人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

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【秘】 小さな心 サルガス → わるいおとなの ラサルハグ

 まだ丸みを帯びた面は紙のように白くなっていた。
 薄く開くばかりがやっとの瞼の内側は、目玉が白目を向きかけている。
 苦しみに耐えかね、昼餉混じりの吐瀉が地面に垂れ流される。勢いもない嘔吐だった。
 気胸の危険性がないようにと、大人の一人がガーゼを充てがう。危険な状態だった。

 それでも。人の声を聞くと、まだ顔合わせも子供たちとしきれていない貴方の声を聞くと。
 ほっと肩からを抜いて、真っ白い唇に、大丈夫だとでも言うように薄く笑みを乗せた。

 その後、経過を見てひとまず肺や心臓、内臓の破裂はないことが判明した。
 それでも未だ神経の損傷の可能性は疑われている。落ち方が落ち方だからだ。
 最悪麻痺や呼吸障害の可能性もあるが、まだ様子を見る必要がある、と結論は出された。
 肋骨や打った内臓をしっかりと固定し、包帯やガーゼで正しい位置に合わせる。
 しばらくすれば、少年は自室へと帰されるだろう。

 少年の処遇がどうなるのかは、明日の犠牲者の数が示している。
(-185) redhaguki 2021/05/29(Sat) 16:59:59
サルガスは、自室に返却されました。
(a43) redhaguki 2021/05/29(Sat) 17:07:46

【独】 小さな心 サルガス

 痛い。痛い。それでも、しばらく固定すれば多少は楽にはなった。
 あばらにひびは入っているかも、ということだけど、手術の必要はないらしい。
 正しく安静にしていれば問題はない……らしいけれど。安静にすることこそが至難というもの。
 やらなければいけないことがあるのに。ままならない気持ちだけが膨らみ続ける。

 レヴァティは、どうしてああもけろりとしていられるのだろう。
 ブラキウム、ぼくの優しい友達。普段のようにいられないゆらぎを、守ってあげたい。
 メレフ、見た目よりもずっと脆く、情深い貴方。彼の為に何をしてあげられるだろう。
 ルヴァ、ほんとうはそばを離れてしまいたくない。危うげな、小さいきみ。
 カストルは。ああ、本当は、彼が何を見ているのか、全くわからない。恐ろしいのだ。
 シトゥラ。どうして、イクリールがいないのに。本当は、想っていると信じたい。

 たった一日で、こんなにも誰かを疑っている己が恐ろしい。それ以上考えたくないのだ。
 どうして、こんなにも急いてだれかを探しているのか、理由は自分でわかっている。
 見つけたなら、話をしたなら。もう、"居る人間"を疑わなくて済む。
 ごめん。ぼくは、犯人探しなどしたくない。
 誰とも知らぬ人間ばかりが関わっているのならばいい。
 ぼくは。本当は、いい人間でなくなってしまうことを、恐れているのだろう。

 痛みに耐え、痛みに耐え。
 幸い怪我のせいで、午後の授業への出席は免れた。
 今のうちに、誰かを、居なくなった彼らを、探さなくては。
 彼らを、僕らを。ぼく自身を、守ってやるために。
(-234) redhaguki 2021/05/29(Sat) 20:51:26

【秘】 空回る思い メレフ → 小さな心 サルガス

>>36 サルガス

「ん。……もう大丈…いや、少しまだしんどいはしんどいか。
 動けるくらいにはなった…食欲はないから、食べはしないけど 置いてある分には気にしない」

扉からのぞいた顔に手を挙げて。
少年の顔を見て、メレフも少し気が落ち着いたように表情が穏やかになる。

「ルヴァは大丈夫だったか?あの時は、すぐ通せなくて悪かった」

部屋の方は気にした様子もなく。
入れるなら入るぞ、という顔をしている。
(-241) otomizu 2021/05/29(Sat) 21:48:30

【秘】 空回る思い メレフ → 小さな心 サルガス

/* 間違えて秘話を送ってしまいましたわ………………………………………………通常発言に発言し直しましたので、そちらで続けて頂けたらと思います………………………………………………!
(-244) otomizu 2021/05/29(Sat) 21:55:09

【人】 小さな心 サルガス

>>3:52 昼過ぎ メレフ
「前、たべものの匂いも、やだったから……でも、だいじょうぶなら、よかった。
 ルヴァは、とりあえず立ち直ったみたいだったよ。まだそれからは会えてないけれど」

 少し動くのが億劫そうなのは眠気のせいだろうか。緩慢な動作で、扉を開く。
 いま寝坊して置き出したみたいに、ベッドシーツがもこもことトンネルを作っている。
 隣を過ぎる時に少し香るのは、普段の匂いに加えて少しの土の匂い、消毒液の匂い。

「なにか、あったっけ。見つけたものとか、あった?
 のみもの飲むの、たいへんじゃなかったら、昨日とおんなじの淹れるけど……」

 見上げる視線は貴方のことばかりを気遣って、鶏と雛のようにそばをちょろちょろとしている。
 いつものケープは土と青草で少し汚れて、ベッドのそばにかけられていた。
(60) redhaguki 2021/05/30(Sun) 0:57:40
サルガスは、中庭に顔を出した。
(a75) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:02:56

【人】 小さな心 サルガス

>>3:a75 中庭
「……」

 いなくなった人々を探して、のろい足を動かして。
 青い鳥のように、中庭に集まる人たちを探してぱあっと顔を輝かせた。
 小さな少年は、たしかにそこにいるみんなを認識している。
 ああ、と声をかけて駆け寄ろうとしたけれど、どうにもみな、大事な話をしているようだから。
 ぎゅっと耳をふさぎながら、それでも見えるところに姿を現した。

「き、きいてよくなったらおしえてね」
(61) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:06:29

【人】 小さな心 サルガス

>>3:62 中庭 ブラキウム
「……ああ、うん。本当に……」

 自分が見ている風景と、貴方は見ている風景は。同じなのだ。
 それはただ単純に己が間違っていないことの証明でもあるし、
 貴方が前を見ていることを証明することでもあるし、
 なにより、ここは、食堂のような場所ではなく。多くが受け入れられる場所だと。
 ホッとした途端に喉がぐっと狭まって、鼻がつんと痛くなって。

「みんな。スピカも、シェルタンも、ルヘナも、イクリールも。
 ああ、いるって、言っていいんだ。言って、いいんだ……」
(63) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:17:14

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 ルヘナ
「るへな、」

 しゃくりあげてしまいそうな声が、ようやく喉から音を押し出した。
 少しのろい足取りがそちらに歩んでいって。なんて、声をかければいいだろう?
 遅くまで一緒にいて、離れてからはそう時間など経ってはいないのだ。
 なのに、とても長い時間離れていたような、そんな気さえする。

「、……き、のうは。ありがとう、ね……」

 いっぱいの感情で占められた頭の中から、いちばん確かな言葉を選び取る。
(64) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:20:38

【秘】 空回る思い メレフ → 小さな心 サルガス

>>60 サルガス
「今は大分とな…また、ダメな時は言うようにする。安心しろ。

 そうか、ルヴァも団長と言うだけあって 抱え込みがちだろうからな。
 なにかあった時はちゃんと見てやれよ。中等部は、お前の方が目が届くだろ」


サルガスの様子を見て、怪訝そうな顔をした後 椅子ではなくベッドの方へ向かう。
傍をちょろちょろしている様子の少年の肩をとん、と指先で押して。
ベッドに倒れこませる。ぽふん。

「…全く、人のこと心配する前に自分のことを……何だってお前達は同じことを言わせるんだか。

 それ、どうしたんだ?転びでもしたのか」

消毒液の匂いと、顎で指したケープの汚れから 何となく想像をしてみて。
(-290) otomizu 2021/05/30(Sun) 1:21:33

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 シェルタン
「うん。……うん。また、いっしょに、たくさんいろんなこと。
 いろんな、音楽のこと……話したいなって、おもて、」

 ひとり、ふたり。話しかけられた頃には、もう涙声になって、鼻が湿っていた。
 あまり小綺麗ではない音を起てて鼻をすすって、こくこくと頷いている。
(65) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:22:37
サルガスは、ブラキウムに対して力強く頷き、ぎゅっと手を握り返した。
(a77) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:26:26

【人】 小さな心 サルガス

>>3:67 昼過ぎ メレフ
「ぼく、探し回ってばかりだものね。ブラキウムにも、ひとりでうごくなって言われちゃった。
 ブラキウムもルヴァのことしんぱいしてたから、きっと、うまくやってけるんじゃないかな……」

 互いに人のことばかり、自分のことを発信しないのはお互い様だろうか。
 思うところを理解しているから余計には追及せず。
 それから昨日のように椅子を用意して、保存食で散らかっている机の上をちょっと避けて。
 飲み物を用意しようとしたところで、軽い体はころんとシーツの上に簡単に転がされた。
(68) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:31:29

【人】 小さな心 サルガス

>>3:67 >>3:68 昼過ぎ
「い゛、」


 苦悶の声だった。マットレスが跳ね返した体は引き伸ばされたようにぴんと背を張り、
 首は引き抜けそうなほどに後ろに添って後ろ髪をシーツにこすりつけた。
 ひゅうひゅうと細い呼吸をして、隠すように口に手を当てて。
 どうみたって不自然な様子であるのに、なかったことにするようによろよろと身を起こそうとする。

「きょ、うは……どう、した、の?」
(69) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:34:20

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 ルヘナ
「そんなこと、ないよ。まだ、できるよ、ううん、ぼく、まだ、なにもできてやしないけど……。
 でも、でも。ねえ、ルヘナ。まだ、ぼくはきみに、きみたちに。
 なにかできると、おもってもいいだろうか」

 涙声だと言うには、もう震えてかたちもなしていない。聞こえはひどく悪い声だ。
 それは貴方にとっては手遅れのことであり、手抜かりの末のことであるかもしれない。
 それでも、まだ。少年は諦めていなかった。
 そしてあなた達を見つけたいま、目的は人探しから、変わりつつある。
(71) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:40:28
小さな心 サルガスは、メモを貼った。
(a80) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:45:14

【人】 小さな心 サルガス

>>70 昼過ぎ メレフ
「だいじょうぶ、だいじょうぶだ。ああでも午後、おやすみ、もらったんだ。
 だからね、へいき。うごけるよ。みんなのこと、それに、解決のほうほう、さがさなきゃ」

 声は濁り、喉の裏側をえぐるように低く鳴らす。普段のようにアルトは通らない。
 横倒しになった顔は痛みのせいかみるみる紙のように白く青ざめる。
 襟首を広げてみるならば、よくよく見れば白い包帯が覗いていた。

「メレフ、むりに、触らなくていいよ……ころんだ、だけだもの。へいきだよ。
 ねえ、メレフ、あれから、なにかあったんでしょう。きみのほうが、ずっと心配だ」

 それでも。案じ、思い起こすのは朝方の貴方のひどく弱った様子のほうで。
 ななふしのように細い腕に力をかけて、体を起こそうとする。
 なにか、話したいことが、或いはこれからについて、相談したいことがあるのだろうと、
 そればかり気にしているのだ。
(72) redhaguki 2021/05/30(Sun) 1:54:20

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 ルヘナ
「……うん。きっと、できるよね。ぼく、がんばるよ。がんばらせてほしい。
 そのために、ここへ来たんだもの」

 貴方の方へも、歩み寄って手を伸ばして。握り返してくるものがあると信じている。
 少しだけ笑顔を作ったけれど、それはすぐに真剣な表情に置き換えられた。

「ルヘナ。ぼくも、きみも。ここにいるよ。きみの傍に、ぼくはいるよ」
(74) redhaguki 2021/05/30(Sun) 2:21:14

【人】 小さな心 サルガス

>>73 昼過ぎ メレフ
「……がんこ、なんだもんな。ぼくも、そうみえるのかもしれないけれど。
 ぼく、あんまりだれかに話すの、とくいじゃないんだ。……お兄ちゃんだもの」

 いつでも、一人きりで頑張ろうとしていたのは、それが自分が立っていられる理由だから。
 口にしてしまえばそこから瓦解してしまいそうで。
 話し始めるまではさらに随分時間が掛かった。どうしても、誤魔化してしまいたいように。
 黙りこくっていれば背中に隠していられるのではないかと、状況は拮抗していた。
 それがずいぶんと続いて、埒が明かなくなってしまってから、ようやく口を開いた。

「……教員棟を、さがしてみてたんだ。
 こんなにたくさんいなくなったから、一人くらいは見つかるかもしれないと思って。
 森の中にひとをかくすのは、たいへんだから、そっちじゃないかなってかんがえたんだ」
(75) redhaguki 2021/05/30(Sun) 2:33:35

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 ルヘナ
 握り返された手を取る。少し体温の高い指が、柔らかく力を込めた。

「ああ、……なんだろう。ゆるしてくれるんだなって、思ったかもしれない。
 これからのことが。いまここにいる君がどこにもいってしまわないよう。
 がんばるよ、ぼく。もうだれも、なんかいも、だれかをとられてしまったりしないよ」

 触れ合うことができるのか、不安に思っていたのは少年も同じだった。
 何も出来ず、連れて行かれるのを是としてしまった有象無象の一人に過ぎない自分を。
 また手をとってくれたことを、とてもとても大事なものだとして。
 手繰った手は、そこにある形を確かめるようにきゅうと握った。
(76) redhaguki 2021/05/30(Sun) 3:03:08

【人】 小さな心 サルガス

>>3:77 昼頃 メレフ
「そんなことは、ないよ。メレフだって、みっつしか違わないもの。
 このなかで、きみたちは忘れがちかもしれないけれど……ここにいる子は、みんなこどもなんだ」

 年長者が年少のこどもの面倒をみるような環境では、それが一つの社会になる。
 けれどもここの子供たちがどれほど功を成しても、外で一人前と見做されるのは難しい。
 店は持てないだろう。剣は勝てないだろう。屋号を受け継ぐなら家の事から始めなければ。
 ここがとても特殊な空間だということを、市井のこどもは知っている。

「うん、それで。あいている窓があったから、雨樋をのぼってのぞいてみたんだ。
 中はまっくらでよく見えなかったけど、ひとかなにかがいるみたいにみえた。
 こんなひるまに、暗くしてるのに。

 ……そしたら指をすべらせて、落ちちゃったんだ。なんとか、なったけど」

 シャツのボタンを少し動きの滞る指で外す。本当は普段の動きをするのも大変だ。
 横倒しのまま肩をはだけると、肩から胸にかけて巻かれた包帯が見えた。
 右肩から背中にかけては、薄皮一枚剝いたかのように赤と、青との入り交じる痣ができている。
 疲労骨折や気胸を危惧して、強く固定しているのだろう。
 それから、それとは関係なく。鎖骨から胸の下部までかけて、定着しきった傷が一本。
 けれどもそれ以外に目立った傷はない。転ばされ、けつまずいたものはあるかもしれないけれど。
(78) redhaguki 2021/05/30(Sun) 9:28:44
サルガスは、知らない生徒に声をかけられました。
(a87) redhaguki 2021/05/30(Sun) 14:44:53

【独】 小さな心 サルガス

 いなくなった彼らが何をされたのかは、わからない。
 けれども噂だけは漏れ伝ってきた。少年は、よく益体もない話を聞かされていたから。
 とっ捕まえて、脅しのような言葉を浴びせられながら、見ないふりの生徒の噂をされる。
 見ないふり、触れないふりをされてはいるけれど。
 それらの噂が広まるということは、口さがない人々の舌先にのぼるということ。

「そこで、みたの? うん、いいよ。しゅくだい、もっていってあげるね」

 自分を便利に使う者は多い。だからそれを逆手に取るのも、容易いことだ。
 両手いっぱいの紙束は、知らない誰かの者。その中に何があっても、みなわからない。
 だれかが彼らを罰するならば、だれかが彼らを傷つけるならば。
 自分が、自分だけが。彼らを、弟たちの如き子供たちを守らなくてはならない。
(-371) redhaguki 2021/05/30(Sun) 14:52:14
サルガスは、ひなたを抜け、日の落ちかける教員棟へと入っていきました。
(a88) redhaguki 2021/05/30(Sun) 14:52:42

小さな心 サルガスは、メモを貼った。
(a91) redhaguki 2021/05/30(Sun) 15:30:33

【独】 小さな心 サルガス

 夕刻のうちに入り込んで、そのまま空いた部屋の中にこっそりと忍び込んで。
 夜になるまで、じっとちぢこまって、待っていた。月がすっかり上がるのを。
 明かりがついて、それが消えるまで。人が寝静まってしまうまで。
 部屋に運び込んだ食べ物をいっぱい食べて、お腹がすかないようにした。
 今度は、今日は、夜まで動けるようにした。

 友達を守るため、彼らの力になるため。
 もう、一人では動かない、彼らと手をつなぐために。
その矛盾には気づいていない。

 自分が、彼らを守ろう。また、みんなで食卓を囲む明日の朝を見るために。
(-387) redhaguki 2021/05/30(Sun) 16:36:17
サルガスは、深夜の教員棟を走り出しました。
(a92) redhaguki 2021/05/30(Sun) 16:36:39

【独】 小さな心 サルガス

 暗闇の中の教員棟は、けれどもまだ明るかったり、監視の目があった。
 だから、見つからないように動くのはひどく大変で。シーツを被ってわからなくはしていたが。
 それが、一切を防ぎきれるかはわからない。泳がされているだけかもしれない。
 それでも、小さな影は探している。

「(これだけ多くの人に手を下すことができるなら、痕跡は残っているはずだ。
  それがなにかまではわからなくとも、うごめいている兆候ならば、或いは)」

 細い望みを託しながらも廊下を下って、音のない部屋を覗き込んで。
 奇妙なものを見つけはした。医療器具のようで、そうではない、いびつなもの。
 けれど。どんなに聡い子供であれど、医に長けてはあれど。
 ビルゼンの子供はその違和感をはっきりとわかってやることができない。
 それを、確かめようとしたところで。

『お前、何をしている!』

「――!」
(-405) redhaguki 2021/05/30(Sun) 18:01:09
サルガスは、深夜の教員棟で知らない大人に見つかりました。
(a97) redhaguki 2021/05/30(Sun) 18:01:59

サルガスは、走り回って逃げています。
(a98) redhaguki 2021/05/30(Sun) 18:02:15

【独】 小さな心 サルガス

 駆ける。駆ける。捕まってしまわないように。
 逃げる。逃げる。告げられてしまわないように。
 子供の足は大人には勝てないけれど、小回りは利くし、体力もある。
 それに、とくとくと高鳴る小さな心臓は、いっぱいの血を全身に送る。
 運動は、苦手ではなかった。やらせてもらえないだけだ。
 それは家でもここでも、変わらなかった。
 貴重な検体の一つであることに変わりはなかったかもしれないが、丁重には扱われた。
 それも、だれそれに比べて特別にだなんて、しっかりとした基準ではなかったけれど。

 走って、走って。袋小路に行ってしまわないよう、撒ける場所を必死で探して。
 とうとう、逃げのびきれずに棟の外までも飛び出してしまった。
 裏手の道を走って、ひとけのない広場まで出て。
 真ん中まで走ってきたところで、しかしとうとう、大人の手は届いてしまった。
(-408) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:01:30
サルガスは、大人に追いつかれてしまいました。
(a99) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:01:58

【秘】 小さな心 サルガス → 空回る思い メレフ

>>3:78
/*
ボンカレーです。お忙しいところすみません!
こちらの会話について、いかがいたしましょうか?
秘匿で継続するか、それともこちらで中断かけて終わらせた方がよろしいでしょうか?
一応方針についてだけでも、せめてお教えいただけるとありがたいです……!
(-409) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:03:49

【秘】 空回る思い メレフ → 小さな心 サルガス

/* 個人会話時間使うマンなので帰宅してパソコン前に座ったら返そうと思うておりました…!
返す順序はちゃめちゃになっており申し訳ないです!(このまま表で継続でも大丈夫ですかね…!?秘匿行った方がいいですか!?
(-412) otomizu 2021/05/30(Sun) 19:08:46

【秘】 小さな心 サルガス → 空回る思い メレフ

/*
了解です! こちらも確認入れずにほっときぱなしだったので送らせていただいた次第です!
表で20時切断ということでしょうか、こちらはそれでも大丈夫です。
了解です、よろしくおねがいします!
(-413) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:17:19

【独】 小さな心 サルガス

「いや……いやだ、いやです、やめてください!」

 大人の力には敵わない。掴まれた腕を、うまく振りほどくことも出来ない。
 必死になって振り払おうとするにも、シーツをしっかりと掴まれてどうともできない。
 そうこうしているうちに引き剥がされた白の下から、丸みのある面が顕になった。

『……お前は、中等部の……! 不審な動きがあったと聞いていたが……。
 こちらへ来なさい、先生達の元へ連れて行ってやる。
 大人に逆らい、探りを入れること。それが何を招くのかを、教えてやる!』

 獣面を表し、歪んだ優越感が手を伸べる。それから逃れるように身を捩った。
 暴れて、手をつねって、絶え絶えの息で必死に抵抗する。
 ここで捕まったら何もかもが終わってしまうということを、よくよくわかってしまっている。
 そうしたら、誰が彼らを守れるというのだろう?
 自分だけではない。多くが、信じてくれているのに。それを落胆させてしまいたくない。
 自分は、兄なのだ。このギムナジウムにおいて誰の兄でもなくても。
 見上げ、助けを求めるものがいるのに。そこでくじけてしまうことなど、許されない。
(-415) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:24:38

【人】 小さな心 サルガス

>>93 昼過ぎ メレフ
「……けれど、いちにち、いちにちと状況が変わっていくのだもの。耐えられないよ。
 メレフだって、ぼくの立場だったなら、そうするのじゃないかな。
 ぼくは……メレフになにがあったのか、知らない。話したいとおもうまで、聞かないよ。
 けれど、ぼくだったなら。やはりきみと同じように、多くに働きかけようとするだろう」

 見えないもの、聞いていないこと。互いに、秘匿していること。
 それを程度問題で比較することなどできやしないが、それでも、漠然とわかるのは。
 自身がくじけそうになっても、手折られても、自分たちは止まらないだろうということ。

「これは、ぼくの病気のほう。ほら、ここにきた子たちは、なにかしら抱えているでしょう。
 ぼくは、これ。生まれつき、心臓が人よりもずっと小さいんだって。
 だからそれを治すために、なんどか手術をしているんだ。ほかにも、投薬や検査とか。
 ……そのおかげで、むかしに言われていたよりもたくさん生きれてるのも、ほんとうなんだ」

 ギムナジウムへの不信を抱えきれてしまえない理由。
 それは、確かな成果だった。小さな体に、確かに真の意味での恩恵は果たされている。
 逆に言えば、それがなかったらもっとたやすく、不信を武器に敵意を抱えられていただろうか?
(97) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:32:28
サルガスは、ネズミのような心臓をとくとくと鳴らしている。
(a104) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:35:03

【置】 小さな心 サルガス

"明日、また明日、また明日と、
時は小きざみな足どりで一日一日を歩み、ついには歴史の最後の一瞬にたどりつく、
昨日という日はすべて愚かな人間が塵と化す死への道を照らしてきた。"

「いやだ――いやだ!」

 手を振り払う。叩き落とす。無我夢中になって、必死の力で振り払った。
 ここで捕まるわけにはいかない。いかないのだ。かれらに何もしてやれていないのに。
 連れて行かれることに怯るかれら、連れて行かれ傷ついたかれら。
 その手、その腕に、託すものひとつなしに、終わってしまいわけにはいかない。
 暴れた腕は、足は。夢中になって、大人の体を打ち払い。とうとうバランスを崩させた。
(L19) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:37:57
公開: 2021/05/30(Sun) 19:50:00

【置】 小さな心 サルガス

「、」

『あ、』

"その祈りは上天に達し、
慈悲のお耳にあらしとなって吹き荒れて、
すべての罪のお許しを。
皆みな様がよろず罪からの許しを願われるように、
ご寛容のほど願います。"
(L20) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:40:15
公開: 2021/05/30(Sun) 19:55:00

【人】 小さな心 サルガス

>>100 昼過ぎ メレフ
「……シェルタンに? ……それは、ぼくは……聞いていいこと?
 きみが、だれかに知られたくないとおもうのなら。それは、むりしなくていいんだよ。
 きみからみたらぼくはきっとちいさい年少者だろうけれど……ときどき、わがままを言っていいんだ」

 絞り出すような言い様に、単純にわかったと返すことはできなかった。
 いいかな、と一言だけ確認をとって、横顔に手を伸ばす。
 相手がそうしたように、ほとんど触れるかどうかもわからない手が、ぽんと叩いた。

「ぼくがびょうきのこどもでなければ、もっと激情のままにうごけたかもしれない。
 でも、だからって、ぼくは苦しんでいるこどもたちに、がまんしろなんて、言わないよ。
 だいじょうぶ。きみが戦うなら、ううん、きみが立ち止まっても。
 そのさきで、ぼくはまだだれかを守るために、たたかっているだろうから。

 だから、いいんだ。きみは、きみの思うように、やるべきだ。
 立ち止まってもいい。振り返ってもいい。それでも、きみは、きみだから」

 薫風は窓から薄っすらとそそぎこみ、曇天を透かした陽光が差し込む。
 転げたままの体は、言葉ほどには強かではなく、たよりないと笑ってしまえるかもしれないが。
 それでも。少年の瞳は、折れた様子ではなかった。
 触れた皮膚から、静脈から。とくとくと小動物のような鼓動が、血の流れを伝えている。

 それはまだ、多くが起こる前。昼の陽光の下の、はなしだった。
(102) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:54:08
サルガスは、知らない大人を教員用の井戸に突き落としました。
(a107) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:55:25

サルガスは、浮かび上がってくることのない体を、見えなくなるまで見つめていました。
(a108) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:55:48

サルガスは、          。
(a109) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:56:07

小さな心 サルガスは、メモを貼った。
(a111) redhaguki 2021/05/30(Sun) 19:59:20