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【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「………」 「控えめって……大人しいってこと? 僕元から、そんなにうるさい方じゃないし」 * いつものことだよ、と言いたいようで。 * かじったいちごの甘酸っぱさに、少し頬が緩みます。 「え?」 「……まあ、そりゃ、いっしょにいるからって、 ずっと喋ってなくちゃいけないわけじゃない……し」 「…………… 何?? 」* 途端に黙り始めたと思ったら落ち着きがないし。 * 本当に不思議だなあ、とあなたを見つめているのです。 (-3) mennrui 2022/03/26(Sat) 21:08:10 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 日輪 キンウ「物書き?ふうん……… すごいね、そんな人と仲良くなれるなんて」 * ちょっとうらやましそうな声で言います。 * だって、お話を作れるなんて。ルヴァにとっては魔法みたいですから。 「あ、そうなんだ。 ……楽しくないんだ」 「いや、別に自慢するかは分かんないけど」 * 楽しくない。なんでだろう、ルヴァはちょっと考え込みます。 「君にとって、楽しいことって……何?」 (-4) mennrui 2022/03/26(Sat) 21:10:03 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「まあ、隣って言ってもちょっと遠いしね…… 有名?え、……うーん……」 「……………ごはんがおいしい」 * それは有名と言えるのか分かりませんが。 * ルヴァにはそれしか思いつかなかったようでした。 「へえ、すごいね。 そんなに作るの大変そう………」 * なんて話しているうちに、出店が見えてきて。 * 色とりどりの刺繍、花畑のように並んだそれを。 * ルヴァはじい、と。魅入られたように見つめていました。 「…………」 * ほ、と息を一つ。 (-5) mennrui 2022/03/26(Sat) 21:12:53 |
【墓】 気分屋 ルヴァ「……… あ 」* ルヴァは気づきました。 * 自分の胸元から消えたものに。 * ああ、そうか。取られてしまったんだ。 「………………」 * 首を振ります。ええ、しょんぼりなんてしていません。 * だってリボンも付けましたし。しょんぼりなんてしませんとも。 (+0) mennrui 2022/03/26(Sat) 21:14:10 |
【墓】 気分屋 ルヴァ「お、落ち込んでない!」 * 慌てて反論です。 * ちょっと寂しくなっただけなのです。 * いえ、なってません。寂しくもなってません。 * ………そういう、つよがりなのですけれど。 「………うん」 「応援、してるよ。 僕たちの仇とってよね……」 (+3) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:10:06 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン「………うん」 * 周っても回っても、周りきれないような気さえします。 * それくらい、輝きと賑わいがここには溢れていて。 * だから、こうしてあなたと歩き回るのは、楽しい。 * そう思っているけれど、言葉には出来ないルヴァです。 「………」 * くんくん。ルヴァもそのいい香りに気づいていました。 * ほう、と頬を緩めて。美味しそうだな、とあなたの示す先を見て。 「かっぷけーき………」 * 食べたいなあ、と言いたげに繰り返すのです。 (-19) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:13:17 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン「僕も………、」 * と反射的に同意しかけて、途中で止まりました。 * ちょっと恥ずかしくなっちゃったので。 * さて、ぷるぷると首を振って恥を払って、品ぞろえをいっしょに眺めましょう。 「………えっと」 「えっと……………」 * 迷います。だってどれも美味しそうですから。 * 視線が素敵なお菓子たちの上を右往左往。しばらくして。 * 袖が示したのは、色んなドライフルーツを混ぜ込んだカップケーキ。 * その上からアラザンまでのっていて、カラフルで可愛らしいものです。 (-22) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:25:22 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「う、うん……えっ」 「え〜……と」 * 改まって訊ねられると、少し難しくて。 * 確かに不思議だとは思っています。ちょっとだけ、ちぐはぐだな、とか。 * でもそれが嫌なわけではないと思います。 「………知らないこと、ばっかりなのかなって。 知らないことが多いから、知ろうとして」 「なんだろ……本で読んだことが本当なのか、確かめる、みたいな」 「別に、いやじゃない、し。君は不思議だけど……分かりやすい、と、思う」 * ううん、ルヴァは悩み顔です。あなたのどういうところが不思議なのかって。 * 改めて言葉にしようとすると、まとまらなくて。 「………だから、そう」 「僕でよかったのかな、って」 * ……ルヴァは素直じゃありませんから。 * あなたが誰かを知ろうとするなら。もっと適任がいるような気はします。 * これでも頑張って言葉は選んでいますけれど。知らないものを初めて知ろうとするなら。 * それは素敵なものの方が、きっといいだろうと思います。 (-26) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:35:36 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン「きれいだから………」 * ごにょごにょと理由を伝えて。 「………」 「ふつう、のも。おいしい……」 * ささやかな同調のつもりでしょうか。 * それだけを言って、あなたが注文するところを見ていました。 * それにしても、ここは本当に甘い匂いがいっぱいで。 * いるだけでしあわせな気持ちになってくる気がします。 「……どこで食べるの?」 * 手渡してもらったカップケーキを両手で持ちながら。 * そわそわとした様子でルヴァは訊ねます。 (-32) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:42:43 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「……――!」 * 瓶に伸びた手。知っている顔。 * ルヴァは目を見開きます。あなたが、蜜の妖精だったなんて。 * なんてあっけに取られていたら。リボンがひゅる、と解けていくのに気づきました。 「あ、」 * それは、とっちゃだめ! * 慌てて手を伸ばします。けれどルヴァはあんまり運動神経のいい方ではなくて。 * そのままの勢いでよろけて、あなたにぶつかりそうになってしまうかも。 (-38) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:54:18 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン「そ」 * そのまま!! * ……零さないで食べられるでしょうか。 * ルヴァはちょっぴり自信がありません。 * 食べ歩きに慣れていないのです。手元を見下ろして、あなたを見つめて。 「…………やってみて」 * これはお手本の要求です。 (-43) mennrui 2022/03/26(Sat) 22:57:52 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「………」 * なんとなく、あなたは普通の環境で育ってないのかもしれないと。 * ルヴァは思いました。だって、まだ子供のルヴァだって。 * 自然と知っていくようなあれそれを、あなたは知らないのですから。 * ええ、それが分かったところで、あなたへの態度は変えませんけれど。 * だって、あなたがあなたであることは変わりませんから。 「いや、」 * 自信がないというか。人当たりが良くないというか。 * そんな言い訳は、あなたの言葉の羅列に呑み込まれます。 * あなたの言葉はいつもまっすぐです。余りにもありのままです。 「………… 僕は……だから」 「……た……たの、しいよ」 * 絞り出すような声で返します。あなたの言葉は、逃げ場がないのです。 * そのまっすぐな目に、なんだか、偽りを向けてはいけない気がして。 「たのしくて、……きみも、たのしいなら…… そ、それでいいから」 「……… 分かったから…… 」* そこまで言って、ルヴァのほっぺはりんごのように赤くなりました。 (-45) mennrui 2022/03/26(Sat) 23:03:27 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「え」 「ま……まあ、いいけど」 * この一瞬で、お祭りが終わった後の約束が出来てしまいました。 * こんな簡単に約束が出来るなんて、ルヴァは知りません。 * 嬉しいような戸惑うような、曖昧な声で返しました。 「えっと、……うん」 * 買いたいな。お財布と相談にも、なるけれど。 * さて、ルヴァはじい、と糸の花畑を眺めます。 * どれも綺麗で、素敵で……ひとしきりの後、ルヴァが手に取ったのは。 * たんぽぽの刺繍されたハンカチでした。 (-48) mennrui 2022/03/26(Sat) 23:08:39 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン* ルヴァは気づきました。 * 普段普通に慣れている人が、食べているところを見たところで。 * 参考にはならないということに。 「…………」 * けれど、見せてもらったのですから。 * そうしてルヴァも、綺麗にぱくりと食べなくては。 * なんとなく、そんな圧力を己にかけていました。 「ぼ、僕も……」 * ぱく! * 上の部分をかじります。ほろほろと生地と果物が落ちそうになって。 * ルヴァは慌ててもう一口。そうするとまた次がほろほろと…… * ……なんてことをしばらく、あなたの前で繰り返すでしょう。 * 木の実を食べるのが下手くそな小動物のようでありました。 (-50) mennrui 2022/03/26(Sat) 23:11:55 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン「……あ、そ、そっか」 * あなたの言うとおりに、袋をちょっと広げて。 * ちぎってちまちまと食べ始めました。これなら大丈夫。 「おいしい……」 * そうしてようやく、カップケーキを味わう余裕が出来るのです。 * ふんわりやさしいカップケーキと、彩りのある果物の味わい。 * とってもおいしいです。ルヴァはそっと頬を和らげました。 * ………ふと、ちょっとだけ自分のカップケーキをちぎると。 * あなたの方へ差し出しました。 (-73) mennrui 2022/03/27(Sun) 12:51:21 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「いっ、」 * ぼふ、と二人でその場に倒れこみました。 * ルヴァは慌てて身を起こすと、あなたを見つめます。 「ご、ごめん!」 * 思わず素直な謝罪がひとつ。それからハッとしました。 * 元はと言えば、あなたが急に瓶を取ろうとするから。 * むう、とちょっとばかり不機嫌な視線を向けて見せました。 「………せめて先に声かけてよ」 * なんて、言ってみながらも。あなたが怪我してないかが心配で。 * 不機嫌な視線はそこまでとげとげしくないものなのでした。 (-74) mennrui 2022/03/27(Sun) 12:54:47 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「………し、仕方ないなあ」 * なんて言いながらも、どこか浮ついた声。 * だって、嬉しいですもの。言えないですけれど。 * さて、たんぽぽのハンカチを受け取ります。きちんとお金を払って。 * しあわせ、しあわせ。頭の中で繰り返しながら、視線を下ろします。 「………」 「お花にも、色々……意味が、あるんだね」 * よく見かけて、可愛いから、という理由だったのですけれど。 * それがしあわせを意味するなんて、ルヴァは知りませんでした。 (-75) mennrui 2022/03/27(Sun) 12:58:52 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「………うん…」 * ただ、ひとつ頷きました。 * ルヴァは素直じゃありませんから。あなたの言葉に頷くだけ。 * あなたと同じだと、伝えることがやっとなのです。 「………」 「…… 元気だって言ってるじゃん!! 」* ぷんすこ!本当は恥ずかしいだけなのです。 * それを言うわけにもいきませんので、元気だと主張するだけ。 * ぱくり、飴ちゃんも一気に食べてしまいました。 (-78) mennrui 2022/03/27(Sun) 13:55:17 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「…………」 * 反省しているようには見えない、ですけれど。 * あなたはきっと、ちゃんと。申し訳なくは思っている気がして。 * 反発するような言葉は、出てこないのでした。 「………どっちでも」 「君が、そうしたいなら……そうすれば」 * 撫でられるのは、嫌いではありませんけれど。 * 子ども扱いという感じで、恥ずかしくはなります。 * けれどまあいいか、と受け入れて目を伏せて。 * からっぽの棒を手持無沙汰に、緩く振っていました。 (-88) mennrui 2022/03/27(Sun) 20:09:26 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 演者 シェルタン* こくこく。頷いて、あなたが受け取るところまでを見届けて。 * おいしい、と聞けばそうだよね、なんてもう一つ頷きます。 「あ」 「えっと……じゃあ、もらう」 * ありがとう、と返したのはとっても小さな声。 * ふわふわのそれを口に放れば、優しい甘さが広がります。 「………おいしいね」 * 誰かと買うから、こんな風に分けられるんだな。 * ルヴァはこうして分け合う経験はあまりないですけれど。 * なんだか、いつも以上におなかいっぱいになる気がするのは、何故なのでしょう。 * そうしてちまり、ちまりとカップケーキを減らしていきました。 (-89) mennrui 2022/03/27(Sun) 20:12:13 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「………そう」 「頑張り屋、だね」 * ルヴァには、あんまり難しい振る舞いは出来ませんけれど。 * あなたは、そういうものを覚えていくのでしょうか。 * 無理はしないでほしいな、と思いました。 「そうだね、……買えて、よかった」 「えっと……次? 君は行きたいところ、ないの?」 「好きなものとか、あるなら……」 * もしかしたらそれもまた、あなたにとっては、これから知るものだったり。 * ……するのでしょうか。だったら、困らせてしまうかな。 (-92) mennrui 2022/03/27(Sun) 21:24:43 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「りんごが落下するのと同じ……?? あ、えっと。ならいいけど……」 * 心配しなくていいということを、多分言ってくれたのでしょうから。 * それならいい、と頷いて。自然なことなら、無理にやめさせる方が悪いこともありますし。 「…………」 * そして。あなたが予想通り悩んでいるところを見て。 * ううんやっぱりそうかあ、なんて心の中だけで。 「……と、特にないなら。えっと」 「お花……見に、行くとか?」 * ルヴァは、ここを回っているときに、小さな庭園を見た気がしたのです。 * なんとなく、一人で行くのははばかられたので、いっしょにどうかな、と。 * 誘ってみることにしました。 (-98) mennrui 2022/03/27(Sun) 21:44:07 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 異邦人 サルガス「……うん」 「連れて行って、あげる」 * 思えば、ここに来てから誰かに案内されることが多くて。 * こうして手を引いて、誰かを連れていくのは初めてかも、と。 * ルヴァはふと思いました。 * 進む先は祭りの外の方へ、人気は少なくなって。 * やがてふわりと、花の甘い風が吹きました。 * ちいさなアーチをくぐった先。 * ちいさな花がいっぱいに集まって、咲いたところ。 * おしゃまな風に、庭園がそこで待っていたのです。 「………わ」 * 花弁が頬をなぜていって、ルヴァは声を零します。 * それから、そのままにあなたを見上げて。 * どうかな、と聞きたげに口を閉ざしました。 (-144) mennrui 2022/03/28(Mon) 20:37:55 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「失敗してるじゃん………」 * さて、体を起こしたあなたの服を、やれやれと言う風にはたき始めたところで。 * リボンの存在を思い出したのです。 「あっ」 「………もう、君が解いたんだよ」 * なんて。皮肉っぽく言う声も大して冷たくはなく。 * 言うかどうか迷って、ぽつりとつけたしたようでもありました。 * 蓋だけになった首飾りに、リボンを結び直すと。 * またぺしぺしとあなたをはたき始めるのです。 「どじな蜜の妖精だね、本当に」 (-145) mennrui 2022/03/28(Mon) 20:40:54 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 裁縫屋の子 リュシー「はなことば……」 * ルヴァは、花言葉というものを、初めて知りました。 * ただ、そこに咲いていて、きれいなだけじゃなくて。 * その花に心を見出すように。意味を付けるのは。 * ……素敵だなあ、と。思うだけで、言葉にはせず。 「………これ」 * あなたにも見えるように、ハンカチを広げます。 * そこには確かに、たんぽぽの刺繍。おひさまのように明るく、けれどしかと地に根付く、可愛らしい花。 「似てる」 「……から、」 * 半ば無意識に零した言葉に、後からハッとして口を押えました。 * ルヴァは恐る恐ると言ったように、あなたを見つめます…… (-146) mennrui 2022/03/28(Mon) 20:44:47 |
【秘】 気分屋 ルヴァ → 日輪 キンウ「…………」 「……そ、それは。おっきいね……」 * なんだかふわふわぽやぽやとしたあなたの口から。 * それだけ壮大なことが出てくるとは思わなくて。 * けれど、そうであったならいいとは思います。 * ……とても、難しいでしょうけど。 「たのしく……する、んだ。 って、えっ」 * きままに漂っていくのを、後から気づいたように声をあげて。 * ううん、ええと。その背に投げかける言葉を探します。 「たのしく」 「なったら。……」 * 良いね、とは言えなくて。 「………教えてね」 * 代わりの言葉を付け足して、あなたを見送るのでした。 (-147) mennrui 2022/03/28(Mon) 20:47:42 |
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