人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

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視点:


ファリエがこっそりお散歩したようだ。

【秘】 寡黙 エミール → 白昼夢 ファリエ

「そうか……、じゃあ、この祭の間にまた」

一人ではさっさと済ませてしまう食事も、人と食べれば長くなる。
言葉少な気ではあれど、別に人間は嫌いではないし、会話が続く相手ならば楽しむこともできる。
この街に数日滞在する以上、そういう相手がいるのはありがたい。

こくりとひとつ頷いて、エールを喉に流し込む。
苦味の中に癖になる甘さが混じって、少しだけ目元の力を緩めた。

「折角だから、祭の間はアイツ達の相手もしよう」

行かなかったらはそれはそれで拗ねるヤツもいるからなと言って、運ばれてきた料理を口に運ぶ。
この店では自分たちの名前を知るものは居ないから、自分たちが祝福を受けた人間だということに気づく人はまだいない。
安心して料理を楽しむことはできるだろう。

(-0) eve_1224 2024/02/05(Mon) 21:01:18

【秘】 寡黙 エミール → 白昼夢 ファリエ

「それは……できる限りのことをするが、俺は何でも使役できるわけではない。
 今回同じ痣持ちになった冒険者達の方が強いとは思う……。
 魔獣さえ倒されてしまえば俺は無力になるからな」

テイマー一人では護衛には向かない。
そもそも、使役できるのは自分の力で使役できる魔獣のレベルの範囲内。
相手の力が上回れば簡単に魔獣を片付けてしまうだろう。
それでも興味があると言われれば、いくらでも見せはするのだけれど。

「……俺はあまり多くを望んでない。
 選ばざるを得なかったと言えばテイマーの師匠に預けられたことくらいだが、俺はこの仕事を気に入っている。
 とはいえ……外の世界も見てみたいと、一度も思わなかった……ということはないな」

色々なものに固執せず生きてきた。
何でも、簡単に手放せた。

それでも愛着を覚えた人間達が少なからずいて、それを置いて何処かに行こうと決断しなかったくらいには……今のものに固執してしまっているのかもしれない。

――幸せ。
この痣が、本当に幸せの祝福であり象徴だというのなら。
捨てずに夢を広げることもできるのだろうか。


回された手を視線で追って、小さく息をついたのだった。
(-2) eve_1224 2024/02/05(Mon) 21:02:06

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ

/*
いつもお世話になってます、こんばんは!村建てです!
教会窓からファリエさんがいなくなってしまった…………オオン…………

というわけで、現行の続きを行うようなら秘話で行って構いません!
ここが今日からおれたちの教会窓だ……
もちろん、そこそこに〆て痣発光後に時間軸を移していただいても構いません!

襲撃ロールなどあるかもですし、とりあえずファリエさんからの動きをこちらは待ちますね!
(-6) oO832mk 2024/02/05(Mon) 21:21:43

【秘】 白昼夢 ファリエ → 寡黙 エミール

「次はどこに連れて行ってくれるのか楽しみにしてますね」

テーブルに頬杖をついて微笑んだ。
その表情は相変わらず揶揄っているようであり、子供のようにはしゃいでいるようにも見えただろう。
酔いの所為か、はたまたこれが本来の性格なのか。
祭りの前の喧騒と店内の静けさの境界線のように、目に見えるパーテーションは無い。
はっきりしているのはこの時間をそれなりに楽しんでいるという事だけだ。

「ずっとはお休みできない、というより孤児院は私の家でもありますから。
 祭りの中頃には何かしてあげないと……
 あなたが相手してくれるなら孤児院の人はみんな喜ぶと思いますよ」

祭りが始まってしまえばどうなるか予想が付かない。
何事も無ければ、いつも通り。
平和な一日を過ごせるはずだった。

「ふぅん……それじゃあ護衛はともかく、曲芸だとか?子供は絶対喜びますって」

純粋な自身の力ではなく、限界もあるということらしい。
一般人のファリエにしてみればあなたも十分に力のある者に見えるけれど、きっとそれだけ世界は広いということなのだろう。
であれば、一般人にも分かりやすいやり方で見せてくれれば十分だった。
(-18) shionsou 2024/02/05(Mon) 22:53:35

【秘】 白昼夢 ファリエ → 寡黙 エミール

「それは現状にある程度満たされてるから?
 それとも謙虚さ?清貧さ?」

大きなため息を吐いた。
自分で頼んだ手のひらサイズの焼き菓子を口に放り込み咀嚼してから。

「……なんだってすごいなあ。
 私なんて一度思っちゃったら、思ったことがあるで済ませられませんよ」

頬杖が次第に崩れる。ぱらぱらと垂れた髪が女の顔を遮ってしまう頃には、ほとんどうつ伏せのような状態だった。
女はそんな風には生きられない。
チャンスがあったら掴みたいと思うし、それが何かを犠牲にしなければならないとしたら天秤にかける。
その過程で負った傷はいつか幸せという薬が治してくれると信じて、手を伸ばす。
──振り返れない。

「でも悪い事じゃないでしょ。
 誰だって幸せはエゴなんだから────」


程なくして寝息に近い呼吸音が聞こえ始める前に零した言葉はあなたに届いたかどうか。
この日の食事会はそのまま、あなたになんとか送り届けてもらって幕を下ろしたことだろう。
(-19) shionsou 2024/02/05(Mon) 22:56:36

【墓】 白昼夢 ファリエ

「え……と」


街中で当然のように湧いてくる野次馬たちをほうぼうの体で抜け出す。

「すいません。あの……ありがとうございます」
「でも、できれば私なんかよりも──」


「聖女様を祀ってあげてください。
 私じゃなくて彼女のためのお祭りですから」


落ち着いて息を吐けたのは郊外まで逃げてきた頃だった。
(+2) shionsou 2024/02/05(Mon) 23:04:00
ファリエは、直に確認できないうなじに、知っている気配を感じる。
(c0) shionsou 2024/02/05(Mon) 23:06:38

ファリエは、泣くことも怒る事も喜ぶこともできずに手を当てて人気のない路地裏で蹲っていた。
(c1) shionsou 2024/02/05(Mon) 23:06:50

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

/*お疲れ様です。もちだるまです。

無事に墓落ちしましたが、襲撃ロール等は予定されていますか?
特に無ければ処刑と同様にこちらで処理をすることも可能ですし、簡単に経緯をお聞きしてそれを踏まえてロールしていくことも可能です。
今後のロール方針を決めるのにできればどんな状況かだけ決められたらと思っているので、そちらのキャパに合わせて連絡いただけると幸いです。
(-20) shionsou 2024/02/05(Mon) 23:19:00

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

/*お疲れ様です。マルマルパです。

無事、襲撃が完了できたようで安心しております。

ファリエさんが宜しければ襲撃ロールをしたいなと考えておりました。
とはいえ然程暴力的な行動で光らせるのではなく、特別なお薬を食事や飲み物に混入させるなどという形で痣を光らせる、というような行動を想定しており、そういった流れで痣を光らせる経緯を作れたらと考えております。
(-23) eiya 2024/02/05(Mon) 23:38:01

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

/*なるほど!それではプロローグで聞いた話もありますし、自分の痣が変になっていないかを聞いたり予防の薬なんかを出してもらった……みたいな流れが自然かもしれません。

ファリエは一般人なので、痣について詳しいだとか、薬の専門的な話だとか言われると、一切知識がなく不安も強いため簡単に騙されるでしょう。
(-26) shionsou 2024/02/05(Mon) 23:51:53

【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ

/*
こちら楽しませてもらっております。もちだるまです。
せいじょさま〜ファリエとおいところにきちゃった……

連絡もした通りちょうどキリもいいなと思ったので、痣が光った後の時間軸でお話ししようと思います。
特に目立った外傷とかはなく、特別なお薬のようなもので光ることになりそうなので、外見上は特に変わりないようです。

何か次の約束をしていなければこちらから呼び出すようになるでしょうか。
その場合はいつものように夜になりますか?
(-27) shionsou 2024/02/05(Mon) 23:57:19

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>6 エミール

「ひっ」


それは文字通り飛び跳ねたように、肩に触れたあなたの手に反応した。
手を離してなおその肩は小刻みに震え、爛々と輝く痣だけが女の意思と反して確かな存在感を放っている。
しかし振り返って薄暗い光の中あなたの顔を確かめれば幾分穏やかになったようだ。

「……エミール。どうしてここに?」
「ああ、いえ。そうでした。今日は面倒を見に来てくれる日でしたっけ……私ったらうっかり忘れちゃって」
(+3) shionsou 2024/02/06(Tue) 0:05:44

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

/*
お薬の処方、とても良いですね。
特に痣の状態については興味がある、という素振りも見せていましたし、立場的にも自然な形で「ご体調はどうでしょう」「痣に変化はありませんか」という風に気にかけて近づくことも容易ではあるので、そういった面でも近づきやすいですね。
痣は自分の身体にも浮かんでいるものですし、薬を取り扱う者として「試薬を作りました」ということも容易なので、そういった形でお薬を処方して、光るまでの流れを作れたらと思います。
(-28) eiya 2024/02/06(Tue) 0:06:05

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

/*具体的な部分はアドリブで合わせるので全部お任せします。
ファリエは祭り期間中は一人で街中を歩いていることもあったので昼間ならいつでも構いません。こちらから探すことは無さそうなのでそちらから声をかける形で始めて頂けたらと思います!
(-31) shionsou 2024/02/06(Tue) 0:53:41

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>7 エミール

「……こっち」

交わした視線に数度瞬いて頷く。
普段の落ち着いた在り様が嘘のようなか細い声で、路地を抜けた先を指さす。
そこは郊外とはいえ都市部でありながら建物隙間に開けた空き地。元は建物があったのだろうか。辺りには大小の瓦礫が置き去りにされている。
辿り着いて天を仰げば、まるで空だけを切り抜いたような光景が目に映るだろう。

「ここなら滅多に誰も来ません。
 いつも落ち着いて考え事がしたい時はここに来るんです」

多少喋れるようにはなったようだが、とても子供の前に立てるような状態ではないのは明白だった。
適当な瓦礫に腰を下ろして暫し黙っていた。
何かを離そうとする様子もなく、ただ喘ぐように呼吸を繰り返しているだけの沈黙。
(+4) shionsou 2024/02/06(Tue) 1:04:58

【独】 白昼夢 ファリエ

/*今回こそは守ってあげたくなるひ弱な存在できていませんか?どうだ?
急に覚悟決まったりしたらどうする?
そしたら対面(誰?)の胸倉をつかむしか…………………………
(-32) shionsou 2024/02/06(Tue) 1:12:00

【独】 白昼夢 ファリエ

/*ていうか聖女許せねぇよ 
聖女許せね〜〜〜〜〜

何が純真無垢だよ もっと無邪気であってほしかったよ
この世界作ったんならもっと自由奔放に邪悪になって♡うそ平和にしあわせになってほしいよ……(情緒不安定)
(-33) shionsou 2024/02/06(Tue) 1:14:02

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>9 エミール

手を差し出されれば、初めて人間を見た野生動物のような手つきでおっかなびっくりあなたの手を取った。
寒空に冷えた手。赤切れもいくらか目立つかさついた手。
黙って柔く繋いだまま二人だけの足跡が、時が止まったような静寂を覚ましながら。
目的地に着くとそっと離れていっただろう。

「…………怖い、なのかな。
 ああやって聖女聖女って熱狂する人たちが怖いのはそうなんだけど」

もうあなたに触れられても拒絶されることもなく、されるがまま。
己の記憶と結びつく嫌なものではあった。
ぐるぐると思考が行ったり来たりするうち、別の気がかりに気づいた。

「どうして私なんだろうって。そっちの方が強いかもしれません。
 この痣が祝福のあかしだって未だに信じられなくて」

呟いた言葉にたっぷり時間かけて口を開いた。
零れる言葉は曖昧に遠回り。
殆どが独り言で石畳の隙間に浸み込んでも構わない雰囲気だった。

「……罰なんでしょうかね。
 自分勝手な愚か者への、おしおき」
(+5) shionsou 2024/02/06(Tue) 9:09:39

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ

/*
お疲れ様です〜〜!
そう、そうですね……夜かも。
夜じゃなくても、ファリエさんがひとりなら現れてもおかしくはないです!

呼び出すことに違和感とかもしあれば、1人で出歩いているロールを送り付けてもらえればそこに現れます!
ので、よしなに……よしなに……!
(-49) oO832mk 2024/02/06(Tue) 15:31:14

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

/*承知いたしました。
それではこちらからロールを投げさせていただきますので、よろしくお願いいたします!
(-50) eiya 2024/02/06(Tue) 15:58:39

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

「……ひとが、おおい」

店をあけているのか、大きめの袋を持ちながら人を探していた。
昼間ということもありどこに行くにも人が行き交い、楽しそうな声が降ってくる。
……そんな中、同じ痣の持ち主を見つけようとしていた。
人を避けていたか、紛れていたか、休んでいたか。ともあれ自分はあなたを認識するとまっすぐ訪ねに向かう。年上の人だけど、シンパシーを感じていた人だ。

「……ごきげんよう、ええっと、ファリエさん」
(-51) eiya 2024/02/06(Tue) 16:04:57

【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ

/*OK!では夜に散歩しようと思います!
よろしくおねがいします〜!
(-53) shionsou 2024/02/06(Tue) 18:08:55

【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ

──しゃく。
一人分の足音はいつもの石畳と違う柔らかい土の音。
女が歩いているのはルフトの外だった。

散歩というには随分と遠出だが、今日はもっと遠くに行きたかった。
夜更けともなれば、人どころか動物も見かけない。
痣がぼうと角灯のように光り続けているから、歩くにはあまり困らなかった。
それに街よりもずっと広い星空が導いてくれる気もした。

まるで世界にひとりきり。終幕のないモノローグ。
(-54) shionsou 2024/02/06(Tue) 18:17:14

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

「私ですか?」

女は喧騒の中でもあなたの声に気づいて振り向く。
昼下がりに小休憩にでもと良さげな場所を見繕っていた時だった。

「アンジュさんでしたね。
 その荷物、もしかして祭りで出店でもされているんですか?」

教会で会った痣持ちのひとり。
数日前の事で、言葉も交わした相手だから覚えていた。
(-56) shionsou 2024/02/06(Tue) 18:21:46

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>12 エミール

「そう見えたのなら、きっとそれも本当なんだと思います。
 誰にも会いたくなかったからここまで逃げてきたんですよ、私」

それもあなたに見つかってしまったのだけれど。
幼い頃から他人に触れられることも本当はあまり得意ではなかった。

かと言って我慢している風には見えない。
宥められて落ち着いたのだろう。
祭り前の時と同じで、あなたにはある程度気を許しているから。

「あなたに言っても仕方ないですよね。ごめんなさい。
 もしかしたら私が思うほどこの痣も特別なのかもしれませんし。
 あーあ。私も街の人達みたいにはしゃげたらなあ」

その訳も分からないたったひとつの痣に翻弄されている事実もまた、心を揺さぶる。
この世界には不思議なことが溢れているのが当たり前で。
冒険者だったら違ったのか。幸せになれたのか。
……分からない。今は考えたくない。

「相応しいかどうかなんて。はあ……聖女様が全部わかってたら教えて欲しいですよ。
 でもエミールはまだなんですよね?
 頑張って──って言うのが正解じゃない気もしますけど、気を付けてください」
(+6) shionsou 2024/02/06(Tue) 19:49:10

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


―――ふわり、

そう、いつものように音もなく。
夜闇にも輝く白銀の髪を寒空の下揺らし。

 「 ………… 」

開きかけた口が、一度閉じる。
そっと瞠目ののち、不意に視線を上げた。

(-59) oO832mk 2024/02/06(Tue) 21:16:56

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


「 ファリエ 、こんばんは! 」

変わらない
無邪気そうな笑み。
あなたの周りを、空気を混ぜるみたいにくるくる回る。

あなたは世界にひとりじゃない。
少なくともあなたを世界にひとりにはしたくない。
その思いと、自分が聖女元凶であることは矛盾しない。
それは昔から―――こうなった、今も。

だから、聖女はいつも通り。
無邪気そう
な笑みを浮かべている。


(-60) oO832mk 2024/02/06(Tue) 21:17:25

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

「はい、メインストリートで薬と……お花のアクセを売っています。
 花冠とか……」

いそいそと袋から花で編まれた冠を取り出して見せた。雪の結晶を模した花や葉が綿密に編まれている。

「必要な常備薬や緊急の薬が入り用になったら、私がすぐに駆けつけますので……。
 嗚呼……いえ、宣伝はほどほどにしないと。
 歩き売りをしながら見つけられれば良いなと思っていたんです。同じ痣持ちの方にご用がありまして」
(-63) eiya 2024/02/06(Tue) 21:37:08

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>14 エミール

「……別に」

それ以上どうとも言わないけれど、あなたの謝罪だけ否定しておきたかった様子。
その姿は孤児院で子供の面倒を見るあなたの姿そのもので、それを悪い事とは言いたくなかった。

「どうして、でしょうね。
 おめでたい事のはずなんですけど。
 そう言ってもらえると気が楽ですね。この世界で仲間外れじゃないみたい」

浮かぶ苦笑は煮え切らない自身に対して。
口が達者でないあなたにここまで気を遣わせているのも痛いほど伝わってきたから。

「どうかあなたは私みたいにならないでください」

決して言葉にはしないだろうけれど。
あなたは生きることを悲観していないと思うからこそ。
祝福を祝福として受け取れる結末を迎えてほしかった。
(+7) shionsou 2024/02/06(Tue) 23:53:48

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

「わ。綺麗……後日見に行かせてもらいますね。
 あんまり予算に余裕はありませんけど……記念に」

ラインナップに目移りしながら嘆息。
見ての通りファリエはアクセサリーなどは一切身に着けていない。
祭りだというのにこの様子。
そういう物を買いそろえるのは滅多にどころか、皆無なのかもしれないと想像できるだろう。

「ああ、用って私個人じゃなくて痣だったんですね。
 ちょっと納得。どうしたんですか?」
「と言っても私に答えられる事なんて殆どありませんよ……?」
(-72) shionsou 2024/02/07(Wed) 0:07:01

【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ

「あ………………こんなとこまで来るんだ」


ルフトから離れる意味はあまり無かったようだ。
音もない気配に
気づいてしまう

一人きりで感覚を遮断しているような今でも。
言葉に詰まる。咄嗟に動いたのは手でうなじの光を覆うように手を回す。
不自然な格好で歪に笑顔を作ろうとした。
(-75) shionsou 2024/02/07(Wed) 0:28:13

【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ

「こんばんは。ご機嫌だね。
 お祭りを一緒に回ったの楽しかったから?」

あのデートは終始はしゃぎ回るあなたを連れ立って、絶対一人では行かないような出店や催しを梯子した。
聖女にまつわる物や話は、あなたの言った通り偽物も多かったようだけれど。
そんな裏話も楽しくて。
何よりあなたが楽しそうにしているのは見ていて悪い気はしなかった。あの時は、まだ。

「それとももっといい事があった?」

会話らしい言葉を吐く。
あなたに混ぜ返される空気は、抑えていた胸中の揺らぎを乱す。
聖女様。聖女様。あの声が耳に残っている。
ぐるぐる。頭の中を回って目が回りそう。
だから、あなたが押しとどめた何かを察する余裕もなかった。
(-76) shionsou 2024/02/07(Wed) 0:29:45

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

「薬以外に売るものを急いで作ろうとした物なので、お安いし、割引しますので」

薬に関しては品質をわざとバラけさせることで熟練から初心者まで幅広く対応するものを売っているが、こうしたアクセは加減もまだ分からないのでお試し価格で統一されている。記念品価格にするのも忍びないということもあり。
祭りに浮かれている人々と違って、きっと常通りの自然な姿なのかもしれない。それ自体は己もそう変わらないけど。跳ね上がるのは価格だけで、心構えは常通り。

「防腐処理もしているので……お部屋のインテリアにも使えるので」

苦笑しながら、そうですね……と一つ間を置いてから。

「気にさわったらごめんなさい。
 えっとですね、痣が光るあとと前で変化が訪れる……一種の病気なんじゃないかというお話を耳にしまして。
 そのあとのメンタルや体調のケアができればと思っていたんですが……体に作用するものなら、不活性化するものを作れば予防できるのではないかと思いまして。
 自分でも飲んでみたんですが、特に活性化する様子は今のところなくて……ほかの被験者のデータがあると嬉しいな、と思いまして」

荷物からまた別の、厳重な箱に入ったそれを慎重に取り出す。
配合したてなのか、白い粉薬らしき包みをそっと、他の人たちから隠すように見せる。

「お祭りで聖女様を信仰する立場の多い中で疑る真似をしたくはありませんが……よければ手伝ってほしいのです。なにか救われるものがあるかも、しれないので」
(-84) eiya 2024/02/07(Wed) 10:09:04

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

「ふふっ。なんだか盛りだくさんですね。
 じゃあ子供達が喜びそうだったら買いますよ。
 それだったら私のポケットマネーじゃなくて孤児院のお金も使えるから、色々手が届くようになるかもしれません」

さすが店を構えるだけあって謳い文句はひと揃い。
そこまで言われたら前向きに検討をし始める。そういう性格。
どこかしら女も祭りの空気にあてられて気が緩んでいるのも一押ししていた。

「はあ……」

世間話はさておき。
説明を聞いて、受け取った粉をてのひらに包んで、それから首を傾げた。
正直きちんと理解できた気がしない。

「……この痣が病気かもしれないって話は本当だったんですか?
 これがその病気に効く、かもしれない薬?」

整理するように聞き返す。
今のところ確かに大きな不安はあったものの、特別変わったことは自覚していない。
そのための薬、と言われてもピンとこないのは仕方なく。
しかしこれが
祝福の証
ではないという説にはどこか信じたくなる気持ちがあるのも事実だった。

「協力するのは構いませんが、まだ試験段階ということでしたら……その副作用とか。
 その辺りは大丈夫なのでしょうか?」

薬なんて滅多に買うことがない女は分からないことそのものが懸念らしい。
(-97) shionsou 2024/02/07(Wed) 20:49:13

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>17 エミール

「あなたでもやっぱり気にするんですね」

そこは同じ痣持ちということだろうか。
女は自分以外の事情は知らないから推測することしかできない。
ただ、あなたから聞いたように同じような反応をする者が居たのだとしたら共通点のひとつやふたつあって然るべきだ。
それが何なのかすぐには思いつかなくて、親近感と諦観の息を吐いた。

「……祭りの後、ですか。
 もしかして私をどこか、此処じゃない場所に連れ出してくれるんですか?
 どうしたんですか急に。買い出しの序でに食事をするのとは訳が違いますよ」

粗方吐き出して多少なりとも胸のつかえがとれてきたと感じて気を抜いていたから、あなたの提案にはっと顔をあげた。
きょとんと瞳をまあるくして、じっと見つめる。
あまりに突拍子が無くて思わず勘繰ってしまうのだ。

「旅行の供には面白みのない女ですが」
(+8) shionsou 2024/02/07(Wed) 21:04:49

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

「ふへへ。子供のさじ加減となると難しいですが……女の子がいれば気に入って頂けるかと。
 こういうのを大事にしてくれそうな子であれば、せっせと編んで作った甲斐もありますから」

利点を見出し、付け入る隙を見つけて、妥協点を提示する。
商売人になってからこういう話をする機会はぐっと増えた。話しやすい相手、というのもあるけれど。

「本当かどうかはまだ分かりません。ですが一種の予防効果は期待できるものとして踏んでいます。
 痣が光る要因が祝福という名の病、ないしある種の呪いのようなものと仮定した場合、それらを阻害する方法で乗り切ることが出来ると考えています。
 対呪、対魔に効く効能の薬と、それに体に活力を与える数種の薬草を混ぜた上で調整しています。
 本来であれば光った後の予後処理さえ行えば手間はかからないのですが……こうして事前に予防策を練れば、皆さんが余計に辛い思いをしなくて済みますから」

そうして副作用とか、と口にされると。

「少し体温が上がったり、疲労感は出てくるかと。ただ一晩寝れば副作用は感じなくなるかと。
 ……お代はいりませんし、よければこの花冠も差し上げますので……。
 皆さんを救う手助けをしてくださいませんか」

あなたに花冠を差し出しながら、勢いよく頭を下げる。
(-98) eiya 2024/02/07(Wed) 21:10:33

【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ

「どうでしょう。やんちゃな子が多いから壊さないようにちゃんと言っておかないとですね」

当然商人とのやり取りなんて不慣れもいいところ。
それはもちろんこの薬についても同じで。

「ええと……うーん……」

花冠まで差し出されて頭まで下げられている。
どうしたらいいのか分からない。
何かを自分で選べることは数えるほどしか無かった。
だから選ぶのは苦手だ。
選べないことはある意味で身を任せるだけで済むという楽さがあるのを感じずにはいられない。

「あの、頭をあげてください。そこまでしてもらうような人間じゃありませんよ。
 でも……こんな私でもみんなの救いの手助けができるなら」

質問の回答を聞いてもやっぱり分からないままな部分の方が多いけれど。
女にとっては一つの結論を下せたようだ。

「分かりました。もしかしたらその為に選ばれたのかもしれませんし」

その為なら耐えられるものだと、判断した。
どうして一般人の取柄もない人間が祝福など受けようか。
あなたから与えられた分かりやすい餌はとても魅力的に映ったに違いない。

「使い方はこれを飲むだけで良いんですか?」
(-99) shionsou 2024/02/07(Wed) 21:47:45

【墓】 白昼夢 ファリエ

>>19 エミール

「そんなことは……別に思ってませんよ。
 私に比べて随分と落ち着いているから、違うんじゃないかって思っただけです」

口をとがらせてそっぽを向いた。
ばつが悪そうに足元の小石を蹴り飛ばしてみたり。
まるで立場が逆転してしまったみたいでそれ以上強く出ることもできなかった。

ちょっ!
ちょっと!ねえ、揶揄ってますか!?
 さっきまで私、慰められてましたよね?」

意地の悪い顔だとぼやいている内に湿り気はどこかに攫われていったような気がした。

「風向きが変わったってこと?
 今までずっと田舎に引きこもってたくせに……説明不足ですよ。
 心境の変化にしてもやっぱり急ですって。
 ちゃんと教えてください。じゃないと私行きませんからね」
(+9) shionsou 2024/02/07(Wed) 22:30:55

【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ

「あ、ありがとうございます……! これで皆さんを救うことができます!」

ぱっと顔を上げると、泣きそうな程の勢いで眼を潤ませていた。
――選択を迫る際、泣き落としや懇願、脅迫も含めて、事実上の選択肢を一つに絞らせる手法は数多くある。
「いいえ」と言われたらそれまでではあるものの、あなたは真摯に話を聞いてくれて、一笑したりはぐらかしもせず受け止めてくれた。
……なればこそ、あなた以外に適任はいない。

「いいえ、あなたはとても立派な人です。私を笑わず受け止めて下さったんですから。
 これもまたお導きなのでしょうか。本当にありがとうございます!」

同じくただの一般の人間で、こんな幼い自分がなぜ選ばれたのか。
こうして猛進し、薬を作るためだったのだと再認識する。それが認められたことが嬉しくて、縋るようにまた頭を垂れた。

「はい、この薬を飲むと効果が表れます。最初は熱っぽい感覚が来ると思いますけど……すぐに良くなりますから。お祭りの参加に支障は出ませんので」
(-100) eiya 2024/02/07(Wed) 22:44:51

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


ここが聖女の創った世界である限り、聖女はどこにだって現れる。
聖女がただルフトの守り神であったなら、その限りではなかったろうに。
でも、守り神なんかでは、なかったから。


うなじを覆うその姿を見て、聖女はゆるやかに目を細めた。
本当に、自然な笑みで。
その自然さは異質と受け取られても不自然ないのだが。
努めてそう振る舞う聖女はそんなことすら
わからない


(-135) oO832mk 2024/02/08(Thu) 20:38:49

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ


「 ふふ、ごきげん! そう見えるかしら!
  だとしたら、ええ。
  "ファリエお姉ちゃん"の、おかげかしら? 」

静かで、ささやくようで。
それでもどこか子供みたいな声で笑う。
聖女にとってもあの日は本当に楽しい一日だった。
  これが最後でいいって、本当に思っていた。


「 本当に楽しかったのよ。
  だから―――」

(-136) oO832mk 2024/02/08(Thu) 20:40:29

【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ

だから、聖女は。
あなたもきっと楽しんでくれたと思ったから。
それを思い出してもらいたくて。……嫌なことを考えなくても、いいように。



「 
ないわ
! 」

「 もっといいこと、なんて! 」



そう、努めたのだ。
明るい笑顔で。そして、無邪気そうな子供のこえで。

(-137) oO832mk 2024/02/08(Thu) 20:43:26
 




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