![]() | 【独】 清掃員 カミクズどぼん、大きな飛沫が上がって。 ごぼごぼと、耳障りなあぶくの音。 ほんの一瞬、背に感じた温度と、水面の明かりが遠くなっていく。 ──入水自殺。 水死体は水に浮く。ありさまもひどいもの。 ああ、見苦しい姿を晒さないといいな、なんて思って。 それから。 (-90) unforg00 2022/03/06(Sun) 3:03:16 |
![]() | 【独】 清掃員 カミクズ──寒いな、と思った。 多分、冷たい水が体温を奪っていく、せいで。 ああ、でも、これは。 多分、寂しいのだろうな、とも、思って。 ごぼり、また一つあぶくが水面へ昇っていく。 肺が必死に命を繋ごうとしても、流れ込むのは水ばかり。 (-91) unforg00 2022/03/06(Sun) 3:12:24 |
![]() | 【独】 清掃員 カミクズ息ができない。 怖い。 でも、泣いている事を知られずに済むのは、 怖い。 死ぬのは、怖い。 でもこれは、自分が望んだ最期、でもあって、 嫌だ。 意識が暗く沈んでいく。 怖い、怖い怖い怖い!!! せめてここでの時間が、 どうかきみにとって決して辛いばかりのものでないように、 どうして、 (-92) unforg00 2022/03/06(Sun) 3:31:01 |
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カミクズは、落ちて、落ちて、落ちて… (c14) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:23:49 |
カミクズは、手向けでなく、贈られた花と共に。 (c15) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:23:56 |
カミクズは、ゆっくりと広がる赤に沈む。 (c16) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:24:11 |
![]() | 【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ──運が良ければ、なんて事は無い。 これはきっと、多分、きみの 不運 なのだろう。投身自殺の成功率は低い、という話を知っているだろうか。 人体というものは脆いくせに柔軟で、 ちょっとやそっとの高さから落ちた程度では死にきれない。 大抵の場合、即死はできない。 もっとも、当たりどころが悪くなければ、の話。 ゆっくりと赤が広がっていく。 でも、まだ生きている。 不運かそれとも躊躇いか、慈悲の重みは狙いを外したようだった。 当たりどころは、良くも悪くもない。 放っておけば確実に死に至るだろうけれど、 この合議が終わるまでの間、命を繋ぐくらいなら。 まだ間に合うのではないかと思えるだけの。 もう一つだけの岐路、選択の余地が、そこにある。 静かに死を見守るも、生を拾い上げるも、今はきみの自由だ。 だって、上葛掃守という人間は。 いつだってきみの意思を、選択を責めはしなかったでしょう。 (-102) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:25:54 |
カミクズは、きみが望むなら、それでよくて。 (c17) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:46:41 |
カミクズは、でも、きみの望まない事はしたくないな、と思う。 (c18) unforg00 2022/03/06(Sun) 9:47:53 |
![]() | 【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワほんの一瞬だと思っていた浮遊感は、思っていたより長く続いて。 その後に訪れたものは、水の冷たさではなかった。 人体が地面に叩き付けられる、鈍い音。 自分が、今、どうなっているのかわからない。 視界がちかちかとして、上手に息ができなくて、手足が冷たくて。 全身を苛む激痛と、 じわりじわりと命が流れ出ていく感覚だけが鮮明だった。 ただそれだけが熱を持っていた。 それで。 今になって、迫る死を、これまでよりもずっと近くに感じて、 怖いな、と思って。 痛くて、 寒くて、 寂しくて、 怖くて、怖くて、怖くて、怖くて仕方なかった。 (-124) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:17:52 |
![]() | 【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワだから、そこに聞こえた足音と、それから。 この場所で、唯一自分を名前で呼ぶ人の声に。 ほんの少し、どころじゃなく安心した自分が居て。 ──曰く、死ぬ時に、最後まで残っているのは聴覚なのだと。 そんな話を、ふと思い出したりなんかして。 ああ、あれは案外本当なのかもしれないな、と思った。 けど、同時に。 泣いているの、ばれてしまったかな、とも思って。 何かが頬を濡らす感覚に、それもおあいこだといいな、と思った。 (-125) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:18:21 |
カミクズは、手を伸ばしたくて、でも、届かなくて。 (c19) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:18:37 |
カミクズは、その涙に触れられなかった。 (c20) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:18:44 |
![]() | 【秘】 きみだけの カミクズ → 不運 フカワそれから。 霞む視界の中、影が差したのを、感じて。 また一つ、鈍い音が響いて。 目の前が 真赤に染まって、 それきり、意識はまっくらな眠りに落ちていった。 ──ねえ、邦幸さん。笑わないで聞いてくださいね。 僕、あんなに記憶転移があって欲しいと思っていたのに。 今では少し、あったらいやだなと思うんです。 きみへのこの思いが、他の誰かのものになってしまうのは。 それは…あはは、やっぱり、少しどころじゃなくいやだ、な。 …ね、本当に、おかしな話ですよね…… (-126) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:03 |
カミクズは、その夜、いっとう深い眠りに就いた。 (c21) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:24 |
カミクズは、きみのくれた、誰かの死を悼む花と、 真っ赤な花 を抱いて。 (c22) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:36 |
カミクズは、それに、大好きなきみが傍に居てくれたから。 (c23) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:46 |
カミクズは、眠りに就くのは少し怖かったけれど。 (c24) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:51 |
カミクズは、その夜も、ちっとも寂しくはなかった。 (c25) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:20:57 |
カミクズは、普川邦幸の傍に居る。これからもずっと。 (c26) unforg00 2022/03/06(Sun) 15:21:08 |
の名残 カミクズは、メモを貼った。 ![]() (c29) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:25:43 |
カミクズは、もう下手くそな笑顔を見せる事は無い。 (c30) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:04 |
カミクズは、その顔は傷付けられて、見る影もないけれど。 (c31) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:13 |
カミクズは、目も口もただ閉じられて、笑みの形でこそ、ないけれど。 (c32) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:22 |
カミクズは、きっと、だからこそ表情は穏やかなものだった。 (c33) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:28 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → ユス『ああ、ユスさん』 『大丈夫ですよ。 ちょっと外せない用事があって、行けなくて。 今日の話し合い、皆さんどうしてましたか?』 なんて。 今も端末の向こうに清掃員が居たら、 きっとそんなふうに返したんだろうな。 でも、そこに清掃員はもう、居ないから。 確かにそこにあった、暖かかった時間の、優しかった時間の その名残を残すばかりのものになってしまったから。 その連絡に、返事が返ってくる事はなかった。 たとえ責任が取れずとも気にはする男の、珍しい無責任だった。 そして多分、端末で調べても、現在地はわからないんだろうな。 清掃員の行方を知っているのは、ただ一人だけ。 あなたに思い当たる節があるかは、なんとも言えないな。 (-199) unforg00 2022/03/06(Sun) 23:52:48 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 美術 エノその日の話し合いの裏、落ちていく意識の中。 ──ああ、死ぬのだろうな、と思って。 それから、きみに言われた言葉を思い出して。 やっぱり悲しませてしまうかな、なんて罪悪感が蘇って。 それでも、きみには生きて欲しいな、と思った。 その未来をこの目で見る事は叶わないけれど。 それは、ある種の呪いになってしまうとわかっているけれど。 重荷を背負って生きる事は、苦痛を伴うと知っているけれど。 話し合いの様子を、知っていたわけではないけど。 『絵乃さん』 『僕はずっと、きみに生きていて欲しいと思っていたんですよ』 『だから』 『きみが生きていたいと願うなら、 僕は、きみの友人は、それが叶う事を願っています』 でも、それでも、そう願う事は。 友達の無事を、幸せを願うのは、それこそ普通の事でしょう? そんな、ちょっとずるいメッセージは、確かに送信された。 だから、どうか、どうか。 これ以上、大嫌いなこの制度に、 僕が生きて欲しいと思った人が、奪われてしまいませんように。 (-221) unforg00 2022/03/07(Mon) 3:10:55 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ死者は、何も語らない。 息絶えた時そのままの姿で、ただそこにある。 温室を初めて訪れても感嘆の声を上げる事は無いし、 穴を掘るきみの背に、 手伝いましょうか、なんて声を掛ける事も無いし 虚しく響く独り言に、相槌を打つ事も無い。 ただ、確かな死の気配を纏って横たわっている、だけ。 それがあるべき姿だった。 (-222) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:16:12 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワそんな中、不意に。 「 ん っ い」 乾いた唇が、ほんの少しだけ動いて、それから。 「 ── ─ぜんぜ んわ かって ない! !!」あるべき形に抗って、 死者は今一度重たい目蓋を上げて、泥濘の眠りを振り払った。 夥しい血に塗れた人間がゆっくりと身を起こす光景は、 きっとホラー映画も斯くやの凄絶なありさまだったんだろうな。 それが誰にとってのホラーかなんて、わかりやしないけど。 (-223) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:21:14 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「僕は」 「 一人は いやだ って、いったの に」「 埋めるだ とか、火葬だと か」そんな言葉の勢いも徐々に弱まって、 最後には項垂れて、もう何も濡らす事の無い涙を零した。 「おいていかないでよ……」 取り巻くもの全てがどうしようもない寂しさを掻き立てる。 これじゃあまるで、自分はもうここに居ないみたいじゃないか。 もう、きみの傍に、居られないみたいじゃないか。 (-224) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:21:54 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ涙を拭って、顔を上げて。 一つ深く息をすれば、耳障りな音がした。 息をするだけで億劫だ。骨が折れて、肺を傷付けているから。 「手放したのはきみだ」 それでも、確かな声で事実を突き付けた。 ああでも勘違いしないで欲しいのは、 きみの言う事も事実の一つだと、そう思っている事。 「確かに僕はきみを置いていく事を選びましたね。 きみが誰かを失う事の痛みを知る事ができるように。 そんなどこまでも独善的な理由で。 …ああ、でも、結局寂しさも何もわからなかったんですね。 そうだとしたら悲しいな……でも」 悲鳴を上げる身体を引き摺って。 背を向けたままのきみに歩み寄って、その表情を覗き込んだ。 「 本当にそう思ってる? 」もし仮に、本当に何も感じていないのだとしたら。 この死者と向き合う事から逃げる必要なんて無いでしょう。 (-226) unforg00 2022/03/07(Mon) 5:28:57 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ濡れた頬に触れようとして、でも。 確かに伸ばした手はそれをすり抜けてしまった。 いつもいつも、触れられなくなってから涙を見るなんて、 「ひどい話ですよ」 心底残酷な話だと、吐き出す息に乗せて呟いた。 下手くそな笑みの影も形もない顔で。 「…勘違い、しないで欲しいのは」 また一つ、肺を傷付けながら息をする。 本当は呼吸なんてしない方が楽だ。 声を出す為にしているだけで、もう必要の無いものだ。 それでもきみに伝えたいからそうするのだ。 「こうして終わりの先をまだ続けているのは、 僕の意思で、僕が望んでそうしたことです」 「きみのくれた終わりは、死の眠りは確かに心地良かった。 痛みも苦しみも全て遠い事のようで、何も考えなくてよかった。 でも、その中ではできない、得られないものがあった。 だからこうして這い出して来た、たったそれだけです」 「今のきみに何もしてあげられないことが、一番寂しい事だから。 きみが泣いている時に傍に居られないなら、 手の掛からない死人で居る事なんかやめてやる」 「埋める死体は、もうありませんよ」 (-245) unforg00 2022/03/07(Mon) 13:36:42 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「馬鹿な人」 なんて言いはするけれど、詰るような響きではなくて。 ああ、そうだ。 以前きみの事を困った人だと言った時。 あの時のニュアンスに、よく似ているんだろうな。 少し困ったようで、でも可愛くて仕方ないような、そんな感じ。 「それって謝るような事ですか」 「それって、誰かに許されなきゃならないような事ですか」 「一歩を踏み出せなかった事は、」 「信じられなかったのはきみの責任ですか?」 「違う、違う、違う」 「 僕達は許されるような事なんてしていない 」無い罪を許される必要はない。 (-265) unforg00 2022/03/07(Mon) 15:10:55 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「ここだけの話ですけどね、邦幸さん。 僕と絵乃さんは、最初からずっと同じ方を見てたんです」 ここには居ない誰か。 淡い望みを断ち切って、泣かせてしまった人。 理解者ではなく、友人として別れを告げた人。 「生きていて良かったと思えるような事は何もなかった。 ここで何かを得て、幸せなまま死ねるならそれがいい。 生きている内にその幸せを失わない保証は無いから。 僕達はそんな所ばかりが同じだった」 歩んできた人生はまったく違うけれど、 一人の寂しさと、生きる事の虚しさばかり似通っていた人。 思えば彼とは"選びたくない人"も同じだったな。 「覚えてますか?僕が投票先に立候補した時の事。 最後に楽しかったと思ってここで死ぬなら良いと思えたから、 確かそんな事を言った覚えがあります。」 「最初の日、きみと一緒に楽しい時間を過ごした後。 きみが楽しかったと言ってくれたあの時。 これが最期の思い出になるなら、いいかなって。 僕はもう、それ以上を望む事を諦めていたんですよ」 それも、皆が助けないでいてくれたから、こうして死ねただけ。 「なんて言ったら、きみは怒りますか。」 (-266) unforg00 2022/03/07(Mon) 15:12:12 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス清掃員は、手向けとも何ともつかない言葉を聞けない。 清掃員は、応える事ができない。 清掃員は、水槽の中に残されたものを見る事は無い。 それはそこに居らず、死んでいるからに他ならない。 もしも最後に残された言葉を聞いていたら、 きっと何とも言えない顔をして、曖昧に笑ったのだろうけど。 それも結局は想像の域を出ず、つまりは単なる感傷に過ぎない。 (-267) unforg00 2022/03/07(Mon) 15:37:08 |
カミクズは、残された言葉を聞く事は無い。 (c41) unforg00 2022/03/07(Mon) 15:38:13 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 美術 エノそれがずるい事だとわかっている。 誰だって死にゆく人には生きていて欲しいと言いたくて、 けれどそれ以上にその意思を尊重したいから口を噤むのだと。 でも、きみがもし、生きていたいと望むなら。 やっぱりそれも尊重したいなと、思うから。 きみは上葛を送り出して、上葛もきみを送り出した。 ただ、送り出す先が、抱く決意が違っているだけ。 なんてのは、屁理屈だろうか。 屁理屈でもいいから、願わくば。 なるだけきみが後からゆっくり来てくれたらいいな、と思う。 文句なら、向こうでいくらでも聞くから。 いつまでだって待てるから、そこは心配しないでほしいな。 (-271) unforg00 2022/03/07(Mon) 16:01:14 |
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![]() | 【独】 の名残 カミクズ/* もしかしてデスレビューをされている? 死ぬ所まではよかったけど起きやがったから☆1やろうなぁ…… (-289) unforg00 2022/03/07(Mon) 18:22:53 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワそこに罪は無くとも、 許されたいという願望が無くとも。 「罪悪感がそうさせるんでしょうね」 その感情を抱く事は、また別の問題だろうから。 だから人は許しを請うてしまうのだろうな。 「わかってたんですよ、言えないって。 ああまで言えば、きみ達は生きろなんて言えないって。 誇張も嘘偽りもない本心でした。でも打算もありました。 だからずるいのは僕で、きみ達は悪くない」 「生きる事の喜びよりも、生きる事の虚しさが勝る人間に。 死を選ぶ自由を与える事の何が悪いでしょう」 幸せの、ハッピーエンドの定義は人それぞれで。 誰かの語るそれが、上葛にとってもそうとは限らなくて。 そして、きみにとってもそうとは限らないんだろう。 だから二人の間では、これでよかったのかもしれなくて。 (-320) unforg00 2022/03/07(Mon) 20:07:58 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「怒らないですよ」 「嫌いだから。」 「大嫌いです、無関係な人間の語る、薄っぺらな綺麗事。 『幸福な王子』の話が大嫌いです。 この制度に纏わる美談が大嫌いです。 でも多分、本当に嫌いなのは」 生きていく上では綺麗事も必要なのだと思っている。 王子とツバメは確かに不幸ではなかったのだと思う。 確かにこの制度に命を救われた人も居るのだと思う。 じゃあ、何がこんなに嫌なのかって。 「選ぶしかなかった僕達の最後が、見ず知らずの他人の手で 軽々しく『めでたしめでたし』で締め括られる事」 物語として、他人に消費されるのが嫌で仕方ないんだ。 「邦幸さん。」 「生きている事は苦痛ですか。罪悪感に耐えられませんか。 不確かな未来や奇跡に期待するのはもう疲れましたか。 もしそうなら──誰の手も届かない所で死にましょうよ。」 この合議場での事は、口伝を除き外には漏れないから。 「今度こそ、二人で。 そうしたらきっと、幸せでなくたって僕は満足です」 (-322) unforg00 2022/03/07(Mon) 20:08:46 |
カミクズは、今や名残ばかりの亡霊は、甘い誘いを投げ掛けて。 (c48) unforg00 2022/03/07(Mon) 20:12:08 |
カミクズは、触れられなくとも、手を伸ばそうとする。 (c49) unforg00 2022/03/07(Mon) 20:12:15 |
![]() | 【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「………あのですね。 熱烈って、人の足切ってまで捕まえようとした きみが言えた話じゃないと思うんですよ…?」 やや呆れ混じりにそう零した。 思うところがあるのは、その発言だけじゃないけど。 これじゃツバメじゃなくて青い鳥になりそうだ。 「誑かされたら、その時は。 死人らしく怨み言言いに行く事にしますから」 額か、頬か、目蓋か或いは口元か。 触れられない以上は何処を狙ったか定かじゃないけれど。 お返しとばかり触れられない口付け一つ落として、 「あーあ。 きみが早まって殺さなければ、ちゃんとお返しができたのに…」 ついでにそんな恨みがましい発言一つして、 多分、死に損ないは暫く死体のふりに戻ったんだろうな。 理由はなんてことない、ただちょっと疲れたからってだけ。 (-337) unforg00 2022/03/07(Mon) 20:58:57 |
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