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【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「ばあか、大人ってのはな」 ぐりぐり、がしがし。 あなたの髪がばさばさ揺れるのを抑え込むようにして、 無駄に強い力でぐいぐいと。 「トキとバアイによって使い分けるもんなんだよ。 女の前ではバチっときめて、そうじゃないときはダルっとやれ。 のんきにやるコツだよ、コツ」 暢気なことだ。――翌日自分がどうなるか、この時は彼はもう知っていたはずなのに。 (-101) gt 2023/09/18(Mon) 1:02:50 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「はいはい、まあ、付き合いますよ」 めんどうくせえなあ、なんていいながら、特に拘泥する様子はない。 ──彼にとっては、それは余燼。 そして、あなたという若者がなす今と現在。 ならば少しは手助けしてやろう。…そんな態度すら垣間見えて。 「ふうん」 大変だね、なんて零してから。 「商品に手をだすようじゃ、この稼業やっていけねえよ」 からから、と笑う。 その態度はなんともぶしつけで、無遠慮で。 「んじゃ、始めようか」 追及されるされるべき立場の男は、 「いうべきことはなんにもない。 弁護士の到着を待とう」 しれ、っと。 そういって、笑いもせずに目を閉じた。 (-109) gt 2023/09/18(Mon) 1:18:45 |
黒眼鏡は、寝ている。 (c1) gt 2023/09/18(Mon) 7:29:50 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「俺はそうでもないが、お嬢さんは結構神様のことが好きなのかと思ってね」 「好きな相手を蔑ろにされるのは嫌なもんだろ」 神と人とを同列に語るのが、既に宗教的マナーがなっていないのだが。 それでも大真面目な様子でそう語り、 「俺のやったことを悔やむ俺と、 同じことを誇る俺の両方がいてね。 そのバランスをとるのが人生の命題なんだ」 自己矛盾、あるいは中庸、葛藤。 どこまで本気かどうかわからないようなことを、つらつらと述べた。 ──そうしてぼやきながら、組んだ肩もぎゅうと抱き寄せた体もそのままに、 はははと愉快そうに笑う。 「最初からじゃなければいいのかい、あれか? 二回目のデートとか?」 軽口を語るときばかり、その態度は軽々しく。 それなのに、おんなじくらい軽々しい調子で、 「あんたは確かに悪党だ。 だがなあ、罪を悔いるのと、それを改めることができるのは別の話だからな。 あんたにとってその罪は、優先すべき理由があるんだろ。 ンならしたほうが合理的…っていうのが、俺らみたいな悪党の考えだが」 くつくつ、と、湧き出すように笑って。 (1/2) (-126) gt 2023/09/18(Mon) 8:00:05 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「少なくとも、あんたは善い女さ。まぁ予想より、ちょっと面白い嬢ちゃんではあったがね」 「――神の愛ではないにしろ、それが、あんたの愛ならいいと思うが」 言葉はやがて、語り掛けるのではなく呟くように。 静かに風の吹き抜ける墓地に、零れ散らばり、消えていった。 ──あなた以外に、その言葉を聞くものは誰もいない。 なおそういう話をしながらも、ぐいぐいと墓地の方に引きずるのは止めていない。力が強い。 (2/2) (-127) gt 2023/09/18(Mon) 8:03:28 |
【秘】 黒眼鏡 → マスター エリカ/*匿名で運命様から 「アリソン・カンパネッロ」でお答えいただけますと助かります。 その名義で摘発を指揮した(する予定…まだロールがすんでいない…)なので! (-129) gt 2023/09/18(Mon) 8:17:36 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「ハハハ」 くしゃくしゃになったぼさぼさ髪を、なんだか懐かしそうにこね回す。 「おっと、猫に噛まれちゃたまらない。 見た目より痛ぇからな。 気を付けろよお前も」 ぐいと押しのけられるように手を離して――けれど寸前、耳元に口を寄せて。 「女にはな、気を付けろよ」 「お前みて〜のはとくにな」 笑いながら手を伸ばし、クロスタータを包むラップをぺり、と爪で欠け剥がした。 「ありがたく頂くよ。 ほれ、仕事あんだろ? 気ぃつけて帰んな」 (-141) gt 2023/09/18(Mon) 9:57:24 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「どこだったかな。 そうそう、知ってるか? 三日月島一番のジェラート屋。 あそこのイチゴが一番うまい」 それが言うべきことなのだろうか。 ふてぶてしくも足を組み、ふんぞり返る姿が見えるようだ。 …今はその姿勢はとれないが。 「あんたも少し冷たいものを食べようぜ。 頭を冷やした方がいい。 一夜漬けして湯だった頭だと、 なんでも仕事が効率的に思えるだろう? あれは勿論脳内麻薬による錯覚で、 しっかり休んだ方がパフォーマンスはいい。当然のことだよな。 あんたも多分、分かってるはずだと思うんだが」 …これは間違いなく、言うべきことではないだろう。 途中で止められなければ、舌が回るだけ見当違いな講釈を垂れる。 (-146) gt 2023/09/18(Mon) 10:26:40 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「許されている、というのは誰にだ? お前にか? ああ勘違いするな、これはきちんとお前の疑問に答えるものだ。 いいか、よく聞け、一字一句聞き逃すなよ。 本来こういうのはお前が全部筋道たてて、これこれこういうものだから間違いないよな、ほら認めろと 俺の首根っこをひっつかんで額で判を押させるものだ。 前に捕まった時はそうだったぞ。 んで、違うよな。法は個人ではないのだから、個人が振るうものは法ではない。 お前が拠るべきは正当性とは、つまり法だ。 法に則るから正義で、法に反するから悪。 そういう意味で言えば入手ルートについては法に触れちゃいないんだ。 違法じゃない品物を運んでることになってるんだから。 それを認めたのはどこだ? 行政だな 真面目に仕事してるとこういうことが通りやすくていいよな。 さあシンプルなものの考えじゃないか。俺にもお前にも分かりやすい」 突きつけられた人差し指がたとえ額を抉ろうとも、 アレッサンドロは顔を逸らすことも下げることも無い。 結局のところ、 実行される暴力 に晒され続けたものは、痛くも痒くもないものを痛がったりはけしてしない。 「サテ、この取締法が、多額の献金によって設立したことは知っているか?」 いつもなら、ぱちんと手でも打っていただろう。 「金で法律を作れるンだから、正義というのもなんだ、もしかしたらレシートが出たりするんじゃないか? 是非見せてほしいものだ、帳簿付けは得意だ、任せてほしい」 (-154) gt 2023/09/18(Mon) 11:14:28 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「それでいいそれでいい。 ま、気ぃつけてもダメなのが女子供だが」 結局ダメなんだろうか。 適当極まる言葉とともにラップをぺりぺり、剥がしたはしからがぶり、とかじりついて。 「おう、気ぃつけろな。 フィオにもよろしくいっとけ」 ぶんぶんと振る手が、その扉の向こうに消えていくまで見送った。 「輝くものすべてが、黄金だとは限らない」 カウンターに腰を下ろして、溜息のように。 「痛い目見なくちゃ覚えないが、 痛い目も見てほしくねえのが兄貴分ってもんだよなあ」 トシとると独り言が多くなっていけねえな、と。 クロスタータがゆっくり、だが大口で削り取りながらつぶやいた。 (-156) gt 2023/09/18(Mon) 11:21:47 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ引っこ抜くように持ち上げられたその腕に、 のけ反って体重をひっかけながらからからと笑う。 金の瞳が焔ならば、それは燻る堅炭だ。 黒く黒く歪まず濡れて、しかしぐらぐらと煮え滾るように熱を孕む。 「犯罪者を相手にぐだぐだ言うのがお前の流儀なんだな。 どこで喧嘩を学んだんだ、ボクササイズ・ジムか? 薄着の女がいないとアドレナリンも出せないか」 顎先を引き、ぎちぎちと襟が引き絞られて、 それでもなお余裕を湛えたような顔で。 「やれよ、ドさんぴん。 マンマのポリッジをひっくり返すのとはワケが違うぞ、 デスクワークで鍛えた筋力を見せてみろよ」 嘲笑う。 (-183) gt 2023/09/18(Mon) 15:17:20 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「 ぐ っ… 」にやけたような面が、硬質なスチール机に叩きつけられる。 鈍い音をたてて振動が床を叩き、衝撃とうめき声が部屋を伝う。 あざやかな赤い雫が、ぽたぽたと音を追いかけるよう机に落ちた 「、 ぉー、痛え…っ、なんだ、一回でブルったのか、 人間わりとジョウブだ、気にせずだなぁ〜…」 鼻血が絡んだごぽりという音。 机に頭を叩きつけられた男は、それでもなおなにかを言っていたが、 反射的に体が跳ねる以外に抵抗するそぶりはない。 その気になれば、幾度でも頭を打ち付けることができるだろう。 なに、死ぬことなんてそうそうない。 (-215) gt 2023/09/18(Mon) 20:44:02 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ/*こちらこそお世話になっております、ポップコーン殺人事件です! ダニエラさんの姿を牢獄から見守っております。 (現在逮捕〜勾留ロール中なので状況が確定しておらず、あまり表に顔を出せなくてすみません) 見に来ていただけるの嬉しい!です! 特に注意点はありませんので、やりやすいようにしていただければ。 実は用意していたルートで連絡とかもできるようになっています。 (使用する場合は任意のジェラート屋さんなどにメッセージをお託しください) 荷物はあける場合はご連絡ください。中身をお伝えします。ダニエラさんのお手元にあるものなので、いつでもいいですよ!!!!!!! こちらはのんびりしたものなので、 お時間あるときにゆったりとお付き合いいただけましたら嬉しいです。 なにとぞよろしくお願いします…! (-227) gt 2023/09/18(Mon) 21:21:35 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたが留置場を尋ね、そこにいる者に声をかけたなら 「こちらです」…と、普段あまり使わない一角へと案内してくれるだろう。 絶対に使わないわけではない。 ただ、そこは人数が一定以上の時だとか、他の受刑者の近くに置いておくのを避ける場合だとか―― そういう場合に使われる場所のはずだ。 とにかく、アレッサンドロは、留置場の中にいた。 場末のホテルよりは清潔な狭い部屋、簡易なベッド。 そこにごろんと横たわる長身の男。 なんだか顔やらあちこちがぼこぼこに腫れてはいるが、元気そうなそいつは、 あなたが覗きに来た時にはぐうぐうと寝息をかいているだろう。 (-262) gt 2023/09/18(Mon) 23:57:04 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「 う ご」「っ、」 「っ、……っく が」 ぶふ、と、蛙が咳をするような濁った音が響く。 アレッサンドロが息のようなもの吐くたびに、ぽたぽたと赤い飛沫がテーブルか床かを汚した。 ぐらん、とその首が大きく傾いで、どうやら脳にまで震動がいってふらりと目線が回転する。 ──だがそれを、あなたも見ることはないだろう。 四肢から中途半端に力が抜け脱力しかけた体は重く、 それでも放り投げるならば土嚢か砂袋と同じようなもの。 ごづん、と。 柔らかくも鈍い音を響かせて、 「っ、 ……っげほ、……げほ 、…っ、」男は背を打ち付け、せき込んだ。 何か言おうとするが声にならなかったらしく、 ぺ、と血の混じった唾を床に放るだけになる。 苦痛と衝撃に歪んだ眦が──それでもあなたを、見上げている。 逸らすことなく、じいと、まっすぐ。 (-268) gt 2023/09/19(Tue) 0:31:14 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ/* こちらももうちょっと色々ダニエラさんとやっておきたかったのですが、 これはこれで……(過去にも多分ゆったりと交流してたんだろうなという感じではありますし) 機会をみて色々やっていければ嬉しいで〜す! ジェラート屋さんはアレの仕込みが色々してあるので、実はまだ使えます…! そのうちふっとメッセージがくるかもしれません。 荷物に関しては見ても見なくてもぜんぜん! だいじょうぶなのですが、開ける際はご一報いただければだいじょうぶです! アレッサンドロとしては、ダニエラさんの手元にあることが大事なものですので。 業魔窓みえてます!ルチアーノこいつ…(後方保護者面) そして状況ある程度確定しつつあるので、多分いつでも大丈夫です! 最期までよろしくお願いしますね。 (-289) gt 2023/09/19(Tue) 3:03:53 |
【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ「ふーっ……」 がふ、と呼気に混じって吐き出された粘ついた血と涎が、襟元に滴りまだらに汚す。 ふん、と鼻をひとつ慣らすと、ぼたりとかたまりかけた血塊が腹のあたりにぼたりと落ちた。 広がっていく血のあとに、あらたな鮮血が重なり、広がっていく。 「………ぁー…」 「……」 何か呟いているようだが、がらがらとした血のあぶくに塗れて良く聞こえない。 馬乗りにされて引き起こされても、 あっという間にはれ上がった瞼に視界が圧迫されてもなお、 あなたから目を逸らすことはなかったが。 (-296) gt 2023/09/19(Tue) 4:42:31 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたを送り届けた職員は、何も言わずその場を辞していく。 何者かの意思が介在しているのかは分からないが、 少なくともあなたの邪魔をする気はないようだ。 「んぐ」 呻くような声。 見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。 喧嘩と暴力を常に帯びていた以前ならばともかく、 ここ10年程のアレッサンドロが顔に張り付けるにはあまり見たことのない様相だろう。 「おう、旦那。 警察署にこんなスイートルームがあるとは知らなかったよ。 ガイドブックに乗っけた方がいい」 上体を起こしながら、ベッドの上にあぐらをかいて座る。 こちらの様子は、代わりはしない。 対面するものの声色が変わっても自分の態度を変えないのだから、 この男の性根が知れるというものだ。 (-297) gt 2023/09/19(Tue) 4:56:37 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「……、ん、……」 ぴちゃぴちゃと、滲む愛液をかき回す音がする。 肉と肉が触れ合い重なり合って、体温と鼓動が交じり合う。 浅く優しく、推し引きするよう前後していた指で、 奥底に、奥に、その刺激をさらにかきたてていく。 充血し熱を持っていく女の体を、ぎゅう、と一度強く抱きしめて。 「、フィオ」 触れられる感触に、息が弾む。 口づけの合間に意味を持たない言葉が挟まり、口づけがそれをまた塞ぐ。 手さぐりだけでお互いの性器に、体のあちこちを探り合ううち、 ベッドに敷かれたシーツがひだが重なるように乱れていく。 そこに、女の体をまた深く組み敷いて。 「……」 ──言葉は少ない。 覆いかぶさって、自分の体であなたの両足を押し開いて、 体重を深くかけながら、奥へ、奥へと沈むように。 さらりと、耳元の髪を、かきあげる感触がして── ふと、あー、と熱のこもる声がして。 「アレねえわ」 ──言葉がようやく出てきたかと思ったら、片手落ちの報告だった。 (-300) gt 2023/09/19(Tue) 5:53:13 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「はははは、そうだな、人を食い物にするのがマフィアだろ。 その辺は昔から……」 「いや、ガキのころは"女はなるべく殴らない"くらいしかしてなかった。 あれだな、まあ、トシくったからだな」 謙遜か照れているのか、あるいは自虐か。 なんともくだらない発言をぼそぼそ。 それでも──おそらくは、根っこの部分では、この男は自らを否定はしていない。 だから顔を伏せることはなく、直ぐに前を見ているのだ。 「ならいいさ。自分を裏切るのも自分を信じるのも、 結局は自分にしかできねえ」 そうして赤みの差した頬を見ているのかいないのか、 からから、揶揄ってねえよお、なんて笑い。 「愛とは旅路であり、目的地というわけじゃない。 ハハ」 「あれこれ悩むとわからなくなるが、 悩みもせずに本物だとは信じがたいわ」 墓地に敷かれたコンクリートの通路を踏みながら、 悪党はあなたに、あるいは自分にそう言った。 (1/2) (-307) gt 2023/09/19(Tue) 6:47:08 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「──っと。 つっても、結構近くにあるんだよな。 "A"だから」 墓地に踏み込み、―─話しているうちすぐに、アレッサンドロは足を止めた。 アルファベット順に、機械的に並べられた人名を辿ればその墓標は見えてくる。 【 Alison Waterston 】 花束の一輪もない、恐らくは無縁の墓。 きっと彼も訪れたことのない、誰かが眠る場所だった。 (2/2) (-308) gt 2023/09/19(Tue) 6:50:08 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「転んで顔をぶつけてね」 チャオ、なんて掌を見せながら、おどけて言う。 それはいつだったかのはるか昔、 珍しく喧嘩に負けた時のアレッサンドロが悔し紛れに発していた言葉だ。 だがその時とはまるで違い、まったくもってどうでもよさそうな態度は剥がれない。 「旦那、今怪しげなことしないほうがいいぜ。 俺と話しただけでしょっぴかれたやつがいるらしいじゃねえか? トシなんだから、大人しくチェスでもしてな」 ごろり、と再び横になり。 「こんな悪ふざけ、すぐに終るさ」 からからと口元が笑う。 (-338) gt 2023/09/19(Tue) 10:17:45 |
【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ胸倉を引き寄せられ、舌が顔を這いなぞる。 けだもののような男のふるまいに、 アレッサンドロは僅かに顔を顰めた。 それでも噛みつくように歯をむきだして、 笑みの形に唇を引き絞る。 「マフィアの味でも覚えたか、犬ころ。 そのまま猟犬に格上げされるなら、 都合がよかったんだが」 零れた血、乱れた呼吸、ぎりぎりと締めあげられた血管が、 その顔を白く赤く染めていく。 か細く震える声はただ、 「お前はダメだ。 ヤク中みてえに扱いづらいし、 プランの邪魔になる」 ──それでもなお、自分の都合ばかり言うのだから、 根っからだ。 あなたの暴力をどれほど受けても、アレッサンドロは待っている。 引き金が引かれたあと、その銃弾に文句をつけるやつはいない。 (-402) gt 2023/09/19(Tue) 16:46:03 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「やっぱ旦那も、そう考えるよな」 苛立ちも目の奥の熱も。 背中合わせに燃える炎を、 その輻射だけで感じて、笑う。 「大丈夫さ、旦那」 ごろん、と再び転がって、上体が僅かにそちらを向いた。 黒い瞳は、燻る堅炭。 その爆ぜる火の粉を黒い眼鏡の奥に隠して、 くろぐろととぐろを巻き燃え盛る。 「もう残っちゃいないからよ」 ──確信したような口ぶりは、いかなる故か。 再びごろん、と頭が落ちて、その瞳も口元も良くは見えなくなってしまう。 「旦那はまぁ、どうにかするだろけどさ。 俺もせいで警官サンとか、若ぇのがブチ込まれたら、まあそれは申し訳ないなー。 それは嫌だな、うん」 売られたかどうかについては言及ナシだったので、あんまり気にしてないのかもしれない。 (-417) gt 2023/09/19(Tue) 18:24:43 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「がー……」 …いびきだ。そいつは、ベッドの上で腕を枕にねころんでいた。 見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。 ここ10年程のアレッサンドロには、似つかわしくはない… けれどなにより、彼らしいよそおい。 とりあえずは、生きているようだ。 今の様相は、動物園でひっくりかえるパンダのようだけど。 (-426) gt 2023/09/19(Tue) 18:58:32 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「んが」 がたん、と音がして、暢気に組んでいた両足がびくんと解ける。 「……」 しばらく、沈黙。 むくりと上体が起き上がり、 「あー……。 ダニエラ。何してんだ」 起き抜けの一言としては、自然だったけれど。 拘留されたカポ・レジームらしからぬ態度と言葉で、 かりかりと頭をかいた。 (-443) gt 2023/09/19(Tue) 20:36:20 |
【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ獣のように笑うあなたの顔を、言葉を、 なんだか眩しそうに見やる。 あるいは、腫れた瞼に塞がれつつある視界が狭苦しくて、 そうなったのかもしれないが。 だがそれも、真面目ぶった笑みの中にすう、と消える。 「企んでいるっつうか、 まぁ、ほぼ終わったっつうか」 だけどなあ、と眉を顰める。 もうちょいかな、なんて首をひねり。 「──ああ、そーうだ、アリソン。 アリソン・カンパネッロ。 取締法、あいつのおかげでできたんだろ。 感謝の言葉のひとつくらい、言ってみたらどうだ」 ぱ、と。またわざとらしい笑みを――随分不格好だったが――浮かべて、 目の前のあなたに提案した。 (-445) gt 2023/09/19(Tue) 20:40:21 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「俺もそのつもりだったんだがね、なってみるとこれが… もう若くはないなあ、といつも思うが」 「マフィアは悪党だが、見習うこと自体はいいことさ。 ──マ、反面教師にしておくのが一番だけど」 うむう、と唸るように頭をかく仕草も、 あなたを諭すんだかマフィアを腐すんだかわからない言葉も、 男が行えばとても自然で――きっとそういう顔を身につけるために、 彼の人生があったのだろう。 そしてその横顔は、そうした言葉を素直に言えるあなたを 眩しそうにちらりと見て。 「神に愛があるのなら、 本物の愛を、 人生をかけるにたるものを祝福なさるはずだ。 ──教会できくそれが、愛のことでいいならね」 男の顔がふい、とあがる。 その顔は共同墓地を囲む柵と木々の向こう、 教会の鐘楼を見上げていた。 「いいや、そうだな。 同じ愛なんかなくて、 そいつにとって最も大事なことは、 そいつにしかわからない」 (1/2) (-446) gt 2023/09/19(Tue) 20:48:59 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェあなたの動揺には、気が付いていただろう。 それでもあなたが"アリソン"に祈りをささげる間、 彼はずっと、鐘を見上げていた。 (2/2) (-447) gt 2023/09/19(Tue) 20:49:50 |
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