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【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ申し訳なさそうな君に、君のせいじゃないと首を振る。 表情はいつも通りながら、君に合わせて声を落とす。 「どう……か。そうだね、君の言う通りだろう。 このまま続けてもそれは増していくだけだ」 実際、残る人員の仕事量は増え、 混乱の残る部署はまだまともに機能していない。 警察とはいえ一個人だ、動揺というものはすぐには消えない。 こんな事態はマニュアルにだって載ってないんだ。 そうなるのも仕方がないと言えるだろう。 「…なるほど、よく辿り着いたね。 俺が渡された仕事で目を回している間に君ってやつは。 流石だよ、エル」 本当によく、辿り着いたものだと思う。 どう調べても分からなかったその正体に行き着いたのは、 君くらいなのではないだろうか。 「あぁ、確かにそれを告発すれば何か好転することはあるかもしれないが、 どういう方法で行うつもりかな、聞かせてくれるかい?」 協力する以上、それは確認しておくべき事項だ。 失敗することに恐れはないが、 出来れば、上手くいく方法がいい。 人が消えていく度に負担は残る者達に引き継がれていく。 ただ叫び、訴えかけるだけでは現状を打開することは難しいだろう。 (-2) sinorit 2023/09/23(Sat) 21:05:37 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「アリソン・カンパネッロの正体は……アレッサンドロ・ルカーニア。 通称”黒眼鏡”……ノッテのカポ・レジームです」 本人の証言もきちんととっていますよと、男は言う。 あなたも知っているだろう。 いつも黒いサングラスをかけ、ノッテをまとめ上げている実力者の事を。 エルヴィーノがそこに行き着いたのは一つの奇跡と、幸運があったから。 決して自分一人の力でそこにたどり着いたわけではない。 マフィアがマフィアを潰すための法案を作る知恵を授けてたなんて、なんて茶番だろうか。 「彼が所長代理を唆しお金を渡して、あの法案が成立しました。 これって……真っ黒な、マフィアの金を使った違法献金ですよね」 「でも、ただ僕が一人で叫んでも……僕が逮捕されてもみ消されるだけでしょう。 人を雇って活動を大きくするなんて時間もない。……けど今は、ひとついい方法があるじゃないですか」 早ければたった数時間で瞬く間に広がってしまう、現代にしかない方法。 ソレは。 「インターネット……SNSによる炎上を、目指してみようと思います」 (-5) eve_1224 2023/09/23(Sat) 21:22:20 |
【神】 花浅葱 エルヴィーノ「…………」 この日の逮捕者の名前を聞き、明らかに顔がこわばっていた。 「……残されたのは僕だけ、か」 最早それだけしか、言えない。 このまま、明らかな罪もなく逮捕されるものを増やすわけにはいかないと、わかってるのに。 粛々と続く朝礼を聞きながら、ぐっと握った拳には深々と爪の跡が残っていた。 #警察署_朝礼 (G1) eve_1224 2023/09/23(Sat) 21:30:12 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「ルチア!」 逮捕の報を受け、何をからも優先して訪れた牢の中に、あなたは居るだろうか。 そこに居たなら、気が急いたように牢の鍵を開けあなたの目の前までやってくるはずだ。 怪我をしてないだろうか。 憔悴してないだろうか。 何か異常は? それを確かめるために、あなたの顔を覗き込むに違いない。 (-18) eve_1224 2023/09/23(Sat) 22:34:08 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ簡易的に用意されたその寝具の上に男は丸まって眠っている。 顔を覗かせれば何かに打たれたであろう頬は赤くなっていて、口の端は重い紫に変わっている。 まだ着替えを貰っていないのか見慣れた服を着ているが、 外から勢いよく引っ張られたであろうネクタイは緩みきっていて、 合わせるように前のボタンがいくつか外されていた。 「……エル? お前開けられるほどえらいのか…… それともここが緩いのか……なんだあ……」 (-19) toumi_ 2023/09/23(Sat) 22:49:34 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「……っ。殴られたのかい?」 側によれば、床に膝をついて。 一昨日のように、寝ているあなたの横についた。 状態を確認すれば眉は下がり、声が震えただろう。 「鍵を管理する人間が牢の中に入ったしね……あとの上司はそもそももうまともじゃない 鍵を開けて近づく人間はちゃんと選んでるよ」 手を伸ばして、痛くないよう赤くなった頬にそっと触れる。 どうしてこんなことにと、思う。 こんなことにならないように、あなたを追うのは自分だと、ずっと告げていたのに。 最初から、捕まえるために言ってたのではない。 傷つけない、そのためだけにそう言っていたのだ。 (-22) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:07:24 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ/* 了解です、何かしたほうがいいことがあったらご指示いただけたらやりますのでお気軽に! 宜しくお願いいたします! (-23) gt 2023/09/23(Sat) 23:11:23 |
【置】 花浅葱 エルヴィーノエルヴィーノ・ルカ・バディオリ 男の印象は、良く言えば落ち着いている。悪く言えば冷淡。 警察署内であまり親しい人間を作らず、淡々と仕事をし、昼休みは同僚たちに食事を取らされ、シエスタは時間いっぱいまでだらだら休んでいる。 そんな、何処にでも居る現代の人間だ。 「はは、色々やってたら寝るのを忘れてしまってね」 「……? そういえば昨日の夜から何も食べてないかもしれない」 生活のズボラさは折り紙付きで、いつも同僚の頭を悩ませている。 そもそも胃が小さいのだろう、彼が物を食べている様子は、昼に促されている時くらいしか補足することは出来ない。 仕事をさせれば普通だが、私生活に置いては最悪の人間。 そういう印象を持たれていたことだろう。 ▼ (L1) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:15:06 公開: 2023/09/23(Sat) 23:20:00 |
【置】 花浅葱 エルヴィーノだけどその実は。 男は睡眠障害を患っていた。 過去に事件で幼馴染を一時的に失い、初恋の少女が交通事故で半身不随になって、今も廃人状態。 特に後者に於いては薬物中毒であることを知っていたのに見て見ぬふりをしていたとして、酷く心を病んでしまっていた。 愛情は時に、歪に混ざり合い、変質する。 既に恋などという感情はないが、重い執着が、そこにある。 男は自分のことなどどうでも良かった。もっと言えば、関係のない人間のこともどうでも良かった。 ただ、幼馴染には普通の、安全で幸せな生活を送って欲しいと思っているし 少女には、普通に生きるだけの力を与えたいと思っている。 それが二人の人生を強制的に変えてしまう自分勝手なものであってでもというもので、 それはただの自己満足で欺瞞だった。 ▼ (L2) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:16:27 公開: 2023/09/23(Sat) 23:20:00 |
エルヴィーノは、もう、大事な人は、作りたくなかった。 (a3) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:16:51 |
エルヴィーノは、大事な人が居ると、その人に不幸が訪れて、僕は一人になるから。 (a4) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:17:21 |
エルヴィーノは、自ら独りになりながら、独りになることに酷く怯えていた人間だ。 (a5) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:17:35 |
【置】 花浅葱 エルヴィーノ「……。署内も静かになったね」 「全く、キミ達が全員いなくなったら……僕は昼すら食べなくなってしまうよ」 いつもはここで、犬のような後輩に捕まって。 呆れたように同期に皮肉を言われて。 忙しない同期に厄介事を持ち込まれて。 シエスタになれば一番弟子とチェスの勝負をする。 穏やかな上司と世間話だってしたし。 しわくちゃ顔の同僚に、書類の間違いだって指摘したり……してたはずで。 「おかしいな。 最初からあまり付き合わなければ問題ないって思ってたのに……皆居なくなってしまった」 力なくつぶやかれた言葉は静かに宙に消え、手に残った爪痕だけが、皆大事な人になってたのだと語っているかのようだ。 「……僕に何かを託すなんて、本来おかしいんだけど」 でも約束をした。 僕は、やらなければならない。 たとえ失敗したって、声を上げることが大事だと……背中を押してもらったから。 これで僕が逮捕されることになったとしても、構わない。 命を狙われようとも、構わない。 大事な人達に正しく幸を与えられたら、それでいい。 今、それができるのは……自分しかいないのだ。 (L3) eve_1224 2023/09/23(Sat) 23:19:09 公開: 2023/09/23(Sat) 23:25:00 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡/* ありがとうございます! PLの事情で明日日中どうしても動けないので、夕方から夜くらいから始めたいと思います。 反応とかいい感じに挟んでもらえたら喜びます、どうぞよろしくお願いします! (-33) eve_1224 2023/09/24(Sun) 0:04:10 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ君がアリソン女史の本当の名を呼んだ時、 恰も初めて聞いたかのように驚いた表情を見せる。 わざとらしいものじゃない。 リヴィオ・アリオストとして、不自然ではないものを。 例えそれが奇跡と幸運からの道だとしても、 やはり君は、とても、優秀な人だ。 君に嘘を吐いている。 不自然さを見せない完璧な嘘で、君を欺いていた。 本当は、頼られるような人間ではないというのに。 「………ふむ、確かに悪くはない手段だ。 警察としてはいい手段とは言えないけどね」 だけど君はもう、警察だからと足を止めるはずはない。 その目を見れば分かる、こんな俺にも協力を頼むんだ。 出来ることなら、協力してやりたかった。 破滅を望む気持ちはあるが、 こうも多くを巻き込んでしまっては破滅ではなく破壊だ。 だから、例えあちら側だとしても、協力してやりたかった。 「……………それで、君は俺に何をして欲しいのかな。 SNSに言葉として載せることは簡単だが、 拡散されなければ意味がない。大きな波に流されるだけだ。 その方法は思い付いているのかい?」 例えば、インターネットに精通している人間だとか。 生憎男の周囲にはいないもので、君に紹介する術はない。 (-40) sinorit 2023/09/24(Sun) 0:32:54 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノ昨日は夜、早めに家に帰った。 ルチアにそう促されたのもあるけれど、これからやる仕事の準備が必要だったから。 「アカウントいくつくらい取っておくかな……」 「こういうのって画像とか動画があったほうがいいんだよね……何か使えそうなのあるかな」 パソコンに向かって、何やら独りで作業をする。 眠れない身体はこういう時便利だが、明日のためには少し寝ておかなければならないのも当然で。 最後は大事な薬を飲んで就寝するのだろう。 就寝する前に、デスクに置いている写真立てに目を向けた。 「おやすみ、いい夢を」 けれども僕はきっと、夢を見ない。 (_0) eve_1224 2023/09/24(Sun) 0:39:18 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「マスコミ関係者の知り合いとコンタクトを取りました。 発信力の高い人間を紹介してもらったところです。 依頼料は多少かかりますけど……むしろその方が信頼できるでしょう」 発信はその人に。 内容が内容だから、マスコミだってきっと食いつくはず。 自分自身の力は微力だが、複数のアカウントを使って広めるという。 「良い手段ではありませんけど……これ以上、警察がただのお飾りになるわけにはいかないですから。 先輩も拡散に協力してもらえると助かりますが……一番は、所長代理の逮捕の際に協力してもらえれば」 何せこの男は、警察にも関わらず肉弾戦は不得意だ。 余り物を食べないのだから細いのは当然で、一応は鍛えたりはしてるものの、他の男達に比べれば筋力は劣る。 だから逮捕の時、複数の人間が必要だと……そう、思ったわけで。 男はあなたの事を信じている。 きっと、一緒に戦ってくれると、そう思っている。 あなたもとっくに、男にとっては大事な人間のひとりだった。 (-48) eve_1224 2023/09/24(Sun) 0:57:56 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「これは、なあ……まあ……大したことはない」 本当に、大丈夫だと言う姿に嘘の姿も誤魔化そうとする姿もない。 心配性すぎる声に返したのは、『昔飲んだ女にやられた』とだけ。 「だから俺のことは気にするなあ。 ……手回しのお陰で まだ 快適だ」しかし本当に毎日毎日、そして牢屋にまで顔を出す。 心配になるのはこの行動力と熱意と執着だ、これの何処が置いていけるというのだろう、永遠に付き纏われるのではないか? (-52) toumi_ 2023/09/24(Sun) 1:22:49 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「なるほど、もう既に行動していたのか。 君ってやつは……有能すぎるね」 俺の後輩にしておくのが勿体ないくらいだ。 こんな時でも冗談を言いながら笑って、 いつものように君の背を軽く叩こうとする。 「OK、後輩である君が覚悟を決めたんだ。 俺も、覚悟を決めるとしようか」 「…あぁ、ただ少しこの後は野暮用があってね」 協力出来るのは明日以降になりそうだ。 当たり前のように明日を、明後日を口にして、 またいつものように、片目を閉じて笑みを深める。 肉弾戦は得意ではないが、不得意でもない。 任せてくれと付け足して、君の背から手を離した。 あぁ、だけどこの言葉は嘘になる。 君が動き出す頃、男の姿は署内から消えて、 彼女 の歩みを止めるために法の力を利用する。そして同様に、彼女もまた男へ法を利用する。 だからその時男はきっと、君の傍に、いられない。 (-58) sinorit 2023/09/24(Sun) 1:35:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ絞れるような声は耳に好かった。 締めつける胎の感触も好かった。 きっと肌越しに感じる、速い鼓動も好かった。 何もかもが好ましかった。だから、欲深く貴方を食らった男は、精を吐ききった後も貴方に触れることを辞めない。 ずるり、寄せあっていた身体を動かす。花浅葱を隠して閉じた瞼に唇で触れる。 額やら頬に張り付いた髪を摘んで戻してやる。首筋に玉として浮かんだ汗を舌で掬う。 自ら付けた赤い痕を労わるように舐めもした。痛みと共に熱を持っているだろうか。 きっとそうする度に貴方は少し身動ぎをした。 僅かな感覚にまた身を震わせたりしただろう。 全て曝け出して、自分の下敷きになっていて、 今も無防備でいるこの人が、自分のせいで果てたのだという事実は、 それもやはり、男にとって好かった。 どうしてやろうかな。 心中の呟きは音にならなかったはず。貴方は深い眠りに落としてくれと言っていた。 そのまま貴方が男の行いを放っておくなら、これは再び緩やかに腰を動かし始めるかもしれないし。 そうでなくともいい。もう疲れ果てて眠れそうだと言うのなら、後始末を手伝う程度の甲斐性はこれにもあるはずで。 (-83) rik_kr 2023/09/24(Sun) 3:54:18 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「それは――……そうだろうね」 彼らのやっていることは許されない。それは確かだ。 それを見失うほど職務に反目を決め込んでいるわけでもないのだ。皮肉にも、残念ながら。 貴方がかつての上司として扱う限り、貴方の前でそれを違えることはない。 その上で男は、彼らを赦すことを撤回もしなかった。 「どうして警察でありながら、か」 僅かばかり目が細められる。遠くの風景をみるような仕草だった。 座ったまま、悠々と構えたままであるような姿勢のままで男は貴方を見上げる。 美しい瞳の色に焦点を合わせてしばらく考えるような間がある。 答えを今考えているのか言いあぐねているのだか、 そういうものさえ、いつも通りのままの表情に浮かぶことはない。 答えを放棄したかのような沈黙のあとに、男はやっと口を開く。 「彼らの未来を守りたかったと言ったとして、君はそれを信じるのかな」 (-110) redhaguki 2023/09/24(Sun) 6:23:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「怪我したのは顔だけかい? いい男が台無しだね」 乱れた服を見て、大丈夫だと主張するあなたに苦笑する。 乱れたままにしておくのはどうにも胸が痛むから、キミらしくないよと、抵抗がなければそのまま服を整えてやる。 牢屋のどこが快適になるんだろうと思ったが、案外セキュリティに穴もあるようだからそんな物かと肩をすくめた。 「気にならないわけ無いだろ。 こういう時勢じゃなければ別だけど……今は、何が起きても不思議じゃないし」 実際あの法がまかり通ってしまうまでは、ここまで頻繁には会ってなかったはずだ。 無事かどうか心配で、様子が変われば気になって、確認しなければ気がすまないようになってしまった。 それでも別に、近寄るなと言われれば、これは素直にそれを聞くだろう。 そうであるなら相応のやり方で幸を与えて満足する人間だからだ。 「あのさ……気になってることがあるんだけど。 キミ、……抵抗って言葉、知ってるかい?嫌なら嫌って、言って良いよ……僕にだって、誰にだって、さ」 (-114) eve_1224 2023/09/24(Sun) 7:27:19 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「何言ってるんですか。僕を育てたのはあなたでしょうに」 ひとつ上の先輩。 配属されたばかりの自分をユーモアを交えながらも、色々手引してくれたのは他でもないあなただ。 だから、大型犬みたいな後輩にも同じように手引をしたし、そうした小さな事が、今の自分を作ったといっても過言ではないだろう。 軽く背を叩く手を受け入れて、小さく笑った。 「そうですか。僕もまだ準備がありますから、動けるのは明日になります。 計画はあとでスマホに送っておくので目を通しておいてください」 よろしくお願いしますと、頭を下げる様子に疑いの色はやはり、ない。 翌日ある夢を見たけれど、それでもあなたを信じていることだろう。 例え、その場にその時現れる事ができなかったとしても。 あなたの立場でやれる事をやっているのだと、そう信じているのだ。 (-116) eve_1224 2023/09/24(Sun) 7:43:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ男である身体、その欲の受け口は、その精を取り込むような場所ではない。 中に入れたままにしておくべきではないけれど、果てたばかりの頭ではそんなことを考える余裕はない。 ないけれど、まだ眠れる気はしなかった。 「ん……、」 優しく触れてくる唇も、汗を掬う舌も、撫でる手も全部が心地よくて、くすぐったくて、ふ、と小さく息を漏らした。 それが少しずつまた色の付いた吐息になったなら、あなたはまた自分を喰らおうとするだろうか。 それでいい。 そうしてあなたとなんの夢を見ずに眠れる事ができたなら、きっと目覚めた朝には柔らかく笑えるはずだ。 この時の男は、翌日にあなたが居なくなるとは、露ほども考えていないのだから。 一人になった男は、何を思うだろうか。 それは、なってみなければわからないことだ。 (-118) eve_1224 2023/09/24(Sun) 7:55:34 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「……彼ら、って。誰ですか?」 やったことは臓器売買だ。 臓器提供を受ける人、それはなんらかの病に侵された少年少女ということになるだろうか。 「…………」 勿論やったことは許されない。 臓器提供を受けた人は助かったかもしれないが、差し出した方の未来は閉ざされている可能性すらあるのだから。 それでも、他人がどうなろうと何かに幸を与えたい。 その気持だけは、男は とても理解が出来た。 「……、信じます。 あなたは、ここで嘘はつかない……、でしょう?」 (-119) eve_1224 2023/09/24(Sun) 8:01:01 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「顔だけだな、今は。これぐらい直ぐ治る」 貴方の気遣いにもされるがまま。 ある種協力がない姿勢に、普段からしなれていなければ手こずったかもしれない。 「何が起きても、不思議じゃない……ああー……。 牢屋の中でやけにけが人が増えているんだったか……、 誰がやってるんだろうなあ。 想像はつくが、まあ、いい」 「ん……? 抵抗ぐらいは知っているが。 されて嫌なことは抵抗ぐらいする。 嫌じゃないことは、大体許せるさ。誰にだって、お前にだって」 (-124) toumi_ 2023/09/24(Sun) 9:19:03 |
【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ「そうだな、意味はない。 此方が渡すのはただの事実だ。思想如何は人に聞け」 実際は、別に客観的事実に限らないのだが。 "この"情報屋は、人にそうしてほしいので。 「……その道行きの幸を祈る。 もうこの夢に来ることのない、花浅葱の君」 ──ぱちん そうして、泡沫の夢は弾けて溶け消えたのだった。 「──良い夢を。おやすみ」 (-137) 66111 2023/09/24(Sun) 11:09:23 |
【秘】 リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「はは、嬉しいことを言ってくれるね。 …それなら、そういうことにしておこうか」 反射的に否定しかけた言葉は飲み込んだ。 嘘ばかりの男ではあったが、 そういう部分は確かに自分が残していたものなのだろう。 だからそんな自分を、少しだけ肯定する。 「了解、寝る前までには必ず目を通しておくよ」 頭を下げる君に任せてくれと、もう一度告げて頷いた。 本当はきっと自分が何者であるかを、 君に伝えるべきなんだろう。 ただ今それをすれば、自分はきっと崩れ落ちてしまう。 まずはすべきことを必ず成し遂げてからだ。 「それじゃあ、明日……頑張ろう、エル。 きっと君ならやり遂げられるさ」 君に出来ないはずがない。 その期待や信頼は本物で、同時に願いでもあった。 早くこの法に終わりが来るように。 そのためにも執行役はさっさと退場するべきだ。 俺も、彼女も……表舞台はまともで有能な人間に任せよう。 言い終えれば「また明日」と明日の約束をし、 君の前から立ち去ろうとする。 次に会うのはきっと、全てを終えたその先だ。 (-138) sinorit 2023/09/24(Sun) 11:09:24 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方の言葉を、姿勢を。表情を、共感をスカイブルーが見据える。 目を細めたのはどういった感情であるのか、暗い留置所ではわからない。 見定めるかのように、沈黙は長かった。 「ここは取調室ではない。 被疑者の話すペースに飲まれて鵜呑みになんて、するべきではないよ」 背中を壁に凭れて、すっかり脱力したままに男は微笑む。 貴方をいち警察官として見て、そうある姿勢を望むように諭す。 言い含めるような柔らかい口調はやはり、いつかと変わらない。 こんなふうになってしまってもまだ、男は教育者めいた振る舞いをするのだ。 「あまり此処に居れば、自分が怪しまれてしまうだろう。エルヴィーノ」 (-146) redhaguki 2023/09/24(Sun) 12:54:15 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ呼吸の音は再び高まり、貴方に触れる手にも強さが戻る。 無言の内に瞳を見合わせて同意を読み取った。火が灯る。 ぐ、と貴方の下肢を抑えつけて。 さて、再び男はその身を食らうことにした。 貴方が目覚める頃には、男はまだ眠っていたかもしれない。 図らずしも、安らかな寝顔を見ることが出来たかもしれない。 身体を確かめればある程度の後始末はされているのだろう。ただし当然、好き勝手つけられた赤い痕が消えているなんてことはなく。 それはまだ暫く、残り続けるのだ。 男が、姿を消した後も。 (-167) rik_kr 2023/09/24(Sun) 15:29:16 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「じゃあ聞くけど……殴られて抵抗したかい?」 それとも、昔の女だから許せたのだろうか。 もしくはそこからもう嘘なのか、自分にはわかりそうもない。 人の服を着せ慣れてなんてないから難しくはあったが、なんとか見た目は戻ったはず。 服から手を離して、じぃっとその顔を覗き込む。 「何でも受け入れてしまってない? 全てを受け入れてしまうのは、良いことではないと、思うけど」 だって。 「僕は、キミの事だって、受け入れたいと……思うし」 (-209) eve_1224 2023/09/24(Sun) 19:21:32 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「取り調べじゃないからこそ、信じてみてもいいじゃないですか」 取り調べなら。 状況や方法の話なら、証拠を用いて判断しなければならないし、被疑者の話をそのまま鵜呑みにしてはいけないのは、それは確かだ。 だけど今は、ただ、理由を聞きに来た部下であり、あなたは上司。 ただの愉快犯などではないと、信じたい心のままに信じてみても、それは罪ではないはずだ。 勿論、それで様々に手心を加えるようになれば話は別、ではあるけれど。 「……はい。そろそろ行きます。 ですが……また来ます。被疑者への暴力は……なくさないといけませんから」 ぺこりと頭を下げて、牢を出る。 次に来る時はもう、忌々しい法はなくなってるかもしれないが。 それでもあなたは、ここを出ることは出来ないのだろう。きっと。 (-212) eve_1224 2023/09/24(Sun) 19:31:01 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ――かつん。 廊下に靴の音が響く。 ゆっくりと、あなたが居るとされる牢の前に着くと、ふぅ、と静かに息をついた。 「イレネオ? 大丈夫かい」 正義感のあるあなたが、犯罪を起こしたり、マフィアに通じていたりするなんてことは全く思っていない。 あんな法がなければ、あなたが逮捕されることはなかったはずと、そう信じてここまで来たようだ。 ちなみに、首輪のように連なったあなたの噛み跡は、当然まだくっきりと残っている。 隠そうとしても見えてしまっているそれはどうにもならないから、早々にシャツを着るのはあきらめて、タートルネックにスーツを合わせてみた。 普段とイメージは少し違うだろうけれど、仕方のないことだ。 (-213) eve_1224 2023/09/24(Sun) 19:39:01 |
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