人狼物語 三日月国


187 『Ambivalence』

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【秘】 入江 修 → 浅見 律



    相手が何を言って欲しいか
    その気持ちを察することが
    他のやつより得意だとは思う。

    下手に好意を口にする無知と
    俺のような行為の欠けらも無い理解者は
    時に人を困らせていく。


    素直に聞き入れるように
    手の白濁を舌で舐める姿は
    男を魅了できると確信できるほどに艶めかしい。



(-8) 西 2022/12/15(Thu) 22:36:44

【秘】 入江 修 → 浅見 律




    俺の言葉を噛み締めるように
    小さな声で浅見がなぞる。

    その一瞬は浅見の心が溶けたようで
    そこに浅見の求めるもののヒントが
    これでもかという程に組み込まれていた。

    どれだけ丹念であっても
    初めて男を受け入れるのに
    何も痛みがなくて済むはずがない。

    ぐっと腰を押し込むと
    顔を顰めた浅見こちらを向いて。

    親の手のひらを求める子供のように
    淡く、儚げに、笑っていた。



(-9) 西 2022/12/15(Thu) 22:37:10

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    分かったよ。
    お前が飢えてるのは愛情で。

    自分が存在してもいいという承認が
    不安定な浅見の存在を確かなものに変える。

    たとえ本当に言って欲しい相手が俺ではないとしても
    幸せだと言いたげな恍惚の表情は
    模造品に頼るしかない、哀れな羊のものだ。



(-10) 西 2022/12/15(Thu) 22:37:42

【秘】 入江 修 → 浅見 律



      「浅見。
       嘘でいいから。

         好きって、言って?」



(-11) 西 2022/12/15(Thu) 22:39:14

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    「何度も言えば
     痛みも紛らわせるだろ?」



(-12) 西 2022/12/15(Thu) 22:40:26

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    「何度も言えば
     嘘が本当に変わるだろ?」



(-13) 西 2022/12/15(Thu) 22:41:11

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    俺は浅見の奥深くまで侵入して
    しばらく動かずにじっと浅見を見る。

    何度も同じ嘘をつけば
    いつか思い込みという真実に変わるから。


    今は浅見に俺のものを中で味わってもらう時間だ。
    すぐに動き出したりはせずに
    時間をかけて浅見の中を慣らしていく。
    

(-14) 西 2022/12/15(Thu) 22:41:43

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    終始優しく。
    ゆるやかに浅見の身体を味わう傍らで
    差し伸べられた手はまるで親のように。

    激しさを隠したまま
    浅見にW幸せWを与え続けていた。**



(-15) 西 2022/12/15(Thu) 22:43:01

【秘】 入江 修 → 浅見 律


***

   何度も俺を最低と貶す。
   コロコロと態度を変える俺への嫌悪か
   それとも捨てられない幻想への憤りか。

   その声色は少しづつ変わってるようにも見え。

   無抵抗に抱き上げられた浅見は
   もう耐えきれないと言わんばかりに
   こちらに寄りかかってくる。

   まるで甘えてくる子供のようだ。
   子供から大人に上がる年頃の今、
   その境界を壊してしまったせいか
   その括りも曖昧になってしまう。


(-16) 西 2022/12/15(Thu) 22:45:14

【秘】 入江 修 → 浅見 律



        「浅見。」


(-17) 西 2022/12/15(Thu) 22:46:23

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    「明日からもうここには来なくていい。」



(-18) 西 2022/12/15(Thu) 22:48:49

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    浅見の体を持ち上げると
    白濁液がソファーに垂れる。
    そのまま浅見を寝かせ
    制服を整えてやりながら


     「お前を元の場所に帰してやる。」



    そう言って浅見の身体から手を離すと
    解放の号令を告げた。
    いつも渡していた薬も
    この日だけは渡す素振りすら見せずに。


    その方が、最低だ。違うかい?**


(-19) 西 2022/12/15(Thu) 22:50:20

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    「さぁな。そりゃお前が決めることだ。」



(-48) 西 2022/12/17(Sat) 23:52:08

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    空っぽの俺達には戻る場所は無い。
    わかっていても受け入れ難い事実は
    巡り巡って引き合い合うものだ。

    浅見のいなくなった資料室で
    独り電子タバコを吸い込むと

    俺は汗や体液の異臭がまだ残る椅子に佇み
    疲れたようにため息をついた。


(-49) 西 2022/12/17(Sat) 23:52:31

【赤】 入江 修



    「はぁ、また一から探し直しか。」


(*21) 西 2022/12/17(Sat) 23:53:11

【赤】 入江 修



    女というのは難しいしめんどくさい。
    前に辞めた生徒…名前は、椎名だったかな。
    あいつはもう飽きたから関係を切ろうとしたら
    すげーヒステリックを起こしたっけ。

    それに比べりゃ浅見は利口なんだろうが
    それでもめんどくさいことには変わらない。



(*22) 西 2022/12/17(Sat) 23:53:41

【赤】 入江 修



    どうせ耐えきれずに帰ってくるのに
    どうもあいつは無駄な事が好きらしい。

    俺はあいつがこの先向けてくる
    大きすぎる感情を、侮っていたんだ。**



(*23) 西 2022/12/17(Sat) 23:54:16

【赤】 入江 修



    資料室に浅見を呼ぶのをやめて数日
    俺達の秘め事は外には漏れていないらしい。
    流石というかなんというか。
    本当に期待を裏切らないやつだと思う。

    ただ一つ予想を裏切られたと言えば
    ごく一般的な教師と生徒を演じながら
    ひびだらけの平穏を営む内に
    浅見が時折姿を消す日があったことだ。


(*24) 西 2022/12/17(Sat) 23:54:51

【赤】 入江 修



    まともに交流しようともしない。
    そんな浅見の行方なんて誰も知らない。
    浅見はどうしたと聞いても
    クラスの奴らは揃って首を傾げていた。

    娘さんが学校に来ていません。
    そんな連絡をしてみても親は知らんの一点張り。
    最初こそ連絡をするようにしていたが
    次第にそれも形式的なものに成り下がり
    浅見を想う意義もなくなっていく。



(*25) 西 2022/12/17(Sat) 23:55:35

【赤】 入江 修




    誰も知るわけが無い。
    堕ちるとこまで堕ちた女の行末なんて。

    俺の思惑にハマり、
    俺がかけた首輪を外せずに藻掻く有様も
    その結果地獄の釜の底に立ったことも

    まさか思うまい。
    とんだくだらない逆恨み同然の憎悪の感情が
    まさか教壇越しに俺に向けられているなんて。




(*26) 西 2022/12/17(Sat) 23:55:52

【赤】 入江 修



    浅見との密会がなくなってからしばらく
    先にその切れた糸を辿ってきたのは
    俺ではなくやっぱり浅見の方。

    想像した通りに事が進むと
    警戒心が薄くなるのが人間の性。


    何の変哲もない日常に擬態するように
    互いにしか分からない暗号を口にされれば
    その本当の意味を理解しているのは俺だけだ。


(*27) 西 2022/12/17(Sat) 23:56:19

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    「あぁいいよ。どのへん?」


(-50) 西 2022/12/17(Sat) 23:57:02

【秘】 入江 修 → 浅見 律



    参考書を覗き込むふりをして
    俺はそのメッセージを読み取る。

    ほらな、俺の言った通りになっただろ?
    …今にして思えば俺も滑稽だな。



(-51) 西 2022/12/17(Sat) 23:57:34

【赤】 入江 修



    この資料室に来るのも久しぶりな気がする。
    ネットでなんでも書籍を引っ張れる昨今、
    浅見の相手をする以外でこんな場所使いやしない。

    資料室に入ると珍しく俺より先に来ていた浅見が
    矢継ぎ早に本題を切り出すと
    浅見の悪意に気づきもしない俺は
    ソファーに腰かけながら笑って


    「おいおい、俺にして貰えなくて
     そんなに寂しかったのか?」


    と浅見を煽る。
    これからまた前のように俺の声で
    また秘め事に耽ることになるのだと。


(*28) 西 2022/12/17(Sat) 23:58:10

【赤】 入江 修



      そう思っていたのに。



(*29) 西 2022/12/17(Sat) 23:58:38

【赤】 入江 修



    「んん……って、おい、がっつきすぎ…、っ!?」



    強引に唇を奪われると
    流石に俺も驚いて離れようとするが
    いくら男女の体格差があろうとも
    上を取られると押し退けるのは簡単じゃない。

    いままでの比じゃない程の激しいキスに
    俺が違和感を感じ始めた時には
    何か塊が押し込まれて
    無理矢理喉奥に流し込まれてしまっていた。


(*30) 西 2022/12/17(Sat) 23:59:58

【赤】 入江 修



    「
けほっ…
おま、なに、やって……。」


(*31) 西 2022/12/18(Sun) 0:00:30

【赤】 入江 修



    俺は思わず浅見を睨む。

    けどその先の事が記憶にはない。
    当然だ。だって俺は──────。**



(*32) 西 2022/12/18(Sun) 0:00:44

【赤】 入江 修



    淡々と微笑む目は

        俺の知る浅見の目じゃない。


(*48) 西 2022/12/19(Mon) 0:15:15

【赤】 入江 修



    失うものがなくなったやつの狂気は
    常人じゃ推し量ることさえできない。

    目を覚ますと俺はソファーに寝ていたが
    その違和感に気づいたのはすぐのことだ。

    両手と両足が、動かせない。
    よく見れば縄が俺の肉に食い込んでいた。
    もちろん犯人なんて一人しかいない。



(*49) 西 2022/12/19(Mon) 0:15:40
 




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