人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【人】 軍医 ルーク

[ 何かあったならすぐに駆け付けると、
 そう心に決めて。
 医務室を去る後姿が、角を曲がって見えなくなるまで、
 扉を閉めずにそこに立っていた。]


 

[ 敵の総攻撃の情報が、
 前線基地の総員に伝えられたのは、翌朝の事。
 攻撃の日は、  ]
*
(179) zelkova 2020/05/25(Mon) 21:16:14
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a12) zelkova 2020/05/25(Mon) 21:18:11

【人】 軍医 ルーク


  『ああ、探した探した!
   そこの兎君、えーと、ゼット!』


[ 皆がせわしなく動きまわる前線基地を、
 ぱたぱたと走る人影がある。
 一斉攻撃の情報が齎されて後、基地内の空気は一変した。
 当初は絶望に近いものでもあっただろう。
 一度の降下で一体の機獣を倒すにあたり、
 犠牲を出さずに済むこともあったけれど、
 これまでどれ程の死傷者、損害を重ねてきたことか。
 けれど、此処は最前線にして最後の砦であるという認識は、
 否応なしに、基地にいる者皆が感じていることでもある。
 
 廊下で第一攻撃部隊隊長に声をかけてきたのは、
 技術班長、ジルベール。
 賑やかに両手をぶんぶん振って、駆け寄って来る。]
(181) zelkova 2020/05/25(Mon) 21:48:46

【人】 軍医 ルーク

 『君に渡したいものがある、
  暇かい?
  あはは、愚問だったね、
  いまこの基地は、年中行事を袋詰めして振り回して
  ごちゃまぜにしたような有様だ、
  窓を開けたら年始の祭りの飾りが仮装して
  菓子を強請り始めたっておかしくない。
  けれど、いくら暇じゃなくたって、
  これは来てもらわなきゃいけない』


[ そう言った彼女は、彼をぐいぐいと
 武器倉庫に引っ張ってゆくだろう。
 天井が高い堅牢な倉庫には、
 整備された通常の装備に加え、
 新たに運び込まれているものがある。]


 『実戦への投入はまだ先の予定だったのだけれどね、
  “いま使わずにいつ使う!”っていうやつさ。
  技術班総出で、徹夜突貫で整備した。
  機獣から回収された装備を元に開発したものだ。
  各部隊長に支給して回っているところだったんだが、
  実際、今この基地の最大戦力は君と言っていい。
  最大の戦力に出来るだけ火力を集中するのは、
  理にかなったことだよ、うん』


[ 一画にある金属製の筒を、ずるずると引きずって来る。
 彼女の腕力でぎりぎり動かせるくらいの重みのようだ。]
(189) zelkova 2020/05/25(Mon) 21:58:54

【人】 軍医 ルーク

  『それに、こういうのを軽々持ち運べるのは、
  馬鹿力の連中のなかでも
  そう多くはないだろうからね。
  携帯式対機銃弾発射器といったところか、
  反動はかなりのものだが、君のそれと違って、
  物理的な反動だけだ。
  つまり一言で言うと、筋肉でなんとかなる!』


[ 義手の解析に携わったこともある彼女は、
 彼の義手の性質もある程度は心得ているようだった。>>2:65]

  『それからこっちは、対機獣の手榴弾。
   爆発の威力は前方にだけ収束するわけじゃなくて、
   周囲にも爆風が来るから、
   離れたところから投げるんだ。
   機体に吸着して爆発する。
   立ち回りによっては中々の効力を発揮するだろう。
   それから――』


[ 部隊長のみならず、
 部隊全体への一通りの追加装備について説明をした後、
 彼女は顔を上げる。]
(190) zelkova 2020/05/25(Mon) 21:59:38

【人】 軍医 ルーク

 
  『ルースに頼まれた。
   通信機を運んできてくれたときにね。
   君のその義手の代わりになる、
   身を守れる武器が何かないかと。
   わたしもその考え方には賛同する。
   最大戦力が行動不能になるような武器は、
   実に非効率的だから』


[ 自分たちの発明品を嬉々として解説する彼女の様子は、
 状況分かってるのかこのひと、と、
 装備の確認に訪れた他の部隊の兵士たちの
 胡乱な視線を受けていたけれど。
 気にせず、にやりと笑う。]
(192) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:00:11

【人】 軍医 ルーク


 『我々は技術者で、非戦闘員で、後衛だ。
  でも、我々なりの戦闘というものがある。
  この世界の技術は、どこかで唐突に始まっている。
  遺失技術だって、どこからともなくもたらされたものだ。
  そのことについて話し出すと
  三日三晩かかるから割愛するとして――
  けれど、そこから積み上げた我々の技術と
  生きるための知識は、我々のもの。
  成果の多寡じゃない、
  わたしたちは、
  先人の成果の上に自分たちの石を詰むのさ。
 
  その石の一つに、この基地が調査拠点であった頃、
  命を落とした学者たちの成果もある。
  君は、何があったか覚えてないそうだけれど――
  機獣を退けたのは君なのだろう?
  そう聞いている。>>1:213
  だとしたら、そのおかげで、
  彼らの研究はごく一部なりとも此処に残っていたんだ。
  彼らに代わり、一度礼を言いたかった』


[ そうまくし立て、部隊長の兎の肩をばしんと叩き、
 また次の部隊へと、装備品の支給に走り出した。]*
(194) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:01:13

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
前線基地・外壁
 ――

[ 基地の周りをぐるりと取り囲み、
 高く高く張り巡らされた壁面の上に、
 一つの人影がある。

 針金のようなその人影は、
 爆風の一つも食らおうものなら吹き飛ばされそうに
 ひょろりと頼りなく、細い。
 ――けれど、何が起きたとしても目はそらさない、
 退くことはしないと、二つの脚でそこに立っている。
 爆風に吹き飛ばされないようにと、
 ぺんぎんをしっかり両腕で抱えて。

 サイレンが叫んでいる。
 この基地が始まって以来発せられることがなかった、
 最大の警戒レベルを告げて。
 
 高く遠く、『太陽』に照らされた天の岩肌に、
 穿たれた大穴がある。
 世界の蓋に闇が口を開け、
 数多の死が吐き出されようとしている。
 けれど、届かない場所へと手を伸べることは、
 もうしなかった。

 ――彼は、あの大穴の向こうの世界から来た。
 この地に降りてきたとき、
 彼は何を思い、何を見たのか。
 これまでに読んだ、日記の記述は、
 一語一句たりとも忘れられるものではない。]
(204) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:24:53

【人】 軍医 ルーク

[ 赤茶けて荒れ果てた荒野に、
 前線基地の兵士たちが隊列を組んで散開してゆく。
 西側の外壁の砲台が、一斉に『天』を、
 そして荒野を差して動き始める。
 降下が予測された刻限まで、もう間がない。
 
 此方からは向こうがよく見えるけれど、
 向こうからは、此方のことは見えないだろうか。>>0:14
 前回の襲撃と同じように。
 そうだったとしても、そうでなかったとしても――…
 自分がここにいることは、
 きっと、知っていてくれるだろうと思う。

 他の医師や技術者たちとともに、
 建物の最深部に籠ることを選ばなかった。
 戦場は彼らの領分と心得ていたとしても、
 近くにいては足手纏いになってしまうことが分かっていても。
 それでも近くにいて、
 もし何かが起きたなら――
 ここにずっとこうしている、心算だってない。]
(205) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:26:00

【人】 軍医 ルーク

  



[ それから、いくらかの時が過ぎる。
  耳鳴りがするような静寂に、大気が張りつめる。
 
 そして、
 ――風が、吹いた。]*
(206) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:26:38
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a13) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:28:32

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a14) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:29:41

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a15) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:33:20

【独】 軍医 ルーク

/*
打ち合わせでは最終日大規模襲撃の予定だったから進めてみたけど、その前にやりたいこととかあって、やりづらかったらごめんよ…!(どきどきと
(-40) zelkova 2020/05/25(Mon) 22:35:56

【人】 軍医 ルーク

[ 少しばかり前のことだ。
 人の波に逆行して外壁へと向かおうとしていた自分に、
 ぺたぺたと駆け寄って来る足音がある。
 先に足を止めたのは、一緒に歩いていたぺんぎん。
 視線を向ければ、一羽のぺんぎんが此方に向かってくる。
 抱えているのは、あの赤い袋。
 それを見た瞬間、心臓が一歩、早足のように打つ。
 ぺんぎんはぺんぎんに袋を渡し、
 きゅいきゅいと鳴き交わしていた。]


  預かってきてくれたのか。


[ 軽く屈みこみ、ぱたぱた手を振る二羽の頭を軽く撫でた。
 袋を受け取り、落とさないよう大事に抱えて外壁を上る。
 それまでよりも、少しばかり早足で。
 何が記されているのか、直ぐにでも開きたくてたまらない。

 一歩の歩みごとに名前のつかない感情が噴き出して、
 次の一歩でその正体に名前を付ける。 
 一体の襲撃ですら食い止められる保証もなかった戦線に、
 数も知れない敵が押し寄せようとしている。
 それを、先頭に立って迎え撃つのは。]
(274) zelkova 2020/05/26(Tue) 20:59:15

【人】 軍医 ルーク

[ 石造りの階段を上がる脚は、思うようには動かない。
 漸く外壁の上へと昇り切れば、
 袋を開き、タブレットを取り出す。
 ノートには、また新しいページが付け加えられていた。
 
 今までのように、日付から始まる日記ではない。
 それは確かに、この自分に向けて綴られた言葉だ。
 食い入るように最後まで読んで、読み切って、
 じいっと此方を見上げていたぺんぎんに、振り返る。]

 
  ……莫迦なこと、たくさん書いてた、
  あの莫迦。


[ それは、いつかの防衛線で、義手が放った光を見た後に、
 自分が言った言葉と、似ている。 
 けれど、その声も、その表情も、
 何一つ比べ物にならないほどに違った色合いを帯びて。
 底にある感情は、やはりどこかしら繋がるものだった。]
(275) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:00:31

【人】 軍医 ルーク


  総司令に直接?
  それは確かに、このタイミングで君に何かをする程、
  戦局が見えてない人じゃないけれど。


[ 声に滲み出るのは、どうしようもないもどかしさだ。
 彼が自身を身を危険に晒しているとき、
 自分は何も出来ずにいる。
 今も、だ。
 後方にいて、黙って待っていることしか出来ていない。
 眠れていることは安心したけれど、
 あの頭痛は今も彼を蝕んでいる。

 けれど、声に滲むのはそれだけではなくて。
 表面の硝子に、そっと掌で触れる。
 そこに綴られたいくつもの言葉たちに、
 いま、ここにはいないその人に、
 せめて、想いだけでも触れようとするかのように。]
(276) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:01:37

【人】 軍医 ルーク


  しかも、そのやり方……
  ええ、反動とか…?
  いや、確かに理屈なら出来るとは思うけれど、
  ああ、いや待て、少し考える。
  他にも方法はあるはずだ。


[ そんな風にぶつぶつと独り言を言いながら、
 指は自然と、タブレットを滑り出した。]*
(277) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:01:56

【妖】 軍医 ルーク

シュゼットへ

 君が君でいてくれることを、伝えてくれてありがとう。
 何より、本当にほっとしてる。
 
 総司令に話をしに行ったのは博打だったけれど、
 確かな判断だったと思う。
 皆が生き残るために、
 機獣の情報はとても重要なものだったはずだから。
 そのときも、いまも、
 君が危険な目に遭っているとき、同じ場所に居られないことが
 何より悔しいし、辛い。
 でも、総司令は今は何もしてこないという読みは正しい。
 あの人は、理屈で考える人だから。
 
 名前のことも。
 君が見たという写真のうさぎのことも。
 聞かせてくれて、ありがとう。
 見たこともないはずなのに、
 わたしにも、その写真が見えるような気がした。
 ―― その写真を見ている、君のことも。
($11) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:03:16

【妖】 軍医 ルーク


 ほら、感じていた通りだった。
 君は、自分が本当に優しい人なのかは分からないって、
 前に書いていたけれど。
 そこに生きていた誰かが残した写真を見て、
 兎の姿を見て、
 大事な人の笑顔を守る、そんな兎になりたいと願った君を、
 優しい、という以外に、例える言葉をわたしは知らない。

 黙っている事だって出来るのに、
 皆が生きるために総司令に自分が知っていることを
 伝えにいった君を――

 ああ、でも、
 見ていて危なっかしくて、少しでも近くに居たいと思ったり、
 心配が過ぎて時々こう、
 とびっきり苦いものを飲ませてやりたくなったりするのは、
 さすがに許してほしいと思う。
 放っておいたらどこに飛び込んでいくか分からないんだ、君。
($12) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:05:16

【妖】 軍医 ルーク

 
 隣にいる子供を守っているようだった、そのうさぎ。
 でも、わたしは、きっとその子供だって
 うさぎを守りたかったに違いないと思う。
 想像することしかできないけれど――…
 彼らがせめて、最後まで一緒にいられたならと、そう思う。

 君がそうして、皆を守ろうとしてくれているのなら。
 君のことは、わたしが守りたい。
 前からずっと、思っていたから。
 例えば、食堂で君の部下の人たちが
 楽しそうにしているのを見ているその背中は、>>0:69
 彼らと一緒にいて、守っていても、
 誰が守ってくれるのだろうと。

 弱くて、一緒に戦いにいけないことが悔しいけれど。
 わたしも、わたしが出来ることを探すから。

 一人きりで、旅をして。
 世界の何処かにひとが生きていられる場所を夢見た君の心が、
 今ここに居て、皆を守ろうとしている君の心が、
 いまの私には、何よりも、大切なものに思えてる。
 寂しい思いなんて、決してしないように。
 
 だから、最後まで見守っていてほしいと、
 そう言ってくれることが嬉しい。
($13) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:07:58

【妖】 軍医 ルーク

[ そうして、続きに記すのは、上に上る手段のことだ。
 何があるか分からない場所に行くことに、躊躇はない。
 そう、一人で行かせるつもりなんか、これっぽちもなかった。]

  
 理屈では、そのやり方で上方に飛ぶこと自体は出来るはず。
 発射速度も相当のものだろうから。
 ただ、計算してみないと分からないけれど、
 相当の反動があるだろう。
 無事に上に着けるかは、かなり危険な賭けになると思う。

 それに、気になっているのが、大穴の形態。
 あの穴の向こうは、何も見えない闇だ。
 まるで蓋でもされているように。>>0:400
 君の夢からしても、天の向こうの世界には、
 時刻によって光があると思われるのだから、
 あれがただの孔なら光がそのまま差し込んでもいいはずで。
 攻撃時のみ開かれる蓋か、
 それに類する何かで覆われているとしたら、
 破る方法も必要になるし、
 それを超えたとしても、向こう側にあるのは、
 恐らく機獣の攻撃拠点。

 もし他に方法がなく、急を要するなら、
 そのときはそうするしかないと思うけれど。
($14) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:09:25

【妖】 軍医 ルーク


 いま咄嗟に思いつくことは、そう多くない。
 ただ、君の話を総合的に考えれば、
 この世界に在る遺失技術は、
 元々は天の穴の向こうから齎されたものではないかと思う。
 君が訪れた建物の硝子細工、写真、
 そして何より、機獣そのもの。

 どうしてそのような技術がこの世界に運び込まれたのか、
 その目的は分からないけれど。
 一つだけ言えることは、

 『運び込まれたなら、その時点では出入り口があったんだ』。

 あの大穴は、機獣を送り込むために開けられたものだろう。
 最初の襲撃の際に穿たれたあれだけが、
 地上との連絡孔だったんだろうか?
 今は塞がれているかもしれないけれど、
 他にも出入り口はあった可能性はある。
 発掘現場と、開拓時代の地殻調査の図面を照らし合わせれば、
 分かることがあるかもしれない。

 それに、もしそういうものが見つからなかったとしても、
 周りの協力が得られるなら、
 あの大穴から上に出る手段も開発は出来るだろう。
 もしそれも無理な状況のときは――
 そうだな、君の方法に賭けてみるか。
($15) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:11:04

【妖】 軍医 ルーク

[ 皆の協力が得られないとき――それがどういうときかは、
 言葉にするまでもないだろう。]


  必ず生きて戻ってきてくれると、信じてる。
  待ってる。
  わたしは、大丈夫。* 
($16) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:11:37

【人】 軍医 ルーク

[ 帰って来る彼を待って、言葉で伝えても良い内容だった。
 けれど、降下の時を待ちながら、今ここで書き記したのは、
 どうしても、直ぐにでも伝えたいと、指が動いたから。

 綴ったところで、届けられるのは
 この戦闘が終わった後のことだというのに。
 それでも、ただ黙って言葉を抱えていることが出来なくて。]*
(278) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:13:57
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a22) zelkova 2020/05/26(Tue) 21:19:57

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
外壁
 ――

[ 天の孔から落ちてきた機獣の先鋒は、数体。
 四足型、蜘蛛型、それから――
 自分の視力では、落ちてくるその姿を
 すべて捕えることは出来ない。
 手足を折り畳み、地上へと真っ逆さまに落ちてくる。
 隕石――という言葉は知らないけれど、
 もし知っていたなら、それに例えたことだろう。
 それらは轟音と共に地に落ちて、
 一斉に、金属が軋むような咆哮を上げた。

 防衛部隊の陣取る外壁の長距離砲台が、
 着地点に火を吹いた。
 轟音が地を揺らし、砲声が空を貫き、
 もうもうと舞い上がる土煙の中で、戦いが始まる。
 
 地上に居て近接戦を行っているであろう攻撃部隊の姿は、
 土煙と爆炎の向こうに紛れて、
 此処からでは既に視認できない。]
(292) zelkova 2020/05/26(Tue) 22:55:30

【人】 軍医 ルーク

[ 此処から見えていた一体――蜘蛛型の身体が沈み込み、
 脚が力を溜める。
 地を蹴りひと飛びに、まるで獲物を狙うように跳躍し、
 着地するや、回転を始めた頭部から、
 四方八方に弾が放たれる。

 胴体を狙った防衛部隊の砲撃は、
 その装甲に弾かれたようだった。
 振り上げた鉤爪が、
 その巨体からは想像もつかない速度で振り下ろされ、
 その切っ先が足元を穿とうとしたその瞬間、
 跳ね飛ばされるように、蜘蛛脚が千切れて宙を舞う。

 外壁からの長距離射撃か、
 あるいは近接で誰かが撃ったか、切り飛ばしたか、
 それすら分からない。

 千切れた脚は宙を舞い、荒れ地に今も残る建物の残骸を、
 まるで紙で出来た箱のように押しつぶした。]
(293) zelkova 2020/05/26(Tue) 22:56:55

【人】 軍医 ルーク

[ 戦場は此処から遠く、けれどもその距離は近い。
 機獣が全速力で駆け出したなら、
 瞬く間に射程圏内に入るだろう。

 その場所は此処から近く、けれどもひどく遠い。
 帰ってきてくれるとどれ程に信じていても、
 爆音が轟くたびに、閃光が閃くたびに、
 どうかその場所に彼がいないよう、無事であるようにと、
 ぺんぎんを抱く腕に力が籠る。

 潰してしまわないようにと腕を戒めながら、
 かたかたと震える指に、
 きゅう、と小さな声を上げて、ぺんぎんの羽が触れた。]


   大丈夫だ……


[ 自分自身にそう言い聞かせるように呟いた声もまた、
 ひどく震えていて。
 それでも目を逸らすことは、しない。
 最後まで、ちゃんと見守っている。見ている。]
(294) zelkova 2020/05/26(Tue) 22:57:46

【人】 軍医 ルーク

[ どれほどそうしていただろう、
 天の大穴から、再び落ちてくるものがある。
 ぞくりと、背筋が凍り付く。

 “総攻撃”
 それは、どれほどの規模の攻撃なのだろう?
 天の大穴の上には、どれほどの兵器が残されている?
 押し寄せる濁流のように、次々と投下される機獣は、
 その一体がどれ程のひとを殺すだけの力を持っているのか。

 ―― ぎらり、と、
 視界の片隅で、何かが光った。
 落ちてくる一体の軌道が変わる、

        
此方へと、落ちてくる。
]


  ――…っ!


[ これまでにはいなかった機体、
 これまでにはなかった状況だった。
 それが何かを頭が理解するよりも先に、
 総毛立つ尻尾が、耳が、その危険を全力で告げる。]
(295) zelkova 2020/05/26(Tue) 22:59:37

【人】 軍医 ルーク

[ 咄嗟にぺんぎんを庇い、物陰に飛び込み、伏せる。
 耳を劈く轟音が、先ほどまでよりも遥かに近くで炸裂し、
 爆風が巻き起こり、外壁を打つ。

 吹き飛ばされそうな衝撃を、うつぶせに伏せたまま、
 地面にしがみ付くようにして必死でやり過ごす。
 フードが風に飛ばされ、白い耳が露になる。
 その耳が捕らえたのは、二重三重に轟く砲撃音だ。

 外壁の方向が攻撃された、
 けれども、直撃はしていない。
 狙いを外したのか、防衛部隊が防いだのか、
 あるいはそれとは別の何かが起こったのか、
 何が起こったのかは分からない、けれど――…

 言うことを聞かない脚を励まし、よろりとたちあがれば、
 外壁の向こう見えたのは、
 今までに見たことがない形の機体が、三体。
 捻じれた首が回転し、昆虫のような複眼が、
 ぎろりと外壁を――その向こうの前線基地を睨み据える。
 遠くにあるはずのその目が、酷く間近に見えた気がした。
 射抜かれたように、脚が竦んで動かない。

 直感する。
 あいつらは、基地を狙っている。]
(296) zelkova 2020/05/26(Tue) 23:00:46

【人】 軍医 ルーク


  ――…、
  いいか、逃げるよ、
  この場所は駄目だ。


[ 先程の爆音のせいか、
 ぺんぎんに語り掛ける自分の声が遠くに聞こえる。
 以前の自分であったら、自身の命にすら頓着せずに、
 外壁に留まり続けていたかもしれないけれど――
 今は、違う。

 自分のいる場所に敵は近づけさせないと、
 彼はそう言ってくれた。
 何かあったら、名前を呼んでと。
 けれど、自分だって、足手纏いになるだけじゃいけない。

 外壁どころか基地のどこにいたとしても、
 安全な場所なんてきっとない。
 それでも少しでも逃げやすい場所で、自分の身を守らないと。
 戦いが終わったら、怪我人だって出ていることだろう。
 彼が守りたいと思った者たちだ、
 自分の責務でもある、皆を“死なせない”ようにするために。

 それに、なによりも。
 ちゃんと、最後まで見守って、
 帰って来るのを “ 待っている ”。

 足を励まし、ぺんぎんと共に外壁の階段へと。]
(297) zelkova 2020/05/26(Tue) 23:02:36

【人】 軍医 ルーク

 
 
 


[ 蟲型の機獣三体の“前方からの”突撃に紛れるように、
 静かに戦場を迂回して移動する“もう一体”の存在に、
 いまはまだ、気付かない。]*
(298) zelkova 2020/05/26(Tue) 23:03:13

【独】 軍医 ルーク

/*
もうね、日記の内容がね、
うさぎのところがものすごく胸に迫って、こう…

一人きりで旅してきて、その写真を見て、憧れて、
穴から落ちてくるときに写真を無くして感情が爆発する瞬間の事とかを思うと、ものすごく鮮やかに思い浮かぶし胸が締め付けられるというかふああああってなる…

もう全力でもふもふしたい。
しかも頭痛の件がまだ心配で心配でこう。
部隊長で来るっていうのは前もって聞いてたけど! そう来たか―ってなって! ほんと天才だなってなってる…!><。。
(-58) zelkova 2020/05/26(Tue) 23:08:18

【独】 軍医 ルーク

/*
しかし自分が戦わない視点の大規模戦闘書くの難しいな!?
自分の一対一のバトルとかより、スピード感が出なくてぐぬぬとなる…
能力戦とかと違ってどんどん装飾していくのもイメージつきにくいしなあ
(-59) zelkova 2020/05/26(Tue) 23:10:14
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a23) zelkova 2020/05/26(Tue) 23:47:59

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a25) zelkova 2020/05/27(Wed) 0:43:12