Mon) 12:22:27

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

君の子供じみた仕草に、やはり歌唱用は笑みを返す。
だからきっと、君の不満げな顔はもう少しだけ続いて。

「俺………一度主の………帰………」
「話し合…………それから、君を…………」


問いかけにはそう返す。
人は嫌いだ。ほんの少しの欲に飲まれて、
根幹にあった大事なものを忘れ去る。
………でも。
歌唱用は元々、主の事が嫌いじゃなかった。
作る歌が好きだったし、歌って喜ぶ姿も好きだった。
……ほんの、少しだけ。
猶予を与えてみようと思う。最後に。
もしそれで彼が何も変わらなかったのなら、その時は…
どこかに逃げ出すか、保護団体のお世話になるか。

そして君に会いに来るのだろう。

「わかっ………また、時間を………
 君の為な………なんでもする………」
「……ま、た、な。ト、ム、ラ、ビ。」


もう体も収まった。
さて次の機会は塔の中か外か。
いずれにせよ次に会う歌唱用は………
すこしだけ、意思疎通がしやすくなっているはずだ。
今日の所はそうして、この部屋を後にしたのだろう。
(-13) arenda 2023/12/11(Mon) 19:54:03
シングソンは、留守番。歌を歌っている。静かな歌を。
(a4) arenda 2023/12/11(Mon) 19:55:10

【人】 歌唱用 シングソン

《……いいものを貰った。》

インカム型の装置を付けた歌唱用が、広間で独り言ちる。
他のグレイ経由で監察官から賜ったものだ。
原理はよくわからないが、思ったことを音声として
外に発信できる装置らしい。
さすが電子の中、こういう便利グッズもあるのか。
もしかしたら現実世界でも同じようなものが
あるのかもしれない。そういうのは専門外なので
よく分からないが………

《……────♪》

皆が帰ってくるまで、拠点の中に歌が響くのだった。
(0) arenda 2023/12/11(Mon) 19:58:35