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【秘】 遊蕩 ディルク → 宝石集め カリナ>>6:-81 カリナ 「………カリナちゃん、知ってたっけ」 「僕には兄が 2人 いるんだ」眉を顰める様子を見て、どう話をするかと迷うよに。 詳しいことは言えない、言ってはいけない。 それが約束だから。それは、制約だから。 「どちらも優秀で、僕なんかじゃ追い越せなくてね。 ………だから足を止めて、自由に生きてきた」 追いかけることも、追い越すことも目指さず。 それが自分にとっての最善だと楽をしてきた。 「そう生きてたらさ、何をしたいとか特に思いつかなくて。 いつまでもふらふらとしちゃってさ」 「それがもう何十年も続くと悟っちゃうんだよね」 「僕はどこにいてもこのままなんだろうなって」 野望だとか、夢だとか、深いものはここにはない。 誰よりも浅い理由の中にいる、のだと思う。 それでも、旅を──いつかの世界に帰りたいとは、願っていた。 心をこの世界に残さぬように。 道を決めずふらふらとしていたもうひとつの、理由。 「そんな訳で、好きに言っちゃっていいよ」 「…好きな人が出来たらしいとかさ、最もらしいよね」 (-0) sinorit 2024/02/14(Wed) 22:21:26 |
【置】 遊蕩 ディルクエルマン家に子は2人。 1人はとても優秀で、もう1人は──。 (L0) sinorit 2024/02/14(Wed) 22:30:06 公開: 2024/02/14(Wed) 22:30:00 |
【人】 遊蕩 ディルク>>6:11 エミール(5日目続) 問いかけに、突然何をと男の瞳が丸くなる。 潰せるのなら、 「……………、どうだろうね」 ……それを、選ぶことさえ迷ってしまう。 そんな男だからこそ、選ばれることがないのかもしれない。 何も成さず、成せず、生きているからこそ。 「………ま、考えておくよ」 「気が向いたらまた夜に、それくらいのノリでさ」 迷ってばかり、決めることから逃げているが。 他者に手を引いて欲しい……という訳でもない。 だからこそ、その選択にYesもNoもつけがたく、 だからこそ、曖昧に応えを返すのだった。 「…さてと、それなりに気持ちも落ち着いたし。 何にしても一旦、帰るとしようかな」 「逃避、付き合ってくれてありがとね」 (1) sinorit 2024/02/14(Wed) 22:49:58 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール>>-1 エミール 帰りたい理由があった。それが些細だとしても。 だから、本来であれば今の状況を喜ぶべきで。 迷いなくひとつを選べばそれでいいはずなのに。 立ち止まって、俯いて、動かずにいる。 「……運がいいのか、悪いのか。分かんないな」 選択の話。詳細は語られずともなんとなく、 貴方が転生者であるのかもと、少し。 …だとすれば、今の境遇は必然的なものなのだろうか。 妙な縁で繋がり、こうして隣にいることは。 「………あー、」 「……どうしようかな、ほんと」 「結局、こうなっちゃうんだな」 いっそ、選択なしに帰してくれたなら。 考えなくてよかったし、楽でいられたのに。 心はここに残さないって決めたのに。 (-7) sinorit 2024/02/15(Thu) 20:54:47 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール>>-9 エミール 間違いなく、あの日に生きていた己にとってはいいことで。 この世界に反し幸福だと叫ぶ方が正しいのだろう…とは。 しかし、 しかし、それを迷いなしに吐き出すには、 ここでの生活が長すぎたのだろう、きっと。 元の世界の齢はとうに、超えてしまった。 「……なにそれ、」 「そんなの…、……当たり前の話だろ」 「得るかどうかじゃない。…元に戻れるかどうかだった」 それで、元に戻ってどうするか。 どの瞬間に始まって、終わるのか。続くのか。 知りはしないが、そうなることが本来は自然で。 分かっているのに、やはり迷うのは。 「…別に、少しだけだよ」 「……楽しい時間は確かに、あったし」 1人と長く交流が続いたり、 とある人間のこれからを見てみたかったり。 自分でも意外な感情が確かに、そこにあった。 …もっと、虚ろであれば楽でいられたろうに。 (-12) sinorit 2024/02/17(Sat) 0:28:18 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール>>-17 エミール 「…全部そのままの方が幸せかもね」 独りになるくらいなら、いっそ…と。 そう願わずにはいられない状況の人間もいるのかも。 それこそ、貴方のような。 貴方の告白を黙って聞きながら、 街の喧騒をどこか遠くのもののように感じて。 「…別に、薄情とは言えないでしょ。 ここで育んできたものがあった。それだけの話」 それを罪だと呼ぶ人間はきっといない。 だから、苦しむ必要はない…のだと思う。 それでも本人からすれば考えることをやめられないだろうが。 「……それで、結局どうするの」 「選択、決められそう?」 「後悔少なめで、さ」 (-23) sinorit 2024/02/18(Sun) 14:53:13 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール>>-29 エミール 「……そっか、」 結局、答えに迷うのは自分のみかもしれない。 決意の色が見えたから、眩しくてつい目を逸らした。 「…うん、いいと思うよ」 「少なくとも僕は、その決断を否定しない」 貴方が少し、羨ましく思えるくらいだ。 手を伸ばしたいと思えるほどの誰かが、傍にいる。 それはきっと生きていく中で素敵なこと。 己が、得ようとはしなかったもの。 「…同じ境遇の人間の話が聞けて良かったよ。 それじゃ僕は、時間めいっぱい悩むとするかな」 そういって、貴方の隣から身を翻し、 いつかのように街の喧騒から離れていこうとする。 この別れが一時となるか、永遠となるか。 それを知るのは未来の話となるだろう。 (-30) sinorit 2024/02/18(Sun) 21:52:19 |
【独】 遊蕩 ディルク街から足を遠のけて、森の中。 いつものようにキャンディを口に含み、 ころころと音を鳴らし転がして。 自由に飛ぶ蟲達を眺め溜息吐き出す。 「……未練、はないんだよね」 どちらの世界にも。 男の帰りたい理由は些細で、誰よりもきっと小さい。 ここにいたい理由もまた、同じ些細かもしれないが。 「生きるって難しいや」 のらりくらりと風任せのように生きてきた罰だろうか。 兄を追うことを止め、楽に生きてきた罰だろうか。 何にしても、選択の権利を得るべきは己ではなかった。 もしも、彼ら痣持ち皆がそうであるとするのなら。 (-32) sinorit 2024/02/18(Sun) 22:40:47 |
ディルクは、2つの選択に迷っている。 (a0) sinorit 2024/02/18(Sun) 22:41:22 |
ディルクは、2つの人生に迷っている。 (a1) sinorit 2024/02/18(Sun) 22:41:40 |
【独】 遊蕩 ディルクまたと、次を願うような言葉。 選択を終え、前を向こうとしているものの言葉。 それを思い返して、背後の木に背を預ける。 「もっと、上手く生きられたらな」 それこそ空っぽであれば、迷いなく元を選べたのに。 どちらも確かに、男の人生で。 迷いなくあれというには、長くここに居すぎた。 「…カリナちゃんに旅の意味、ちゃんと伝えてないし」 言えない理由があるからこそではあるものの、 この迷いを知ればなんと言われるか。 考えて、思わず苦笑が浮かんでしまった。 「…これならいっそ、」 (-33) sinorit 2024/02/18(Sun) 23:02:38 |
ディルクは、羽音が横をすり抜けると同時、じくじくと痛みを感じた。 (a2) sinorit 2024/02/18(Sun) 23:06:45 |
【独】 遊蕩 ディルク森の草を、赤が濡らす。 一瞬。…いや、少しの間、飲み込むに時間を要した。 「……ああ、」 赤い目をした生き物と目が合って、 最初に出てきたのは申し訳なさ。 「…ごめんね」 応えて、くれたのだろう。彼らは。 己の暗い感情に、馬鹿な選択に。 おいでと呼び寄せて、一匹の口元を拭う。 「お前達に食われる方が、なんて」 「また、楽をしようとしたね」 (-35) sinorit 2024/02/18(Sun) 23:13:01 |
【独】 遊蕩 ディルクぽたり、ぽたりと。 欠けた耳から滑り落ちる血を拭う素振りもなく、 呼笛を鳴らして蟲達の感情を落ち着ける。 「…賢いなあ、ほんと」 「僕の感情が伝わっちゃうんだもん」 迷う理由の、ひとつでもあった。 自らが従える蟲達。好かれるような存在ではないが、 男にとってはともに歩んできたパートナーのようなもの。 もうひとつの世界であれば、そうした絆は得られない存在。 それなりに、愛情というものがそこにあったのだろう。 人に捧げぬ代わりに、それでも空っぽではないからこそ。 「…もう少し、ちゃんと考えるよ」 「……でも、」 (-36) sinorit 2024/02/18(Sun) 23:21:32 |
ディルクは、「少し疲れちゃった」と地面に寝転んだ。 (a3) sinorit 2024/02/18(Sun) 23:22:47 |
【独】 遊蕩 ディルクゆっくりと目を閉じて、木々のざわめきに耳を傾ける。 選択出来る時間はあと少し。迷える時間はあと少し。 この世界を選ばなければこの身体はどうなるのか。 何もなかったように消えるのか。 違う存在になるのか、先のことは何にも知らない。 後悔少なめに、どうせ後悔なしにはいられないんだ。 悩んで悩んで、最後に答えを出すとしよう。 これからはもう少し器用に生きられたらなんて、考えながら。 (-40) sinorit 2024/02/18(Sun) 23:38:41 |
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