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![]() | 【墓】 瑞野 那岐[袖を引いて、少し高い位置にある彼を覗いて、 笑みを深くされて、腕の中に閉じ込められたら、 肩口に、ぽてんと頭を寄せて甘えた。 両腕に抱き込まれる大きさを覚えてしまったなら、 もう、抜け出せない。忘れられない。 着慣れていない浴衣は少し生地が薄く、 風呂上がりの温もった温度を伝えている。 其処に居ることを確かめるようにゆっくり瞬いてから。 名残惜しそうに、身体を離して。 膝裏に差し込まれた腕に身を預けて、 首裏に両腕を回せば、慣れた様子で運ばれていく。 ……なんだか、出会った時よりも、 運び方が慣れてきたような、不安がないような。 彼がもし知らぬところでそれを意識していたとしても、 まだ、それは知ることのない、話。] (+162) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:50:28 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[窓際の座椅子に降ろされて、はふ、と。 風呂上がりの開放感にほっとした息をついて。 どちらが甘えているのかは分からずとも、 互いに触れ合い、離れがたいのは事実。 傍に居たい理由を付けて、隣を望む。 そういう時間が、付き合い始めた頃は、 もう少し、たどだどしかったように感じるから。 その頃に比べたら、甘え方は上手くなったと、思う。 少し、腰は重かったか。気怠さが纏わりついていて。 出されたままだった茶碗を取り、水分を補給して、 すっかり乾いていた喉を潤した。 姿を一度消した彼が、ドライヤーを手に戻るのに 気づいたら、座椅子に座り直して。 頭を垂らして、乾かしてもらっただろうか。 温風が心地よくて、無言になれば。 うつらうつらと眠気が襲ってきて、かくりと船を漕いで。] (+163) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:50:40 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[いつの間にか、ドライヤーが終わっていた。 一瞬手放した意識が、戻ってきて。 傍らで聞こえるドライヤーの音に、ごし、と瞼を擦る。] 変わる。 [と、申し出て、受け入れられれば。 動けない分、座椅子の前に俯いてもらって、 温風を当てて乾かしていっただろうか。 濡れていた髪をぱさぱさと揺らせば、水気が抜けていく。 正面から乾かしている分、視線が合いやすく、 手持ち無沙汰にした彼と目が合えば、微笑んで。 もう少し、と口パクで伝えて。 長い髪を、後ろに流して、乾かしていく。] (+164) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:50:52 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[大きかった一房が、さらりと流れるようになれば。 温風を切って、見上げ。 いつもの表情が覗いたら。] うん、格好いい。 [……と、満足気に仕上がりに頷いただろう。] (+165) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:51:09 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[そんな穏やかな時間を過ごして、どちらともなく。 布団に入り込んだ。 二つ並んだ布団を、隙間なくくっつけて。 枕を隣り合わせ直して、床に入り。 待っていたように伸ばされた腕に、身じろぎ。 腕の中に身を収めると、閉じ込められる。 睡魔が訪れるのは思いの外、早く。 数度背中を叩かれるだけで、うと、と瞼が落ち始め。 ぬくもりに包まれながら、船は眠りへと旅立っていく。] (+166) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:51:32 |
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![]() | 【墓】 瑞野 那岐[疲れ果てた身体は、睡眠を求めていたのか、 朝まで目覚める気配もないまま、ぐっすりと眠っていた。 瞼の向こうが少し、明るくなったような気がするけれど、 瞼はまだくっついていたいと、言うから。 逆らえないまま、言うことを聞いていた。 ただ、眠る前にあった温もりが、無いような気がして。 少しだけ、重い瞼を持ち上げて、姿を探し。 その背中を見つけたら、もぞ、と身動いで。] …………んぅ、……、 [ぬくもりを求めるように、 ぴと、と両手と額を彼の背中に擦り寄せた。 夏が近づいているとは言え、まだ朝は春眠暁を覚えない。 要するに、もう少し寝ていたい。] (+167) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:52:38 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[無くしたものが確かに埋められて、 とろ、とまた瞼が落ちてくる。微睡みに落ちるのは早い。 寝乱れて浴衣が肩から少し下がり落ちている分、 ぬくもりと求めてしまうのは仕方がない。 腿まで覗いている脚も、 冷えた足先を温めるように、足首をすり、と絡めて。*] (+168) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 21:53:14 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[ぬくもりを求めるみたいに擦り寄った時、 彼が起きているのかどうかは、確かめていなかった。 眠っていたなら問題なかったし、 起きていたら、もう少しと布団の中を長引かせたかも。 だから、降り掛かる声には、] ……んー…… 、 [ぐずるように返事とも否定ともつかない反応を返して、 身体はより、近づけるように額を擦りとぶつけて。 絡めた脚を、もぞ、と動かして。 脚に挟んでもらって、ぬくもりを求め。 もう少し、うとうとと船を漕いでいて。] (+174) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 23:36:00 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[誘いの声に、ン、と寝ぼけたまま頷いて。 眠ったときと同じように向き合う形になれば、 もぞもぞと、胸の内に身体を落ち着けた。 包まれる温かさが好ましい。 身じろげば尚更、浴衣がずれて肩を露出して。 腰元には帯が纏わりついている程度。 邪魔な裾は後ろに残した分、 顕になった腿でぴとりと片脚を挟み込んで、 抱き枕のようにすれば。 瞼を下ろしたまま、夢見心地にふにゃりと、笑んで。 抱き込まれた安心感に満足して、 くぅ、とまた眠りに誘われていく。] (+175) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 23:36:17 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[揺蕩うようにゆらゆらと、眠気に誘われるまま。 しばらくの間、寝息を立てていた。 もぞりと、動く手は抱き直すものだろう。 その手が、悪戯に動くのに気づかないでいたら。] ……ン、 [鼻から抜けるような甘い声が溢れる。 一度だけじゃなくて、数度。 胸元がすぅすぅして、くすぐったくて。 顕になった腿の間に彼の太腿が割り入れられて、 朝の兆しを見せていたものを、下から押し上げられて、 吐息混じりのあえかな声が、喉を突く。] (+176) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 23:36:52 |
![]() | 【秘】 瑞野 那岐 → 高野 景斗[自身の身体の変化に、ようやく気づいて。 重い瞼を持ち上げたら、間近に彼の顔があって。 少し口元が緩むように笑っていた。 彼が肌に散らした赤い花が朝の光に浮かぶ。 その中でも一際目立つ、胸の先端を両手が、抑えていて。 きゅう、と摘まれたら、] ……ぁ、ンッ ……、 [朝の光にそぐわぬいやらしい声を上げて、ぱち、と瞬いた。] ………っ、? け、いと、さんッ…… [寝起きで掠れた声で彼の名前を呼んで、慌てる。 その頃にはすっかり勃ち上がったものが、 かろうじて腰に纏わりついていた浴衣を押し上げていて。] (-183) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 23:37:30 |
![]() | 【秘】 瑞野 那岐 → 高野 景斗[ぴん、と立ち上がっている胸の尖りも赤く熟れている。 起き抜けの姿態に、狼狽えながらも。 もう収まりが効かないところまで来てしまえば、 は、と浅い息を、ついて。] ……も、ぅ…………、 ばか、ッ…… [悪態を付きながらも、アラームが鳴るまでは。 朝焼けに照らされながら、布団の中で乱れた姿を、 彼の瞳にだけ、映し出して。] (-184) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 23:38:02 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[約束していた朝風呂は、予定していたよりも、 少し短く、慌ただしいものになったかもしれない。 寝乱れた布団を仲居さんに直してもらうのは、 とても居た堪れなくて。 対応は彼に任せてしまって、少し長めに湯に浸かり、 脱衣所でそのやりとりを聞いていた。 何食わぬ顔で対応しているその人。 朝から悪戯を仕掛けてくるような人です。 仕事慣れから来ているのか、そもそもの性格なのか。 今はその対応に助けられながら。 彼女たちが部屋を後にしたタイミングで、 ようやく脱衣所の扉を開けて、 様変わりした部屋の眺め、タオルで口元を抑えながら。] ……上がりました、 [湯気を立ち上らせつつ、彼の向かい側に 腰を下ろして、朝食を共にする。 いつもとは、少し、――――違う朝。*] (+177) milkxxxx 2023/04/02(Sun) 23:38:21 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[共犯と呼ぶにはすっかり熱を上げられて、 緩やかな高まりが収まらなくなっていたのは、 すっかり彼の手によって、作り変えられて 甘く柔らかくなってしまった身体のせい。 おはよう、なんて平然と挨拶を交わしていても、 手は布を押し上げる下肢に伸びていて、 そっと握り込まれたら、息を詰めて、 ぴくんと跳ねるみたいに、腰が疼いてしまった。 かろうじて返せた言葉は、悪態一つ。 腰がぶつかって彼も兆しているのが分かったら、 小さく唸りながらも、降りてくる唇を受け入れて、] ……ぅ、 ンッ、 …… [とろ、と眠気よりも彼に溶かされるように、 瞼が降りていく。瞼の裏に浮かぶのは、彼の姿。 その後は、もう、――――言うまでもないだろう。] (+182) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:11:26 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[仲居さんたちが朝食を用意する間に、 ドライヤーを使う時間は十分にあったから。 半分以上乾いた髪は、軽く水気を残したままだった。] ……ただいま。 [おかえり、というから反射で応える。 やっぱりその表情にさっきまでの艶を帯びた姿はなくて。 ギョーカイジンってみんなこうなのかな。 みたいな、余計な考えた浮かんだけれど、 それを口にするのは辞めておこうと思う。 知ったところで、俺の知っているギョーカイジンは、 彼の一人なので、何の役にも立たない。] (+183) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:11:43 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[並んだ朝食の前に腰を下ろせば、 ほわりと仄かに炊きたての御飯の香りがした。 食事を目の前にしてしまえば、 そんなことも忘れて、表情が綻ぶ。] いい匂いですね、……美味そう。 [自身でも朝食はそれなりに作るけれど、 これほど数は多くはない。 手抜きでピザトーストにする日もあれば、 休みの日には時間を掛けてブレックファーストも。 彼と朝を一緒に過ごすようになってからは、 和食が好きな彼に合わせて、 朝食を日本食にすることが増えてきている。] (+184) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:12:02 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[ほうれん草をツナを和えたものは 砂糖と醤油で甘くもさっぱりとしていて好みの味だった。 それだけ食べても美味しいけれど、 炊きたてのご飯に乗せて米と一緒に食べれば、 熱さと甘さが相俟って、より美味しく感じる。 一般的な味噌汁ではなくスープなのは少し珍しい。 昨夜の海鮮も美味しかったし、貝柱が使われているなら、 海もそう遠くはないのかもしれない。 スープを一口飲んで、ご飯を運んで。 貝類の出汁が十分に効いている味を堪能する。 焼きたての魚は、焼き鮭。 温泉卵の他に、定番の厚焼き玉子。 鮭の身をほぐして、口に運べば程よい塩気が 口内に広がって、鮭の旨味を引き立てる。] 旨い。 [シンプルに、一言。それだけでいい。] (+185) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:12:14 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[朝食を食べて、 少し散歩する時間くらいはあったかもしれない。 たった一泊二日の旅行は、短くとも。 濃厚な密度で、彼と過ごせる時間だった。 明日からは、また日常が戻ってくる。 帰りの車の中で、その日常の話をするのもいいけれど。 此処は、良かったと。 次はどこに行こうか、とか。 寂しさを感じさせるものよりは、 次に繋がるものを、自然と口にしていただろうか。 彼との思い出を増やすように、一つずつ。 そうして、硫黄の香りを嗅ぐ度に、 ]きっと、この日のことを思い出してしまうだろう。 (2) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:13:06 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[そんな、考えが過ぎったからこそ。 旅先から戻った休み前の晩。 ベッドの中で、彼と横たわりなら一つ提案をした。] ……景斗さんって、フレグランス使います? 決まったものがなければ、 俺が見立ててもいいですか? [硫黄の香りを嗅いで、思い出す香りがあるように。 特定の香りで、彼を想うのもいいかと考えて。 俺自身は仕事中には使えないから、 休みの日ぐらいしか使うことはないけれど。 彼ならば仕事柄、平気かと思って。*] (3) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:13:50 |
![]() | 【独】 瑞野 那岐/* イメージ香水を買ったと聞いたので、 泣く泣く〆に向かいつつ香水を絡めてみました。 明日で終わるなんてさみしい……。すや。** (-189) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 2:15:08 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[枕に頭を凭せ掛けながら、 思案に老ける彼の様子を眺めてた。 唐突、と言われればそうなのかもしれない。 だけど、自分にとってはあの旅行から戻った時から、 考えていたものでもあったから、そう?と緩く笑みを添えた。] 香りがあれば、いつも傍に居るような気がして。 [寝転がりなら、彼の髪を撫でる。 風呂上がりにするシャンプーの香りも好きだけど、 時間と場所よって変わるフレグランスはまた、 違ったあなたを引き立たせてくれるだろうから、 それも楽しみの一つ。 自分が選んだ香りを纏わせながら、仕事に行く彼も。 なにかの合間に、自身を思い出してくれたら。] (14) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:41:57 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[名乗りを上げれば、彼からも見立ての注文が入って。 笑いながら、いいよ。と応えた。 考えつく先は、同じなのかもしれない。] 仕事中は付けられないから、休みの日だけ。 [それは、同僚も従姉妹も知らない香りになるだろう。 だとするなら、彼と並んだときに、 噛み合う香りがいいだろうか。 選ぶといいながら、あまり詳しくはないけれど。 彼に送りたいものは、いくつか検討がついていたから。 オーダーメイドという話が、 そういうものもあるのか、と感心しただろう。 それはそれで、互いにまた作ることにして。] (15) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:42:14 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[季節は春から梅雨へ、梅雨から夏へと移り変わる頃。 旅行のときに、話していた蛍も>>+186 そろそろ見頃の季節がだろうか。 師範代だという祖父は彼に厳しいのだったか。 その話をするときだけ、彼の表情が、 いささか強張ったようなものになったのは、 無意識に祖父を思い出していたのかもしれない。 家族仲が悪いわけではなさそうだけれど。 その話も、これからは耳にする機会もあるかもしれない。 風呂上がりに、いつも。 彼が自身を抱き寄せるのが癖になっているみたいに。 隣に寝転ぶ彼に、寄り添うように身を詰めて、 まだ眠る気配のない彼を下から見上げるのは俺の癖。] (16) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:42:38 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐……蛍を見に行くの、 景斗さんのお爺さんの家の近くがいいな。 [寝転がりなら、ふわりと柔らかく笑って。 少し、無茶な注文をしただろうか。 難しいと言われたらなら、ごめん、と笑って。 もし、彼も頷いてくれたなら、少し具体的な話をして。 今日も彼の腕の中で、眠りにつく。] (17) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:42:58 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[休みを合わせた休日に、彼を引き連れて、 デパートへ足を運んだ。 男性だけでは、少し足を運びにくいかとも考えたけれど、 やはり種類を求めるなら、場所を選んだほうがいい。 いくつかの店を周りながら、 今度はやっぱりオーダーメイドにしようと、彼が言うから。 その時ばかりは、笑って頷いただろうか。 ひと目につく所に連れてきてしまったことに、 少々申し訳なさを感じながら、いろいろな香水を試して、 ようやく選んだ香水は、どこか彼を思わせる。 黒いシックな容器のもの。 最初は情熱的な獣のような匂いすらするけれど、 少し時間をおけば、フローラルな香りも混じって 格段にマイルドな印象になる。 何より、香りを試した際に店員の人が教えてくれた 名前の由来がとても気に入ったものだから。] (18) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:43:14 |
![]() | 【秘】 瑞野 那岐 → 高野 景斗[包装されたものを、帰り道で彼に手渡して。 満足そうに微笑んで、振り返る。] 景斗さんが付けてるとこ、見たい。 [まるで、アクセサリーみたいに口にして。 期待に目を細めてみせた。 だって、 『英雄』 なんて名のついた香り。彼にならぴったりだと思ったから。] (-202) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:43:41 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[俺にとっての日常は、優しく穏やかなものだった。 日々代わりになく過ごすことに、不満はなく。 慣れた道を通り抜けて、店に向かい。 毎日のように顔を合わせる同僚たちと、 今日はどんな料理を作ろうか。と、 少しの不安と、半分以上の期待に胸を膨らませ、 お客様に喜んでもらえるようなサービスを考える。 そんな一日一日は、大した不満はなく、 過ごしていたものだったけれど。 ときに失敗をした夜もある。 疲労した身体をなんとか家まで運んで、 熱いシャワーで洗い流して、 気持ちを切り替えようと、取り出した缶ビール。 話し相手はいないから、AIシステムから流れる ラジオが耳の拠り所だった。] (19) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:43:59 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[同じ月を見ていても、 どこか遠いもののように思えいてた世界。 決して混じり合うことのないだろうラジオの向こう。 それが、あるとき。 不意に目の前に形になって現れた。 こんなこともあるのか、なんて驚きが一番近くて。 常連として見慣れていた姿が、一気に身近に感じた。 あなたの声が好きです。 いきなりそう告げてもきっと驚かれるだろう。 距離感は保ったまま、それでもいつか。 伝えられたらと思っていた日々はあっという間に過ぎて。] (20) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:44:15 |
![]() | 【人】 瑞野 那岐[俺が伝えるよりも早く、彼が一歩踏み込んだ。 好きなタイプを聞かれたときに、 ふと頭に思い浮かんだもの。 今思い返してみれば、少し恥ずかしい。 だけどきっと、その時から、大切だった。 優しくて穏やかな声を、聞いた日は。 あの月を探した夜を思い出す。 一人でいても、どこかで繋がっているような。 ひとりじゃないと、思わせてくれた声が確かに 在 った。] (21) milkxxxx 2023/04/03(Mon) 21:44:35 |
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