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【秘】 幕の中で イレネオ → 笑わない カンターミネ近すぎる攻撃を避けることは叶わなかった。 避けたとてほんの少し位置がずれるだけのこと。概ね貴方の想定通りの場所に、この男は頭突きを叩き込まれる。 「────ゥ、」 小さくくぐもった声を漏らした男は、しかし、それ以上の何をもしなかった。 顔を顰めることも、声を荒らげることも、衝動的な暴力を振るうこともなかった。 つ、 と赤い血が鼻腔から流れ出して。ぼた、ぼたり と滴り落ちていっても。何もしなかった。貴方の口に指を捩じ込んでいるだけ。閉じきらないように固定しているだけ。これからの行為で自分が被る害が最小限になるようにしているだけ。 貴方が選んだ手段が頭突きだったのは幸運だった。 貴方が蹴飛ばしたのが机や椅子だったのは幸運だった。 その攻撃が遍く"男性"の急所に向いていなかったのは幸運なことだったのだろう。だからこそ、男はこれだけ余裕を保っていられて。 そうして今後もないように、先んじて貴方の下肢に体重をかけることが出来た。 その下を暴こうとすることすらない。 男は貴方に欲情しているのではない。 ただ貴方を傷つけたいだけ。 ただ貴方を貶めたいだけだ。 ▽ (-73) rik_kr 2023/09/24(Sun) 3:04:56 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 笑わない カンターミネぐ、と男の手が貴方の頭を抑えつける。 親指をそこに突っ込んだまま。引き伸ばされた唇が痛むであろうなんて気遣いは当然ない。手錠で繋がれただけの腕は一番自由だろうが、身体をひたりと近づけてしまえば結局動きは止まるはずで。 ────勿論、見越した貴方が万歳の姿勢でも取っていれば話は別だ。この男はそれを咎めないから。 貴方の至近に近づいて。 べろ。自身が流した血液を舌先で舐め取って。 男はそれを完遂する。 貴方の口内に男の舌が、唾液が、血液が入り込んだ。単なる嫌がらせ。手の込んだ嫌がらせ。縮まっているのであればその舌に敢えて擦り付けるように触れ合わせて、上下に完全に注ぎ落とすようにして。指のせいでどうしても閉じきれない隙間からは下品な水音が聞こえたかもしれない。 貴方がいくら歯を食い縛ろうと辞めない。貴方が唸ろうと呻こうと暴れようと辞めない。それ以上のことはしない。ただ、辞めない。 相手の言葉に心を乱されない方法はいくつかある。 そのうちのひとつは 相手を人と思わないこと 。精々けだもの程度に思っておけば、罵る言葉も態度も何処吹く風でいられるものだ。暴れる様や与えられる痛みもそう。死に際の虫が暴れる様なものだと、今は感じられる。 (-74) rik_kr 2023/09/24(Sun) 3:07:10 |
【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ暴れる。その言葉通りの事だけをしていた女は、 それこそ"けだもの"程度の行動しか取る事が出来なかった。 下肢を抑えられるまで、アドレナリンの齎す興奮に 酔ったまま、ありもしない『外』の動きを呼ぼうとした。 それはカンターミネが自身を弱者として認識していたからに 他ならない行為でもあった。これは、激情を持ち、 マフィアとしての多少の暴力に馴染んでこそいたが。 所詮は、組み敷かれる程度のか弱い女でしかなかった。 故に、それは実に簡単な事だったに違いない。 見越す事もせず、両手も塞がれ、怒りのままに暴れるのも 抑えていれば何の障害にもなり得ない。 まざりものが舌と共に口内を踏み荒らす頃、 ようやく女はそこに嫌悪の音を含めたうなりをあげた。 きっとそれは、"それなりに"あなたの欲を満たした事だろう。 (1/2) (-77) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 3:29:19 |
【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ……そのまま厭だ嫌だと喚くだけの虫や獣であったならば、 そもそもあなたは負傷などしてなかったはずだ。 アドレナリンがなければこの行為に至れなかっただろうが、 同時にアドレナリンがあるからこの後に至るはずだ。 だからきっと、これもまた"天秤"なのだろう。 『正義』は言った、お前達に法はないと。 だが、その言葉は残念な事に間違いだ。 『正義』が存在する以上。 もう一方の正義も存在する。 そうしてそれらは、共に天秤にかけられる。 優位であった天秤は、僅かな薬剤の効果が切れると共に 冷静さ、否、残酷さを取り戻した女によって再度、傾けられるだろう。 それは明らかな変化だった。 女から抵抗が失われた。諦めを感じさせるような変化だった。 あなたがそこで興味を失い、或いは何かを感じて身を引けば、 「その後」は来ない。だがそこでまだ、続けるのであれば。 これ幸いと、『正義』の執行を続けたのであれば。 女は、あなたの舌を奥へ誘ってから、 ぎぢ。 と。その一部に穴を空け、あるいは 咬み千切るだろう。 けだものが如く。 (2/2) (-79) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 3:29:42 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 笑わない カンターミネざらりとした舌の表面が貴方に触れている。 剥き出しの薄い粘膜に無遠慮に触れている。 それで貴方が唸る声に、平素の男ならばきっと満足そうにしたはずだ。 けれど今の男は違った。これは今、自分の愉しみではなく、貴方の不快を優先している。 だからその声に満足そうに喉を鳴らすこともない。ただ粛々と、ただ淡々と、咥内から精神を凌辱することだけに熱心でいる。 それは正義の執行とは真逆の行動だった。暴力と圧力で相手をねじ伏せようとする、男が最も嫌う行為だった。 ご名答、『外』の助けなんて来やしない。 それに関しては素直な男の言う通りだ。 ここは治外法権。可視化法は適用外で、 被疑者に不利な規則ばかりが支配する。 だから。 だからだ、男が引くことが出来たのは。 正義にかまけていればきっとそうはいかなかった。貴方の思う通りこれは裁きに浮ついて、見えた罠に足を挟まれたはずだ。 引いた舌に男は満足した。 貴方をねじ伏せたと錯覚した。それですんなり離れようとする。 ────けれど、それは間違いであって。 貴方は全力で噛み付いたのだろう。であれば。 人体の中で最も硬いその上下ひと揃いの万力は。 せめて男の指の、骨を砕くまでは出来ずとも、 表面を破損させるくらいわけもないはずなのだ。 助けが来ないのは、男にとっても同じこと。 (-87) rik_kr 2023/09/24(Sun) 4:09:13 |
【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオもし、体内の音を聞けたなら、今この女からは 水音と同時にブチブチと血管の切れる音が響いただろう。 それも、相当に大きく。だからこそこれは一度誘った。 そうしてなお、獲物が逃れるなど許せなかった。 相手の考えや信念など、今この瞬間はどうでもいい。 これが考えるのはあなたと同じだ。鏡のように。 お前には罰が必要だ。 離れようとしたのが、不味かった。 きっと、近すぎたが故に瞳に爛々と燃えるライムグリーンが 見えなかったのだ。苛立ちに唆されたのだ。 そうでなければ、あなたのような警察が、 これに後れを取るはずがない。 カンターミネは、離れていく頭にもう一度頭突きを見舞った。 また口の中が少し切れたが、厭いはしない。 緩んだ手、指の拘束を大きく首を振って"ずらした"。 そうして、ずらされた先は――罰を執行するのには、 余りに原始的な。人体で作られた、 断頭台 だった。まず、ごり、と音がする。それは右か左か、ともかくあなたのどちらかの親指が断頭台に嵌まり込んだ音だった。次いでめき、と音がする。それは丁度親指の付け根、第二間接が軋む音。そのままなら根元から捩じ切られるだろうが、抵抗しない訳もあるまい。 抵抗したなら、第一関節程度までは抜けたかもしれない。だが、このけだものは、一度憎んだものを決して逃がしはしなかった。ばぎ、と音がした。丁度、それは七面鳥の骨をへし折るような音だ。或いは、警察であるあなたにはより耳馴染みがある音かもしれない。そう、人骨の折れ、砕ける音だった。 (1/2) (-91) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:31:51 |
【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオもう、誰が殴ろうが、叫ぼうが。 このけだものには、関係なかった。 怒り狂った女は、きっと少し離れた体の隙間から、 手錠で繋がれた手を抜け出させ、その拳を握って。 自らの顎を下から思い切り打ち抜いた。 その衝撃を最後に、 ぶつり。 あなたは喪失感を覚えるだろう。 生まれてからずっと一緒だったはずの十本の内、 大きく太い一本を失ったのだから。 赤い液が勢いよく、その後はリズミカルに吹き出す。 止血しないのならば、辺りは大変な事になる。 そうしてライムグリーンに赤を浴びた女は、笑う。 口内で転がした指を、あなたの混ぜた液を、絡めて、 「ベッ!」 音を立てて、部屋の隅へ向けて吐き出した。 口元は真っ赤に化粧をしていて、頭もまだらに染まり。 日頃の子供達が見たなら、一生のトラウマになるような。 けだものはそこに立つ。自ら入れた一撃で朦朧としながら。 それでも、怒りと残酷さを手放すことなく。笑っていた。 (2/2) (-94) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:36:53 |
カンターミネは、血を吐き、笑う。多分、後で酷く痛む。 (c16) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:54:15 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → けだもの カンターミネ面会の正式な──友人の代理という名目で──手続きを踏み、 金髪のウィッグに碧のカラコン。 薄い色付きの眼鏡をして、少し軽薄な雰囲気に。 いかにも表の仕事仲間の女、というテイで猫被りは訪れた。 あなたが面会できる状態なら、面会に引っ立てられるだろう。 けれどさて、粗末な牢獄の中、あなたは今どうしているだろう。 面会が難しそうであれば、またの機会に。 「やっほーカンターミネ、退屈な獄中生活はどう? 元気してた?そろそろ干からびそう? もうあたしの名前も忘れちゃった? アメリア だよ〜」「ちょっと伝言があって来たんだけど。 何かついでに差し入れた方がいいものあった? あたしが看守に注意されかねないのはナシね」 面会ができたなら、看守は ちょうど交代中 らしく、姿は見えない。この猫被りが立ち去るまでは交代の看守は来そうにない。 賄賂でも握らせたのだろう。 (-98) unforg00 2023/09/24(Sun) 4:57:28 |
【秘】 けだもの カンターミネ → コピーキャット ペネロペ視力が悪くない限り、それなりにボロボロの女が目に入る。 廊下に背を向けて床に横たわっている白衣は よく見れば血が結構ついているし、 面倒臭そうに転がる最中明らかに痛みに顔を顰めるし。 その顔だって「は?誰だコイツ」みたいな顔を一瞬したのは さておいても、口元は切れてるし顎は痣があるしで かなり"やりあった"のが見て取れるだろう。 「おかげさんで退屈はしてないよアメリア。 ご覧の状態なんでベッドの代金支払いは今度で頼むわ」 軽口のキレもいまひとつな様子。 あーいってえ、とぐちぐち言いつつ、口元を一度拭った。 「次来ることがあったら消毒液と絆創膏、 あと湿布と鎮痛剤持ってきてくれ。 ……んで、伝言って何?あ、待った。 あんまり笑うような内容じゃなくしてくれ。 今腹が死ぬ程痛いから笑ったら多分死ぬ」 どいつもこいつもおてんばな奴しかいねえな。 内心でそう思いながら、人の事は言えないな、と。 ぼさぼさの髪を鬣のように揺らしつつ、耳を傾けた。 (-99) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 5:10:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ食らったのは再びの衝撃。 愚かな犬は同じ轍を踏む。 一度千切れた血管は脆い。 乾きかけた肌に再び赤い雨が降った。 二度も同じ場所を負傷すればさすがに痛むか、 男は咄嗟にその鼻筋を抑えようと片手を引いた。 こういう時に先に動くのは利き手だと相場が決まっている────右だ。 つまり残ったのは、その逆側。 ごり、という音は刻印に似た。 死刑囚の肌に刻まれる目印だ。 めき、という音が内側に響く。 それは警鐘であり警告だった。 男は乱暴に手を振ったはずだ。 それなのに抜け出せなかった。 ばぎ。 駆け抜けるような激痛。男はその頭を再び抑えつけた。 そうして逃げ遂せようとした。 けれどそれさえ逆効果なのだ。 頭を目掛けて振り抜かれる腕。 照準を固定したのは男だった。 ▽ (-100) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:18:15 |
【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネぶつり。 きっと貴方よりもっと。 男の方がその衝撃を感じたはずだ。 「あ゛ ?」「 な、 」漏れる声には困惑が濃かった。 発したことのない音。それが喉から、指先────正確には指先が繋がっていたはずのところから、零れて。 答えを求めるように貴方へと視線をさ迷わせれば、まるでケチャップを纏ったウインナーのような己の指。 己の?何故? 吐き出されて転がっていくのは己の指だ。 何故────分からないが。 そうか。 こいつのせいだ。 目には目を。 歯には歯を。 誰が言ったか、忘れたが。 ここにいるのはけだもの二匹。 貴方が自ら脳を揺らしたのは幸運だった。 反射で残ったのが利き手だったのも幸運だった。 笑う貴方の頭を五指満足の利き手で鷲掴もうとする。 それが叶うなら────今に、男は貴方を、 後頭部から床に激突させようと持ち上げる。 (-101) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:20:54 |
【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオゆらり、ゆらり。立ち姿は幽鬼のよう。 口元から血を垂らし、頭を揺する。 ぎひ、と笑うけだものは、それでもまだ頭は動いていたようで。 掴まれる寸前で後頭部を守るような姿勢をとった。 そうしておきながら、やはり笑い、 鷲掴まれた向こうからあなたを見下す。 「自分から仕掛けた癖に」 「人のせいみたいなツラすんなよ、クズ」 どこまで言えたのやら。 或いは、その腕にこちらも腕やら手錠やら絡ませて。 隙があるならその利き手の指すら食い千切ろうとした。 けだもの二匹だけなら殺し合いになるだろう。 止めに入る者は来るのか、来ないのか。 来ないのならば、どこまでこのけだもの達がやるのか。 少なくとも女から牙が抜ける気配は、まだない。 (-103) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 5:37:34 |
【墓】 けだもの カンターミネ「あ〜いってえ……」 腹の辺りを抑えながら収容所をよたよた歩く。 「あのバカ野郎マジで蹴りやがったな…… 肋骨とか折れてたらどうすんだっつの…… いや、怪我はお互い様か……」 呟く顔にも傷はあるし、白衣のあちこちに血はついてるし。 包帯は巻いてるし、髪も所々くすんだ赤が付着している。 何をやったのかはさておいて、ふらつく足取りから まあ"それなりに"やりあったのは確実だ。 一応、見知った顔を幾つか見つける度、 両手に嵌められた手錠ごとふりふり手を振った。 #収容所 (+19) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 12:18:43 |
【墓】 けだもの カンターミネ>>+20 黒眼鏡 「カフェのマスターは元気そうだな……羨ましいぜ。 散々喋ったんで疲れたんだよ、はーあ……」 手を振り返し、のそのそ寄る。いや、距離は遠いけど。 だってバンバンされたら今流石にキツいし。 「嫁入り前の乙女にこんな傷負わせる奴いるか? 信じられねえよなあぁ〜……」 #収容所 (+21) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 12:32:36 |
【墓】 けだもの カンターミネ>>+22 黒眼鏡 「よく言うなホントに」 主に現状を指している。 座り込むのにものそのそ、一旦壁に背中をつけてから ずりずりと降りていくようなザマだ。 「俺だって手当したいんだけどねちゃんと。 死ぬ程痛いし。マジで。また腹立ってきたな。 じゃああんたは結婚式には呼んでやらん。」 痛くても軽口を言ってないと死ぬ病にかかっているのかも。 げほ、と咳き込んではいってえ、と呻いている……。 #収容所 (+23) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 12:52:31 |
【墓】 けだもの カンターミネ>>+27 黒眼鏡 「悪いな、俺の口が素直に褒める相手は 可愛げのある奴だけって決めてるんだ。 ちなみにひん剥いたらあんたも食い千切ってやる」 物騒極まりなく、ため息を零す。 「そうか、じゃあ今度存分に泣いてくれ。 盛大にするかはさておき、泣けるようにはしてやるよ」 こっちもお手玉。遠くから見る色男に何見てんだオイ色男、 そんな風な視線を送ってやった。 「いーえ結構。寝過ぎて体中痛いんでね。 あっちの怪我した色男の介護でもしてやったらどうだい」 (+30) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 13:07:30 |
【墓】 けだもの カンターミネ「なーにがうわ、だおちびちゃんめ」 自分のせいでそうなっている、という事情は置いといて。 わしゃわしゃされてるのを眺めて、 どいつもこいつもよお、とため息を吐いた。 なんだこの平和な感じは。 もしかして尋問で外れを引いたのは俺だけか? そんな風に肩を落とした。 #収容所 (+31) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 13:11:22 |
【墓】 けだもの カンターミネ>>+32 黒眼鏡 「あんたに可愛げって言われるとゾッとするわ。 生憎ここの牢屋に歯磨きセットは置いてないんでな。 歯は磨きたいんだけどね、俺も。今すぐ。」 へらへら、いつもの笑みがやっと返ってくる。 ……口の中も幾らか赤い。 「腹立ってきたな。ほんとにボロ泣きさせてやろうかな。」 「ふうん。あ、あいつと今度メシ食いに行くから 旦那も来て珈琲淹れてくれ。あとアレ、ニコロ。 あいつも引きずってこよう。逆ハーじゃん、笑うね」 わっはっは。 #収容所 (+33) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 13:33:00 |
【墓】 けだもの カンターミネ>>+34 黒眼鏡 「どっから持ち込んでんだよあんたは……貰うわ」 受け取り、……一応キャップを見て臭いをかいで。 大丈夫そうなら、口に含んで洗い流し吐き出す。 床が赤く汚れるのはもう諦めて欲しい。 「あーそうかい。じゃああんたは泣かずに済みそうだな、 嫁入りする予定はないからな」 こっちもこっちで大概無礼な物言いだが、 まあ軽口には丁度いいんだ、たぶん。 「そりゃいいね。色とりどりのイケメンはどうでもいいが、 あんたのオリジナルブレンドは楽しみだわ。 ん〜?そうだなあぁ。そん中じゃ、ニコロじゃね? あんたは年齢、あそこの色男は口説きすぎ。 ニコロの奴はからかい甲斐があるんでな!」 へらへら笑いながら、一応あなたもその中に含めて。 「だが、どいつもタイプじゃないね。 俺が好きなのは可愛げがあって、したたかで、 寂しがりで、あとなんだろうな。 ああそうだ、信用出来る奴!そういう奴なんでね」 (+35) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 14:11:39 |
【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ叩きつけるだけでなくその膂力で割ろうとでもするよう。 締め付けられる貴方の頭蓋がめりめりと音を立てたよう。 落下の衝撃で狙いは大きく外れるはず。男の指を再度食いちぎることはきっと難しい。 ごづん。 頭を守ったとて背中から強く打てば僅かに呼吸が詰まるだろう。 それでも致命傷が与えられないと知れば男は今度こそ強行手段に出ようとする。 貴方の首に。 手が回った。 最早関係ないのだ。 正しく恥も外聞もない。 ここにいるのはけだものだけ。 相手を徹底的に叩き潰そうとする衝動だけ。 その向こうで、どちらが先に取り戻せるか。 頭を守るために貴方は首を少し持ち上げていたはず。 その目にはきっと映るはず。 床に────貴方の手も足も届かないような位置に、見覚えのあるアンプルが落ちている。 男は気づいていないようだ。つまりもう貴方に使われることはないだろう。 しかし。 ならば。 ほかの人間には? まさか置き去りにして帰るわけもあるまい。 実際には、それは貴方のものによく似せたアンプルだ。 しかし頭の茹だったけだものに、そこまで判断できるかどうか。 (-156) rik_kr 2023/09/24(Sun) 14:36:26 |
【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ「がっ、は……」 今日だけで何回の荒事分の傷を負ったのか。 少なくとも、女がファミリーに入ってから負った傷の 「合計」より今日一日の負傷の方が大きいに違いない。 まして、自分の首を絞めるような相手はそういない。 居たとしてもすぐに取り押さえられるような、 そんな状況ばかりだった。 目を白黒させたのは今日が初めてかもしれない。 そうした行動と、血の不足。朦朧とした頭に加えて、 その目に映った物は『けだもの』を僅かにでも 寝かしつけるには充分な冷や水だった。 『アレ』は不味い。ここで使われるのは勿論、 他人に使われるのはもっと不味い。 カンターミネは多くの薬を錠剤にしていたが、 それは混ぜ物にしても露見し辛くする為と、効力調整の為。 つまりアンプルは、『未調整』なのだ。 中身の液が何にしろ、それなりに危ない。 万一、身内に使われたら。そんな事をさせる訳にはいかない。 女のけだものは、まだ眠りに落ちていなかった。 平時なら見分けがついただろうに、今はまだ難しかったのだろう。 (1/2) (-158) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:05:59 |
【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオならば、どうする?少し前までなら、 自分で飲み干してやるという選択肢もあった。 だが、今のこの状況で気絶でもしたら、 そのまま殺される可能性を捨てきれなかった。 男が正義の徒だと確信していれば、自ら服用して 倒れる事を間違いなく厭わなかったが、 今は無理だ。ここにいるのはけだものだけだから。 ならば、もう道はそう多くない。時間も。 あなたの膂力であれば、片手がなくとも気絶、 或いは首をへし折られてもおかしくない。 視界にレッドアウトの気配が迫る前に――。 女に残ったけだものを使って、のしかかるけだものに 出来る事。きっと、馬乗りにしろ、なんにしろ、 首を絞めに来たなら体勢は変わっているはずだから。 今度こそ、冷静に。冷徹に。冷酷に。"男の急所"に一撃を。 どすっ、と。音が響くほどに、全力で。 ……その痛みは、男にとって比肩するものがないと言う。 めり込ませた膝なり、拳なりの感触が最悪と言うのもあって、 或いは弱っている力を補助する為に、何度も入れる。 これでどうにかなってくれるなら。 アンプルの下へ走り、容器を握り潰しながら悶絶する男の口に 叩き込むだろう。色を見る限り、強力な睡眠薬のはずだ。 偽物でなければ。或いは、偽物でも効果が同じなら。 (-162) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:13:13 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → けだもの カンターミネ「うーんまあ元気そうね?すこーし メイク は濃いけど。それじゃ本題なんだけど、」 声を潜めて。 牢に近付いて。 作っていた声から、あなたも聞き覚えのある、素の酒焼けた声へ。 「あんたの大事なお友達、ダニエラからの伝言だ」 「獄中に、何らかの混乱が起きればそれに乗じて 脱獄を目論んでる輩どもが居るらしい。」 「或いは合図があるはずだ。 どうも留置所周りの機密情報まで掴んでるみたいでな。 何かあればそれに乗じて上手く出て来いとよ」 素の声から、また作った声へ。 「あんたのかわいこちゃんが一人で寂しいって泣いてんのよね〜。 代金支払いの件はエッダに伝えとく。 あと消毒液と絆創膏と湿布と鎮痛剤? 次また来れたら…あたしちゃんが覚えてたら持ってくるわ」 シレッと無い話をし、牢から離れ、ひらりと片手を振る。 伝言はそれで終わりらしい。 (-164) unforg00 2023/09/24(Sun) 15:18:52 |
【墓】 けだもの カンターミネ>>+36 黒眼鏡 はいはい、とペットボトルの残りを返す。 あんたと違って持ってたら何言われるかわからないし。 「ふーん。さしもの黒眼鏡の旦那も、ここじゃ鈍ってるな」 「嫁入りしないとは言ったが、結婚しないとは一言も 俺は言ってないんだけど?」 にんまり。してやったり、という顔だ。 果たして、冗談の内か、本気かは相変わらず 張り付いたにやけ顔でわからないけど。 「ま、早い所ここから出てから全部考えるさ。 という事で俺の理想の男性を探すより、 さっさとバカ騒ぎが終結する事を祈っといてくれ」 へらへら笑い、あーどっこらせと立ち上がる。 「傷治すのにどれくらいかかるかなあぁ…… いってえ〜……伸びも出来ないぜこれ……」 軽口と共に、歩いていくか。 だって、『兄弟の時間』の邪魔はしない方がいいだろうしな。 #収容所 (+37) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:20:17 |
【秘】 けだもの カンターミネ → コピーキャット ペネロペ「半々だよ。あー痛え。」 本題を聞けば、へえ、と唸る。 「何かあれば、ね。」 「りょーかい。助かるよ」 「まったく、無茶するな。どいつもこいつも」 なんとも。誰も信じてないって直接言ったのに、 それでもまだきちんと伝言してくれるんだから。 「そりゃ俺も泣きたくなってきたな。 はいはい、ぼったくりは勘弁しろって言っておいてくれ。 お疲れさん。ありがとよ。 ……たまにはメイク落としてすっぴんで勝負したらー? あんたならいい線行くと思うけどー」 余計なお世話か。ごろり、また牢に寝転がった。 (-166) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:28:03 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → けだもの カンターミネ「はーい、勘弁してくれるかは保証しないけどね」 伝えるだけよ、とからから笑って。 「メイクは女の勝負服なのよ。 落とすなんてとんでもない」 冗談めかしてそう言えば、じゃあね、とその場を後にする。 今はアメリアを名乗る男は、 何だかんだと情に流されやすく、 また、ファミリーに甘い人間であった。 (-169) unforg00 2023/09/24(Sun) 15:39:40 |
【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ二発。 顔面に食らったものとは比較にならない痛み。 それだけ下品なことをされたことはこれまでなかったし、 それだけ容赦のない暴力を振るわれたことだってなかった。 ぐう、と押し潰れるような音が男の喉から絞り出されて力が緩む。 その隙にもう一発。食らわせたなら腹が浮く。空間が出来れば抜け出すことは容易になるはずだ。 逃げ出す貴方を捉える余裕は今はない。 せめてとばかり顔をそちらに向けたのがついに運の尽き。 貴様、と吼えようとした口は、的として不足がないはずだ。 無味の液体が口内に流し込まれる。 男もまた、その指に噛みついたかもしれない。 少なくとも。 近づく貴方の身体を捕えようとする。それくらいはした。それくらいの、反撃は。 (-183) rik_kr 2023/09/24(Sun) 16:50:14 |
【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ咳き込み、肩で息をしながらそれらを実行に移す。 移すしかない。少なくとも止められなければ、 また同じようになると考えている。 容器を握り潰した拳を噛み切る事は難しいだろう、 とはいえ歯を立てれば出血くらいは見込めるはず。 女も、ここで喉に膝蹴りでも入れてしまえば それこそ再起不能にくらいは出来ると踏んでいた、が。 「おい、『警察』!」 恐らくは、捕えられながらもそう、呼ぶ。 睨みに怒りは混じれども、狂乱の色は少し薄めて。 「ここが分水嶺だくそったれ。乙女の大事なモン奪った罪は、 お前のムスコを蹴っ飛ばしたので帳消しだ。 そしてお前が俺に働いた『尋問』関係ないただの暴力は、 指を食い千切った俺の罪で帳消しにしてやる。 だからいいか、よく聞けよ」 (-191) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 17:17:56 |
【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ肩で息をしながら、この女はやっと唸り声ではなく、 取り戻しつつある人間としての『言葉』を紡いだ。 「あの指を氷で包んで、急いで処置すればまだギリ繋がる。 薬が効いてぶっ倒れる前に署員を呼んで処置して貰え。 次に『まともに取り調べする』気があるんなら、 少しはまともに答えてやるから、この下らねえ喧嘩は ここで手打ちにしろ。これで嫌だってんなら、 お前は今度こそ路地裏のチンピラ以下の、糞野郎だ! 薬が効いた後ぶっ倒れたお前の手足指喉目舌全部潰す! どうする、正義の警察官さんよ……!」 そうやって、カンターミネは選択肢を提示した。 今、天秤はこちらに傾いている。このままにするのは簡単だ。 だが、そうすれば揺り戻しが来る。今の男のように。 だから、傾きを平らに、とまでは言わないが。 『正義』の下に、平等に。問うくらいは、する。 それが例え、損得勘定からなるものだとしても。 再度、歌った。 (-193) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 17:19:14 |
【秘】 けだもの イレネオ → また、歌う カンターミネ人の言葉を話して歌った貴方と対極。 男は唸った。血走った瞳で唸った。金と赤。明らかな警戒色を双眸に宿して。 肌に突き立った鋭い犬歯は肌を裂きもしただろう。 したはずだ。 手を捕えれば理性を失った力が骨を折りもするだろう。 掴ませ方が悪ければ。 男は貴方の言葉をまるで聞いていない。 男が食らった薬の効果は精力剤だった。 しかしその効果が正しく発露することもまた、ない。 この男に薬物への耐性はない。 アドレナリンによる高揚と興奮。 そこに叩き込まれた薬剤によるドーパミンとエンドルフィンの過剰放出。 それは男の身体を、精神を、内部作用を狂わせた。 ▽ (-201) rik_kr 2023/09/24(Sun) 18:19:05 |
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