人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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視点:


【神】 不運 フカワ

「こんばんは……」

「まず、目の前で出した意見をかえてすみません。
 公正平等ではなくなりましたね……?」

挨拶もそこそこに、すぐに投票理由を告げる。
それ以上とわれても答えないという意思表示のために。

「投票理由は……
 アクタさん以外には答えないことにします」

「ひとつだけ、昨日の合議で言った通りに。
 他薦でナツメさんにいれない理由ができたので変えました。以上です」

「今日の合議は怪我人もいるみたいですし、
 名乗りをあげる人や、提案する人がいなければ早めに切り上げませんか」

「俺も気分が悪いので休みたいと思っていたところです」
(G4) toumi_ 2022/03/01(Tue) 23:05:35
フカワは、マップの上の医務室を指でなぞる。
(a4) toumi_ 2022/03/02(Wed) 0:19:16

【秘】 不運 フカワ → 奇形 メイサイ

『特別なことはしないですよ』

本当に特別なことにはならない、きっと。

「…………」

『皆さんそういってくれます』

ここのみなは本当に優しい。
否定もしなければ、優しさで包み込んでくる。
おかげで気づいてしまったことが多すぎる。

『納得は、できてないですけど。
 何に納得できなかったのか、わかるようになりました』

『家族の事は、好きでした。
 今は少し親に幻滅しています。
 それでも、姉弟には幸せになってほしいし。
 俺は不幸を願いません、いつか報いは受けてほしいですけどね」
(-31) toumi_ 2022/03/02(Wed) 0:47:29

【神】 不運 フカワ

「……」

合議を進める雰囲気ではなくなった中で一人考え続けている。

今は絵乃くんの怪我を心配をしているべきで。
それでも誰かが側に居るのなら邪魔になるだろうか。
ここに居ない人たちは、一体どこに居るのだろうとか。

知らないことが起きている、起きていた。
調べれば医務室に人の気配が多いことがわかり、
ああ、そうか、皆は知っていたのかとまた他人事のように感じた。

――           。


「ツルギさんがお見舞いに行くのでしたら……、
 俺も部屋まで送りますよ。嫌なら断ってください。
 単独行動がよくないらしいことと、ただ単純に世話を焼きたいだけです」
(G11) toumi_ 2022/03/02(Wed) 1:55:06

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「待って、いるんですか」

少し困ったように笑い返して、わかったと返事をした。
その後に続く言葉も、部屋の様子も気にせずに。

「ひやひや? そんなに、おかしな事を言った覚えは……。
 ……そんなに心配ならちゃんとしつけてくださいよ」

ああ、ただやらなければいけないことは増えて。
……どうすれば、自分のやりたいことはできるのかということだけを考えてあなたの怪我を不用意に撫でたりなどをした。
包帯を巻き直す必要があれば手を貸そうとして。

「二人目も、いるんですね。三人はどうだろう。
 どっちにしても、まだ選出基準を聞くことができそうです。
 待っていることにしますね、そういうことなら。
 ……教えてくれるのかな……」
 
少し楽しみだけれど期待をせず。
ただそのときを待つことにする。
聞きたかった選出理由は、今となっても興味は段々と薄くなってきているけれど。
人の意思が知りたい、どんな気持ちなのかが知りたい。
ひとまずは、目の前の人から、かもしれないが。

「それと、君も――……」
(-42) toumi_ 2022/03/02(Wed) 2:21:16

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ



「――」

あなたの部屋は一瞥してから沈黙して。
その傷から手を離せば、部屋を立ち去ろうとした。

「なんでもないです、それじゃあ戻りますね」
(-45) toumi_ 2022/03/02(Wed) 2:28:40

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「幻滅……?
 あ、……片付けの事なら、そうですね。
 今までみてきたどの部屋より散らかってました」

別れを告げたあと、振り向き。
泣きそうな姿をみてどうしたのだろう、そんな心配する気持ちになる前に。
頬を両手で包み込み目元に口づけをする方が早かった。

「落ち着いて、ください。
 ……俺いない方がいいですよね?」

妙な間をいれる。だって、そうじゃないか。
さっきの今で、自分達は和やかに会話をするような仲でもない、関係は変わってしまったものだと思っている。

「落ち着くならそのままで良いですよ、……面白いですし。
 それに、幻滅しても、俺態度に出しませんから。

 あ、怪我は……俺に、さわらせない方がいいですよ。もうぐちゃぐちゃです……間違って握りつぶしてしまうかもしれません」

フォローにならない言葉をおいてからどうすれば良いかわからず、一度動きを止める。
相手が求めているのは、拒絶をしないことだろう。

「俺以外に怖がっていないで、休めるようにリラックスしてください。
 なんのために、……会いに来たのに、早く戻ろうとしてると思っているんですか」
(-51) toumi_ 2022/03/02(Wed) 4:08:45

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ




何処にいるのか、わかっていなかった。
何があったのか、わかっていなかった。

ただあなたがいないとわかっているエノの部屋へと向かえば、無断で入り込み、散らかり方や絵に目もくれずベッドへと飛び込んだ。




「……   」



しばらくしてからベッドから降り、立ち上がる。
何事もなければ、一輪の花を置いてそのまま部屋をあとにするだろう。
(-53) toumi_ 2022/03/02(Wed) 4:23:27

【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ

合議がおわってすぐだろうか、あなたのもとに連絡が来る。

『いま、どちらにいますか?
 エノくんの元でしょうか』

『その』

『裁判所ではなく、その場所にいる理由を聞いても良いですか?』
(-54) toumi_ 2022/03/02(Wed) 4:26:17

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「……呼びたいときに、呼んで、ください」

「寂しがり屋、は覚えています。
 行けるかどうかは、そのとき次第とも……言いはしましたが」

確かに拘束されれば自由ではないかもしれない。
何処かでそれを望んでいる自分がいる。
彼に、ではないし口に出すことはない。
一瞬離れる前にその髪をうんと優しく撫でる。
一人で寝るのが怖い下の姉弟にしてあげていたおまじない。
自然と出てきた動きに、普川にとっての疑問はなかった。

「いそがしい……そうですね、俺は。
 今日も、明日も。色んなところをまわって人の姿を観察して暇潰しをしようと思いました」

「だから……それに付き合わせる貴方も、
 せっかくなら寝かせてあげたいのに。
 怪我人は、無事でいるべきなのに。

 傍にいたら殺したくなるのに、
 自ら懐に誘って、置こうとするはなんでですか。

 俺はただの、……仲良しじゃなくなっちゃいましたよね」



「安心って、なんですか?」

負の感情ばかり求め覚え続けていた頭が、久し振りにひとつの言葉に反応した。
(-59) toumi_ 2022/03/02(Wed) 6:59:43

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「俺はその不安な気持ちを知るために、君を失おうとしているのに。
 その安心ができたら、抵抗せず刺されてくれるとでも言うんですか?」

本当に、俺の事を好きになってくれているのかと勘違いするじゃないですか。
そんな甘いチョコレートに浸るような感覚はここで学んでいるんです、だからこの時も、次に会うときも同じように訪ねました。


「『一緒に、隣で寝てほしい?』」


無防備と温もりを捧げて、あなたに得はあるのだろうか。それは知らないけれど。
それでも頷く彼らがいることは知っている。
たったこれだけで嬉しそうに笑う姿を覚えている。


「もし起きてるなら……退屈に、させないで。
 俺を……死にたくなるまで欲しがっていてください」


言葉にしただけでどんな行為かわからない、だけどそれが己のやりたいことへの近道だというのは確信できた。
(-60) toumi_ 2022/03/02(Wed) 7:06:06

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

誰かと共に帰った方がいい。
そんな話がなされている中メッセージを送った。

『価値の話、簡単にですけど。
 顔を合わせて話したいです。
 気分と、せっかくですから。

 文字でやり取りするのと変わらないのに
 なにかちがうと感じるんです。
 心配事はあるかもしれないですが、
 少しだけ話しませんか?』

『ナツメさんへの差し入れでも、用意して』
(-62) toumi_ 2022/03/02(Wed) 8:08:54

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

合議の最中、あなたの姿が見えずに端末をみる。
なにかが起きている、だが、わからない。

男は仕方がないとはいえ嘘になってしまったことを、知らせたかった。
謝罪はするか、わからないけれど。

『アクタさん
 君が見て、知ってる、ここで起きたことを教えてくれませんか』

『俺は君のためにも、俺自身のためにも
 やりたいと思ったことをやります。
 投票の理由も教えます。

 でも、メッセージよりも
 会えなければ、音声で、
 声を聞いてやり取りをしたいです。
 時間が空いたら連絡してください』
(-63) toumi_ 2022/03/02(Wed) 8:14:59

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「俺が」

差し伸べられた手は、取った。
とりたくなったから、だった。

「……今君は怪我をして不安定なんですよ。
 誰に、やられたんですか?
 もしかして怖かったですか。
 ……少し話したら寝てください、俺はここにいますよ」

そう呟きベッドに引きずっていけば、無造作に放り投げられた物のなかで一緒に丸まった。
まるで巣の中のようだなんて思いながら、帽子を放って頭を撫でる。

「……」

髪を整えながら無防備な姿を見つめる。
此処に居るとVRないの状況はあまりわからなくなるだろう。
周りで何が起きてるのか知れず、駆けつけたくてもいけないな。

「連絡は、とらせてくださいね」

片手で撫でながら背中に回した端末を操作すた。
邪魔をすれば貴方を見て、呼べば答える。
まるで休日に外に出たくない良い仲の二人のような。

「飼えないって言ったじゃないですか」

責めてるわけではない、ただ、最期まで面倒を見れるかなんてわからない気持ちは変わらない。
あなたがいうように、様々なところからヘイトを稼いで悪めだちをしている自覚はあるからだ。
いつも発言の後に気付く悪い癖。
(-65) toumi_ 2022/03/02(Wed) 8:41:18

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「……これが」

死んだ方が安心するという気持ち?
わからない、でも今回はわからない理由がわかった。

「掃守さん。俺は……」

あなたが眠れるようになるまでの子守唄。
ただゆっくり、自分の事を語るだけ。
多分二度と、言わない、呪いの言葉。

「こんなところで死にたくなかったよ」



同じように喉を見せてやりながら時を過ごし、
合議が始まる頃には笑いかけた。

「この制度から生かしたいひとができました。
 それは、君じゃありません」

君とは、きっと。

「あと、寂しければ呼んでください。
 四肢と時間があれば行きますし、いいこと……? も、してあげますから」

そういって何ともないようにネクタイを緩め、貴方の額に口づけを落とした。

「……元の姿に戻りたいな」

そんなことをぼやきながら。
(-66) toumi_ 2022/03/02(Wed) 8:47:38

【人】 不運 フカワ

三日目の朝日を拝んでから丸一日の間、一切日光を浴びていなかった男は、合議を終え人と話をしたあと外を出歩いた。

深夜の涼しい風の中、人気の少ない広場の方へと向かった。

「……あのときは何をしているんだと思ったけど、やっぱり土いじりは楽しいよな」

自分が勝手に生やした焼肉店、ブランコ。
さぁ――次に欲しいのは。

「花だ、な」

男の人生で最も傍に居た、
罪の形になった彼らが思い付いた。
(7) toumi_ 2022/03/02(Wed) 10:47:00

【置】 不運 フカワ

【プロフィールが、更新されました】

名前:フカワ
性別/年齢:男/23歳
外見:弟の姿/174cm
家族構成:両親と妹と弟
職業:花屋

@.私は、脳死の判定に従い、脳死後全ての臓器を提供します。
A.私は、合議の結果を踏まえ、臓器提供の意思を決めます。
3.私は、臓器を提供しません。
(L0) toumi_ 2022/03/02(Wed) 10:47:42
公開: 2022/03/02(Wed) 10:50:00

【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ

『事情は知らなかったんですか。
 ありがとうございます。
 やっぱり、怪我の原因は気になってしまって』


『あの、おかしな事を聞くんですけど』
『その看病って、怪我をしているから放っておきたくないんですか?』
『彼だから放っておきたくないんですか』

『すごく失礼なこときいてすみません。
 それと、謝らないでください、顔を合わせるのが目的で。
 無事かどうかが、一番気になったので、今は、大丈夫です。
 ナツメさんは怪我をしているわけじゃなくて良かったです』
(-81) toumi_ 2022/03/02(Wed) 12:10:53

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

示された番号を眺めてから足を向ける。
フカワは画面から誰がいるのかを確認できても本人から聞くことが常だった。

扉をノックして、さて。返事はあっただろうか。
少し悩んだあとに開けば、

「お邪魔します……」


と、部屋に吸い込まれそうなほどか細い声を響かせる。

「……あの、
肉まんと餡まんどっちの気分ですか……?


ばらまかれている紙を踏まないように一枚一枚拾いつつ、貴方の元へと向かっていった。
(-90) toumi_ 2022/03/02(Wed) 13:41:08

【秘】 不運 フカワ → 落涙 ユメスケ

『笑い話は面白い、ああだからこれは面白い話って言われていたんですね。
 笑えない話でないと面白くないかもしれません、またひとつ勉強になりました』

『でもおもしろくなかったですか、残念。
 そして。

 花屋は
 ありますよ、別の視点も』
(-92) toumi_ 2022/03/02(Wed) 13:52:33

【秘】 不運 フカワ → 落涙 ユメスケ

『息子は、長年世話になった両親のために罪を受け入れて死のうと思いました。それが親と、社会のためになるからです。
けれど。刑務所で息子はそんな話間違ってると、綺麗事で納めるんじゃないと諭されて自分が正しいかわからなくなりました。それでも、息子の意思は変わりませんでした。何故ならその息子は、自分が』


辛いと、悲しいと、悔しいと。
わからなかったから。


『自分さえ、耐えれば家族は笑っていられると思ったからです』


「……ああ、なんだろう」


「『やっぱり、面白くないですね』」
(-93) toumi_ 2022/03/02(Wed) 13:54:57

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「手土産のつもりです、
 なんだかずっといるみたいだったので……。

 ええと、聞きたいことが一つと
 言いたいことが一つ。
 ……今何が起きているかわかりますか……?
 実は一日中部屋から出れなくて、いつの間にかヒメノさんは見えなくなっているし、エノさんは怪我をしたらしいそうで何が何やらなんです。

 それと、
アクタさんに票を入れました……いれる理由がないと言ったあとにすみません……殴られるの覚悟できています


本題は現状を知っているかと、あなたに票をいれたことらしい。簡潔に告げれば示されたところに座って、手元の紙をみる、いったい何を書いているのだろう。

「……手は、止めなくても、あ、いや。
 甘いもので……休んでください。
 書き物をするときは、集中しすぎると倒れると言いますから」

どうぞ……と差し出したのはほかほかした餡まん。
コンビニの袋ではなくてなんだか紙袋に入っていて、少し高そうな雰囲気で甘い香りが漂うだろう。
出した、というよりは買ってきた、雰囲気がある。0円で。
(-99) toumi_ 2022/03/02(Wed) 14:38:38

【秘】 不運 フカワ → 規律 ユス

『実は目標があります。
 もし、自分自身が変われるのなら』
『もう少し女性に
 怖がられない言動になりたいんです』


もしかしたらデリカシー欠如と言われ続けた男にとっては難関の感情と情緒。
顔は怖がられないがゆえの、真面目な彼の悩みだった。

貴方と似て非なる感覚に、合議への関心が最も近しいと思ったのは間違いではなかった。
後にツルギから聞くことになる幾らかのこともなにも疑問に思うことなく、すんなりと入ってきたらしい。

どうか、彼らの享受に祝福と幸福が訪れんことを。


自分に関係ない他人事の物語も報われてほしいと思えたのは、紛れもない皆のお陰。

まるで夢物語、そんなものがこの先にあるのだろうか。


『その無責任さ、有りがたく受けとりますね』

本当に君たちは無責任に与えて、あとは傍観だ。
少なくとも得てしまった気づきと、この感情の調理は簡単にできそうにない。

そうして幾つかの話のあと通信は切れるだろう。
まだ先日の騒ぎが大きくなる前の話だった。
(-106) toumi_ 2022/03/02(Wed) 15:41:30

【秘】 不運 フカワ → 落涙 ユメスケ

『国語の授業は苦手でした。
 算数の方が好きです、君はどちらでしょう』

少し間があいて、返事は帰ってきた。

『この物語は』
『誰も幸せになっていないことが、ハッピーエンドだというのなら。きっと誰かにとっては幸福だった物語です』

『息子に燕はいなかったんです。
 そして裸だと教えてくれる子供も。
 かけっこに誘う兎もいなかった。

 家族は、永遠に罪を償う機会を得られない。

 あの、君は。
 この既に終わった物語を。
 夢物語でも、なんでもいいから

 幸せにしたいだなんて思いますか?』
(-111) toumi_ 2022/03/02(Wed) 16:05:30

【秘】 不運 フカワ → 落涙 ユメスケ

『俺もそう思います』
『なにも知らないことが幸せ者かどうか。
 誰にもわかりませんからね』
『結構難しいこと話しているんですね、ユスさんか、ツルギさんとでしょうか』

だからあの子の言葉は理解できなかった。
綺麗な物語したがってるなんて。
そんなことなにも考えていない。
綺麗事にするのはいつだって。

『あ、デートうまくいったのかも気になります。
 暇で、ちょっと気になってました』
(-116) toumi_ 2022/03/02(Wed) 16:42:33

【秘】 不運 フカワ → 落涙 ユメスケ

すぐにかえってこなければ話題を変えるだろう。
答えが適当でも良い、本題はそこにないのだから。

漠然と、自分の身の上話を年下に話してしまったことを少し、ほんの少しだけ申し訳なく思って。

また次の機会がほしくなってしまった。
(-117) toumi_ 2022/03/02(Wed) 16:46:43

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「起き、れたんだ。よかった。
 ……話したいことがたくさんあるな」

何処か他人事のようにまたつぶやした。

『おはようございます。
 あの、殺し合いをしていたって聞きました。
 なんでそんなことになったんですか』

『寄り掛かるのは
 柔らかいクッションでも挟めば出来ますよ。

 でも、いや、俺の話はあとにします』
(-127) toumi_ 2022/03/02(Wed) 19:16:44

【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ

#医務室

『なに』

『何聞いてるんですか』

『見ま、す、けど』
(-173) toumi_ 2022/03/02(Wed) 23:54:15

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

『なんだか誰かと似たようなことしてますね。
 影響されたのも同じところです。

 あの』

『寄りかかっても、俺は』

『行きましょうか? 実は。ナツメさんに差し入れを考えていたりして。
 ああそれでも個人的に会いたいですね。
 行っても良いですか』
(-175) toumi_ 2022/03/03(Thu) 0:18:30

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「十分、詳しいですよ。
 ありがとうございます」

淡々と返しているが眉は下がりあなたを心配そうにみる瞳は変わらない。
そんなに怖がっているのだ目の前での彼らは大変だったのだろう、自分がいないまに、そして、

「……お疲れ様です
 ほ、褒められ、ましたか? アクタさん。
 俺からも、言わせてください。
 二人を、診てくれてありがとうございます。
 すごく偉いです、それと……

 かっこいいです」

弟と妹がいるその男の手は無闇にあなたを撫でようとした。
避けられもするしはねのけもする、わざわざ大袈裟に聞こえるもの良いも、なんだか初日よりもスムーズな言葉選びになっているような。

「でもそのあとに、こんなに台本を書いてるなんて一体なにが……あ、はい」

手は不自然な位置でとまった。
(-176) toumi_ 2022/03/03(Thu) 0:53:55

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「票をいれた理由は、
 俺に生き残る理由ができました。

 もう少しちゃんというと生死ではなく……
 票をいれる権利を持ち続けること、です。

 それで、やりたいことをします。
 頼まれたことを、やります。

 そして。
 ……最後まで選ばれずに。
 君のかわりに臓器を差し出そうとおもいます。
 うまくいくかわからないんですけど、ね?」

「はっきり教えるとナツメさんに票をいれないつもりで、ハナサキさんに協力をしています」

「……怒りました?」

見下ろしているはずなのに弱々しくて、それでもはっきりした声音で。
合議のときよりもよっぽど情けなく、その漆黒はあなたの瞳をしっかりと見つめた。
(-177) toumi_ 2022/03/03(Thu) 0:54:10

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

『焼き肉店の個室か』

自分の部屋を言おうとしてかなりデリカシー等の問題でもないような気がして。

『広場に温室を作ろうと思います』

目的はもちろん、自然と花を寒くない場所でゆっくりとみるためだ。

『女の子は何が好きなのかな、俺があげても驚かれると思うのであとで会うときに渡してあげてください、花とか、おやつとか』

そんなことを言いながら男はその夜、広場の方に歩き始めていた。

欲しかったからそんな理由で建物をたてる。
好きなものに囲まれることは、きっと悪いことではないから。

/*温室は屋根が丸い感じのお茶会ができそうなお洒落なあれです。
勝手に建築予定だったので、返信は好きな場所で待ち合わせして話すことにしましょう、意識が落ちており返事が遅くなりすみません!
(-187) toumi_ 2022/03/03(Thu) 8:42:50
フカワは、朝までにいい感じの広場で東屋のような温室を建てていた。
(a23) toumi_ 2022/03/03(Thu) 8:46:38

【置】 不運 フカワ

合議が終わってから少し。 >>a23 >>7

その建物の中で植木鉢をならべて。
好きな花を思い浮かべて。
男はまるで小さな植物園を作っていた。
皆も知っている花から知らない花まで。
きっと思い付いた彼らがそこにいるのかも。


「店も、こんな気分だったけど。
 自分だけの空間も憧れていたな」


『サウンド・オブ・ミュージック あずまや』で検索してもらえれば
イメージかつくだろう。


男が去り、無人になった建物は、日の光を浴び、美しく反射してそびえ立っている。
鍵はかかっておらず、誰でも自由にはいれるらしかった。
(L2) toumi_ 2022/03/03(Thu) 8:58:12
公開: 2022/03/03(Thu) 9:00:00

【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ

『怪我人が多くて少し驚いています。
 カミクズさんの傷は、みましたが
 何か事件が起きてたなんて信じられなくて。
 血生臭いの経験したことなくて』

『それと寝不足がたたって、気分が少し』

『そう、ですか、誰でも気にしますよ。怪我は』
『誰かがいるだけで安心できることってあり、ます、し。良いことだと思います。
 経緯はわかりませんが、巻き込まれた訳じゃなくて安心しました。
 あまりいい気分ではないと思いますが、無理せず休んでください』
(-190) toumi_ 2022/03/03(Thu) 10:27:51

【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ

#医務室

『俺のこと監視していますか?』

知られるはずがないのに、無人の部屋に花を置いたことを見抜かれたようだと感じた。
そんな風に動揺を出すようになった事にまだ気付いていない。


『そうですね死んだら何もできないです。
 触ることも、声を聞くことも、何もできません。
 届かない相手に話しかけることだけしか』

その後、すぐ。
(-196) toumi_ 2022/03/03(Thu) 11:36:16

【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ


『花がある場所? それは花屋か花畑だとおもいますが。
 面倒くさいんですか、それなら。
 あとで温室を建てるつもりなんで、行ってみてください。
 俺が見たことがある花に、売っていた花。
 山でしかとれない花に、人工栽培でも難しいとされている花。
 あと珍しくて見たかった花でたくさん埋めるつもりなんです』

『好きに採って、
 この言い方は駄目でした、ハサミで切ってください』

『補充しますからそのままにして良いですよ』

『言ってくれたら俺がその花を思い出して、入荷してきます』

その前の話とは違い、花に関する事柄に関してはやけに返信が早かったらしい。
(-197) toumi_ 2022/03/03(Thu) 11:36:43

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

『え、誰かから聞いたんじゃないんですか。
 ああ、そうか、少しちがうんですよ。
 君は感情論で、その人は経験論でした』

『ツルギさんです。
 ちょっと理解の種類がちがうって話をしました』


『それじゃあ、少し用意するものがあるので』
『ちょっと人がいないときを見計らって行きますね』

一度チャットは閉じられ、男はひとつ息を吐いた。

「……誰、か、寝るよな。
 付きっきりということもないと思う、うん」
(-202) toumi_ 2022/03/03(Thu) 12:03:03
フカワは、その夜以降の時間、他の人がいない頃を見計らって一人でエノの元へ向かった。
(a24) toumi_ 2022/03/03(Thu) 12:04:27

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

『今俺はつらいんですか?』
『君がまだ死んでいないのに』

辛いという感情のひとつの定義に、仲のいい人が死んでしまったらと名付けた。
それは、君にだけではなかったのだろうか。
まだ自分の心がわからない。


『歳上だったんですね。
 祝いますよ、大丈夫です』

『少し話さなければいけない用事と
 花の注文が入りまして
 向かうのは遅くなりそうです。
 好きなケーキ考えていてください。
 言いましたっけ、俺は花屋なんですよ。

 花束も作って、祝いましょう。
 君の好きな花はありますか?』
(-206) toumi_ 2022/03/03(Thu) 12:19:49

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「絵乃くん」

医務室がノックされた。

彼はその前にも一度顔を出したかもしれない。
そのときは一人ではなく、ナツメと言葉を交わしたりハナサキの姿があったり。

そのあと改めてと時間をとれば心配そうにあなたのもとへ近付くだろう。

「危ないことしましたね、……立てないぐらいなんて。
 その場にいられなかったので状況は知れなかったのですが、アクタさんからいくつか聞きました
 事故よりよっぽど悪いですよ。

 お見舞いの人は多かったと思いますが、気分はどうですか? あー……」

「なにか、理解できましたか」
(-208) toumi_ 2022/03/03(Thu) 12:31:10

【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ

『そうですか』

「そうなんだ……」

『俺は誰の居場所もみていないんですが、
 見ようとすれば見れるんでした、忘れてたな』

『ああそれなら』

『インパチェンスは鉢植えだし、クルクマなら何本も重ねたら良い感じでしょうか。バラであればプライムチャームや、アートリークローズという品種が一茎一花なのでその辺りを置いておきますね。花束にしやすい花のことです。

 でも花は。
 男でも女でも、初めの興味は似たものですよ。
 誰から送られて、どんな用途であるか、です。
 花は勝手に意味がついて好きになります。じゃあ』

ちなみに食虫植物については、ウサギゴケや、プリムリフロラ・ローズなんてあるんですよとか五月蝿くなったかもしれない。
すごく、かわいい。是非調べてみてほしい。
(-211) toumi_ 2022/03/03(Thu) 12:56:29

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ


「こんばんは、中々綺麗でしょう?
 映画で見たことある建物をベースに……好きな花で埋めました。
 植木鉢なので、ガーデニングとは違って、見世物……ですが。
 それでも、良い物に違いありません」

温室であなたを迎えるその声は、之までで一番饒舌で。
本当に好きなものに囲まれ気分をよくしているのが手に取るようにわかるだろう。

「ええ、ツルギさんが花を採っていくみたいなんで。少し多めに置いてます。
 花屋をここにひらくわけにはいかなかったんですが、
 囲まれてないとやっぱり落ち着かなくて。

 あまり隠す必要もなくなってきたので、正直になってみました。
 ここにくるまでずっと職場に居たので落ち着かなかったんですよ」
(-213) toumi_ 2022/03/03(Thu) 13:11:24

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

「それで、……ああなんでしたっけ。
 価値の話でしたね。端的に言って、俺は。
 ずっと票を持っていたいんです。
 それで
救えるもの
があると思ってて。

 だから二回目の人に選ばれるその日まで、
 君と……他に協力者がいても、いいですが。
 その人と票を合わせれば選ばれないと思った。
 そんな不純な理由なんですよ。

 それまでに誰が選ばれても良いんです。
 ……ずっと続くようなら、最後の最後には俺が選ばれても良い」

「これが俺のやりたいこと、になりました」

「……そして、あなた達を優先したいと思った。
 だから、投票の委託です、どんな選択をとっても恨みません。
 誰にいれるかの相談は、一緒にしてもいいですけどね」
(-215) toumi_ 2022/03/03(Thu) 13:13:58
フカワは、食虫植物も温室に入荷しています。
(a26) toumi_ 2022/03/03(Thu) 13:14:37

【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ

『休みたいんですが少し用があって。
 あとで、顔見せられたらいきますね』

行間かもしれない。
ハナサキと差し入れをしに行くつもりだったが、任せることになったのだ。
彼女一人になるかもしれないので、顔を見せてすぐに去るくらいになっただろうか。

『カミクズさんは重症じゃなかったみたいで。
 じわじわいたそうな感じでした。ちょっとかわいそうでしたね、労っておきました』

『ああそれですか』

『べた褒めが恥ずかしいらしくて。
 内容は伏せますが。
 ハナサキさんと、メイサイさんです。
 とてもいい、言葉が聞けて。
 俺もそうだったことに気づきました。
 二人には少しだけ内緒ですよ』
(-221) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:35:12

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「……本気です。
 こんな面倒な自己犠牲もないでしょう」

「俺は君に何を言われても後味は悪くないですが……
 悲しんだり、苦しんでいると、嫌だったかもしれません。

 あと」

「怪我をするのは見ていられなかったと思います。」

「いたっ」


「……ごめん、なさい。
 俺、恨まれて良いだとか。理解されなくて良いのだとか。
 君の中で悪役で残ろうとしていたんだと思います」

「それって、ずるいですよね」

自分のことを他人のおかげで理解できる。
本当にそんな人間なのだ、この男は。
誰かの為に動こうとしてそんな人間だったことに気付く。

「やりますよ、例え思い通りにならなくても。
 ひどくて、デリカシーのないと言われた男が。
 方法を選ばないわけないじゃないですか」

之で納得されてしまえば、嫌な信頼だろう。
男は良い人間ではないのだ。
(-222) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:52:53

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「台本描くんですか、俺の設定難しそうですね。
 ……見たままで、良いと思いますが……。

 でも、一人の女性を生かしたくて、
 君がこの先も舞台に立つことを祈ってることは
 本当、です……ね?
 そう思ったようになったのが、
 すべて周りの声とあなたの行動でした」

「そう思ったら、俺は君のことを思ったよりも好いているのかもしれないですね。俺好きな人って言われてすぐにおもいつかなかったんですけど」

殺したい人と理解したい人ならいるんですが。
この言葉は綴られなかった。


「手を煩わせるような、
 嫌な奴ですみません」

その笑顔に不器用に笑い返した。
(-223) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:54:48

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「ツルギさんがはじめに、いってたこと。
 自分を説得したら、命をあげるって言ってた奴です。

 ……誰かは"死んで"、誰かは"生かされる"。
 そんな場所だと思いませんか。

 死んでいい人を決めるだとか
 生きて欲しいひとを決めるだとか。
 そんなの話し合いで決められるわけ無くて……だって皆それぞれ個人の値段って違ったんです。

 だから、エゴの押し付け合いになるんだなって、思いました」
(-225) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:55:39

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「思い込みってすごいですよね。
 俺もいろんな事が思い込みでできてますから……もう、他人事なんですから」

「……絵乃くん、同じ事をしても多分。
 気持ちは理解できませんよ。された気持ちしかわからないです」

「刺された人の気持ちを理解することができて。
 傷つけた気持ちを理解したことになったんです。
 あの子と同じ状況じゃないと。
 生きたいと願っていて、そして身体に×がついて。
 その上で刃を振るったら少し近かったかも知れませんね」

結果論だ、誰かと同じ理解なんてできないだからこれは代わりの感情。
似たものを感じる擬似的な行為をあげてからあなたの頭に手を伸ばした。

「……そうでしたか。無事で良かった。
 本当に死んでもおかしくなかったですよ」

苦笑いをして頭を撫でて、そして小さく息を吸う。



「……絵乃くん。報告なんですけど。
 実は、殺したい人が出来たんです」

伝えることに意味がある。それが、どんな事になろうとも。
(-244) toumi_ 2022/03/03(Thu) 17:12:20

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「このことを伝えたら、
 その人は俺にも死んで欲しいみたいでした。

 俺わからないんですよ。
 まだ君のことも、その人のことも。
 君があのとき言った、理解されたら死んでもいいって感情も」

「それは、あの臓器提供をするだとか、しないだとかではなく」
「生きられるとしたら、生きてみたいって思わないんですか?」

「俺は、……」

多くの人と話してわかってしまった。
だから、だから、この言葉選びをする。

「君のこと理解したくない、と思って、しまったんです」

できない、ではなく。したくないと思ってしまったこと。

「……知り尽くしたく、ないです。
 同じ気持ちに、なりたく、ないです。
 わからないままの君が、居て欲しい。
 全部に頷いているだけの存在や、わかってあげられる人に、
 なって、あげたくない、です。
 そんな、人間になりたいんだと、思ったんです。
 ごめんなさい、俺から言ったのに。

 俺は君を理解したい人になりたかっただけ、なんです」
(-246) toumi_ 2022/03/03(Thu) 17:17:59

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「生きていくことなんて……大事じゃないですよ」

支離滅裂なのはこっちだ。
男にとっては正しく君の言葉が帰ってきて。
だめだな、やっぱり、理解してきている。
君の苦しみも、嘆きもわかってしまう、だから。

「それでも俺が考える大事と、君の大事は違います。
 こんな制度の中でも、生きたいと願った人や、
 理解してくれる人が欲しいって言う人がいるのに。
 そんな人間の犠牲の上で生きていくことは、
 俺は大事でもなんでもないと思っているんです」

だから享受したくない。
この愛情を、君の諦念を。

「君の環境がいきぐるしかったこと、支えたいと思いました。
 それは……ひとえに可哀想だと思ったから、だったんです。

 言葉を尽くさなくてもわかるぐらいの仲でそばにいたい、
 俺、これは、わかるんです。
 その上で言うべきだったんです。

 ずっと一緒に生きて、幸せになりましょうって」

「俺は君とそんな関係になれるって、
 此処で言えるはずもなかったのに、です」
(-252) toumi_ 2022/03/03(Thu) 19:06:43

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

定められた死に、不明瞭な感情。
欠如した情緒に、未確認の愛情。
こんなもので君を埋められるだなんて思っていたのかな。

何も知らない事は愚かで、人を救う事は難しいことだった。
なのにおかげで君を、自分を己は理解し始めて、罪というものは、失敗すると言うことは何かを生んで、それをひどく皮肉に感じた。


「俺が君が怪我をしたって聞いて、
 何を思ったと思いますか?
 もう、会えなくなるのかな、です」

「……酷いでしょう? でも俺は……この時。
 君が死ぬことをひどく恐れたんです。
 その理由は興味や、君の理解を満たすためや、
 ましてや理解してもらってないからじゃありません」

「生きてほしかったんです」



言いたいことだけをいって、傷をつけた、気になっている。
まだ話したいことがあるようで言葉がまとまらない。
つばを飲み込んで、深呼吸をして。
それでも何をされても文句はないというように、貴方から目をそらさなかった。
(-253) toumi_ 2022/03/03(Thu) 19:10:22

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「関係ないのに、ですね?
 すみません、あの……わからないんです、ただ。
 ただ、気に入ったっていうのが。あ、メイサイさんが。
 推しって言葉を教えてくれました、多分そんな感じです」

これが、
"好き"っていう気持ち
だとしたら、多くの人に抱いた感情は興味や哀れみ、綺麗なものではなかったような、もっとドロドロしたものだ。
こうして気づけて良かったと思うと同時に、この先どうなろうと目の前の好きな人の未来は見れないのだなと、寂しく思った。

「そうですか、それでよかった」

これは、悪い考えだ。
今言われたとおり、相手の瑕になってしまった方がちょっとスカッとする。愛だって、傷だって与えて、欲張りになっちまおう、そんな話。


「……、っ」

あ、後もう少し待って欲しい。

軋む椅子をみてふっと力が抜けて、あなたを撫でていた手を見て、
ぼろりと一つ涙が零れた。

良かった、きっと、見られていない。
(-275) toumi_ 2022/03/03(Thu) 21:35:03

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「ええ、俺も、」

わかるはずがない、値段なんて。正直つけられていない。
だけど意地をはって、命を安くないことにしようとして。

自分が。

「わからなくて、怖いです」
「大人だから、ですかね。ちょっとだけくたびれてます、から」

怖いんだ、生きていられないことが。
生きることを望まれていないことが。
それでも、この命を誰かの為に使えるのなら、何だってしたい。
それが本当にやりたいことになっただけ。

「また何度書き直すことになる、んでしょう、ね?
 頑張って、ください。読むの楽しみにしています。
 完成するのがずっと先になっても、楽しみにしています。
 そろそろ、邪魔になってしまいそうなので、出て行きますね
 ……ご飯とかお茶とか、気休めでも取ってください。

 俺も、そろそろ。
 ケーキでも食べて休憩しようと思っていたんです。
 いいでしょう?」

おかしな自慢をしながら、目元を拭って立ち上がった。
扉の方を見て、一度深呼吸をする。
声は震えなかったはずだ、だから、大丈夫。
(-276) toumi_ 2022/03/03(Thu) 21:36:19

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「……生きて欲しいけど。
 辛くなって欲しくないから、です。
 知って欲しいからです、君に生きる意味を。
 感じて欲しいからです、俺の君に求める残酷な未来を。
 覚えて欲しいからです、この苦しさと傷と、その向こうにある幸せを」

「絵乃くん、俺は」

「俺はそんな君を」


矛盾してるけど、矛盾していない気持ち。
本当になんだってしてあげたいと思った。
それでも、正しくないと思った感情は押しつけることしか出来なくて。


「……、……っ」


もし、違う形で出会えたら。
もし、もっと早く、もし、選ばれてなかったら。
同じように涙を浮かべて、その身体を抱きしめてた。
動きが速かったから、見られていないだろう、きっと。
(-282) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:13:21

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ


「絵乃くん、俺に――」

「"普通の人"と」

「"君を殺す人"。どっちになって欲しいですか?」

君を理解してくれる人はきっと現れる。
ここから外に、あるいはまだ、もしかして。
他の人に寂しいと泣きつくことも良いかもしれない。
諦めないで欲しい。生きていて欲しい。

だけど、人間は弱くて。

わかってしまったから、また甘い言葉をかける。




「これが、俺が君を泣かせた償いです。
 俺は君に何をしてあげればいいですか?」
(-283) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:13:55

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

「趣味ですね……。同級生には変わってるって言われましたけど。
 小さい頃から囲まれていたので、やっぱり。

 そこの食中植物可愛いでしょう? ウサギゴケっていうんですけど。
 空気を漂う微生物を食べてるんです。
 もぐもぐしているところは見ることはほとんどできません」

「……それは、あまりうなずけないんですけど。
 君の前ではそうしようと心がけていたら、なんだか
 ちょっと恥ずかしいほど素直になりすぎているかもしれません……」

一緒に植物を眺めてからポットを置かれて。閑話休題。

「一緒に、ですか。はい。それでも、俺は君に任せますよ。
 今――きっとハナサキさんに票は集まりにくいと思います。
 俺と君が一緒に入れない限りです。
 それと感情を抜きにして、ナツメさんにも入らないと思いますよ。
 俺があれだけいいましたから」

やはり喋らない花という存在は、いろんな意味で目立つのだ。
そして突然矢面に立たされて覆された票ということも要素になる。
(-291) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:38:28

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

「なんだか俺がここで生きて欲しいと言われるのは不思議な感じです。……しかも複数人に。
 でしたら、……」

「……ツルギさんかカイさんに、入れたいんですが。
 ……あの。
 ハナサキさんは、
二回目の人に予想はついていますか?

 俺は、ツルギさんだと、思っています」

本当は。あともう一人。
(-292) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:39:40

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「……、フルーツタルト好きなんですよ。
 花みたいにきれいに飾ってあるやつ」

「意外ですか? 誰にもいったことありません。
 親にも、妹弟にも、だって。
 誕生日ケーキはイチゴが乗ってる白いやつ。
 みんなが好きだからそれにする日なんです」


思い出すように笑って。
好きなケーキじゃないのに手作りだから、文句も言えなくて、やっぱり嬉しくて。
わがままなんて言えないし、愛はやっぱりそこにあって。

「原稿かく邪魔になりますよ、俺……。
 君という人間が前に進む妨げでしかありません。
 だって、今」

地面を濡らしたのは自分の涙で。
散らばってる紙にシミを作った。
謝罪の言葉よりも出てくるのは、嗚咽になって。

伸ばされたその手に腕を捕まれ、反動と共に身体は止まった。
(-298) toumi_ 2022/03/03(Thu) 23:51:32

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「今、許されたら、余計なこと言いそうなんです。

 だから、手を、離さないというなら。
 ケーキ黙って食べるか、……耳塞ぐか聞かなかったことに、してください」

弱々しく、今度こそ声を震わせれば。
ここではじめて涙をこぼし続け、辛いという感情を自覚した胸の痛みに耐えるのだ。
(-299) toumi_ 2022/03/03(Thu) 23:54:50
フカワは、何年ぶりかに泣いた。多分10年ぐらい前にタンスの角に小指をぶつけたときとか、玉ねぎを切ったとき以来だ。
(a32) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:15:53

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

日はのぼってノックの音。
あなたがいてもいなくともその扉は開いて、紙袋をいくつか置けばあなたの方かベッドの方へと男の体は吸い込まれていく。

目もとは赤くなっており、しばらく顔を埋めれば話しかけられるまで黙っていた。
(-302) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:27:17

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

つれていく方が多かった、皆が無理をしているから。
そしてわからない人が多かったから、歳が下だったから。

自分がどうにかしてあげたい、たったそれだけの。
わずかにあった、自尊心。
どうあがいても隠せなかった学生らしくなさ。

「……今っ
 ……格好つけるところ、じゃないですか……っ?
 俺は演技できないんですよ……。
 それなのに、……怒られるだけだと
 思ってたのに、あんな言葉言われて、
 応援されるだなんて」

わからないままだから、なんでも言えて。
わからないままだから、罪悪感もなくて。

そんなことわかっているのに知らない振りなんてできなかった。だから、男のからだには多くの皆の感情がぶつけられてきた。

「これが初日の自分なら、よかったのに。
 君のことも自分のことも知らずにすんで、
 好きにも嫌いにもならないで。
 ただ時間が過ぎるのを待つだけの、
 感情がわからなかった頃の自分だったら」

なにも辛くならなくてすんだ。
自分は幸せだった気がして、それでよかったのに。
(-306) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:43:21

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「空元気や、覚悟決まった振り。
 もう上手にできないんですよ。

 気軽に選べるわけ、ない。
 動こうとする度、誰かの邪魔になってることが、誰かを怖がらせていることが、悲しませることが、嫌なわけないんです」

これはただの、強欲なお節介。
そして、ただの身勝手な叫び。

「……仲良くなって、傷付くのは。
 お互い様です、よ?」

すがってしまいそうになる。嫌ってくれている相手に。記憶に残してしまう、嫌だ、少しでも悲しませたくないのに口は止まってはくれない。

「ちゃんと確約されたお別れがないと。
 今すら、耐えられなくなっているっていうのに」

愚かでなにも知らなかった男は、十二分に心に負担を背負ってここの皆の苦しみを素直に受け取ってしまっていた。とっくに限界は来ていたのだ。

「……自分が思うしあわせな、都合の良い物語を考えて。
 皆を振り回すことでしか、もう保てないんです。
 俺がやりたいことは、あの人を殺すこと。
 君に臓器を差し出すこと。
 ナツメさんを生かしてあげたいこと。
 エノさんを、理解してあげないこと。
 ……そうしないと、話した皆が死んじゃうんです。
 そんなの、いやです。
 自分が死ぬことよりもずっと嫌だ、一人でも多く死ぬのを望まれなかった人を作りたかった。俺みたいな人を減らしたかった、それだけなのに。
 方法は罪のない誰かを傷つけることばかりです。
 やってくる結果はお別れです。そんなこと思う価値なんてないのに、それが悲しくて仕方がないんです」
(-308) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:53:12

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「……ショートケーキですか。
 それともフルーツタルトでもいいですか」


表情を見せないまま背中を撫でられる。
声は震えてこそないが、ほんの少しだけ元気はない。

「お酒、造ってみたんですよ。
 出回ってるの、美味しくないらしくて。
 みりんや料理酒以外は作る過程の工場が軒並み規制されているんで。
 人が酔っぱらえるメカニズムを図書館で調べて酒のあり方を頭に叩き込んだ上でレシピをつくり上げました。果実や花を使った発酵させた飲み物で、アイスやソーダ水で割ると丁度良さそうなものです。

 それで、あの。
 さっきまで、アクタさんに出会っていて。
 ……ちょっと、弱音はいてしまってす。
 そうしたら、なんか、涙が止まらなくて。
 待たせて、ごめんなさい」
(-311) toumi_ 2022/03/04(Fri) 1:06:46

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「……俺、君にそういわれると。
 なんだか急に落ち着いちゃうんで落ち着いてきたきがします……。
 宥められると水を飲んだ気分に……? 親を思い出して嬉しさと空しさが一瞬で心を冷ましていくんです」

あまのじゃくかもしれませんねと、つぶやいて、少しちがう体温に顔をあげる。
丁度頭が撫でられるところに当たって、瞬きする表情がぶつかり少しの間停止する。

「……こ、どもじゃないです……。
 ええ、と……服、変えたんですね……俺も着替えようかな。少しなら違う姿とれるんですかね……?」
(-329) toumi_ 2022/03/04(Fri) 5:51:21

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

嫌いになんてなるわけない。
その一つの願いを叶えられないことが、こんなにも苦しいなんて思わなかった。

「……」

頷いて、手をとって、一緒に笑って友達から本当に理解しあえる間柄になる。
そんな未来が、確かに幸せそうにうつってしまって。
君もそうだったらよかったのにと、もしそうだったらひどくまた残酷なことをしてしまっているなと、わかってしまって。

そんな奇跡は、起こらない。

はじめから、わかっていた。

見たくなかったんだ、叶わない未来を。

生きたかったとは、言ってはいけない。

隠し通さなきゃ、傷つけるだけなんだ。

「……っ、」

本当に君がほしかったのは、
寂しさを埋めるひとりだけ。
それだけで、よかったのに。
(-330) toumi_ 2022/03/04(Fri) 6:53:30

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ


「……俺を嘘つきにさせますか?」

「生きのびたら本物の温もりがわかりますね」
「弟も紹介します、彼の方が少し弱気です。
 それでも人思いで良い子ですよ。
 仲良くなれると思うんです。
 絵も花も好きです趣味ぐらいで。」
「妹はちょっとダウナーっていうらしくて。
 ソファーで靴下脱いでくつろぐような子で。
 おやつを分け合うぐらいには仲良しです」
「親は俺を売りました。
 違法煙草を密売してたんです。
 その罪を外に出た人に告発して貰います。
 冤罪のまま名を遺すのも嫌ですから」
「寂しいなら家に泊まるのも良いですね。
 学校卒業してからかな。
 長い休みのときは来てください」

「……ねえ、絵乃君」

「俺は生きていて、幸せでした。
 君にもその幸せを知ってほしい」

「……、……俺が。
 俺がいなくても君は幸せになれます」

もしかしたら、唯一の嘘はここになるのかもしれない。


「だから……そんな簡単なこともできない俺を許さないで、もっと違うことを願ってくださいよ……」
(-331) toumi_ 2022/03/04(Fri) 7:06:34

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「あ、いえ、あの……」

「……だめ、ですね。俺……。
 君には弱味見せたくないみたいです。
 は、ははは……俺、皆にひどいこといってきて、
 勝手に悲しがって泣いてたんです。
 だから優しく、されると、つい」

撫でられることはいやがらずにはにかみながら目をそらす。
泣くほどの、泣かされるほどのことをして、あなたに一人慰められている自分を受け入れられなかったのだ。

「謝る癖、ずっとそのままなんですか?」

そうだったのかと、貴方の体を上から触ってひとつ考えて。端末にあるクローゼットウィンドウを開いてみた。
想像した通りの普川にとってのいつもの服がそこにある。

「……身長は無理そう、です。
 あ、……ゲーム感覚なら整形はできる……?」

うまく顔は変えられなかったのか、いったんは諦め。その服を取り出せばチップ非準拠になるために着替えを始めようとする。

「……あ、そう、だ。ケーキのお皿出していてくれますか。
 その……着替えをずっとみたいのでなければ……」
(-333) toumi_ 2022/03/04(Fri) 7:40:39

【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ

『良くなりますように、なんだかおまじないみたいで、いいですね』

自然に笑みがこぼれて、閑話休題。
ふとやってきた、返事にほっとして。
嘘をつかなくて済んだと今更な事を考えた。

『投票ですか? ああ、はい。
 いいですよ。もう、きめましたから』

それは誰かにとっては残酷で。
その価値を押しつけ合うことを選んだという事に過ぎない。
それでも様々な人を既にもう巻き込んでしまった。
もう戻るつもりも後悔するつもりもない。

『俺は、ハナサキさんとナツメさんにはいれません。
 だけど、俺は、です』

『ハナサキさんがハナサキさん自身にいれたとき。
 俺は彼女に入れたことになりますから。
 票をあげたんです、俺の分を。
 これが彼女への誠意と、応援です。

 そして望みました、俺はこの命を握る権利を持っていたいと』

『ナツメさんを選んでしまったことも、
 そして覆したことも自分の選択として開き直ったんです』

そして最後のメッセージに。
しばらくの時間を使って。
(-335) toumi_ 2022/03/04(Fri) 8:13:11

【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ


『はい』
『俺も』
『苦しいです』

話した人に入れるのも、勿論、自分に入れるのも。
そんな風に、言える日が来てしまったことが辛くて。
人間だから仕方なかったんだなと、普通のことを考えて。
なんて自分は不運な人生だったのだ、と。大きなため息をついて、口元に笑みを浮かべたのでした。
(-336) toumi_ 2022/03/04(Fri) 8:13:23

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

「今の俺が好き、ですか。」
「――とても皮肉なんですが。
 ……あなたにとっては褒め言葉、なんですよね」

そう言われるともっと恥ずかしく、と引きつった笑いを返して共通の助けたい彼女の話題には頷いた。

「……ここに居る人たちは、多分。
 本当は誰かがずっと側に居なくても
 大丈夫だったひとたちだったんですよ。
 ただこの状況と、社会の不条理がが突然襲ってきて、
 自分の決めていた人生のルートを組み直さなくちゃ行けなくなった。
 多分……それが見えやすいか見えにくいかだったんです。
 あと速度も。です。

 俺は……選ばれないと、思いますけど、ね。
 嫌なほど、いい人しか、居ないんです。ここは。

 なぜか、こんな俺も生きて欲しいと言われ続けて。
 一番最初に、そんな風に諦めるなといったのは君でした。

 俺は幸せの形がお花畑みたいな君のこと、
 ずっと理解できませんでしたけど。
 そんな物語が好かれるなら、一度は考えるぐらいには、馬鹿に出来なくて……こんな提案をする羽目に」

わざと少しとがったような、繕うこともしない言い方をする。
あなたに言われた言葉が正当化される世界なんて夢物語で。
本当はもっと暗く、濁ったものばかりだ。
合わない、圧倒的に合わない、それでも。
「……眩しかったんですよね……」褒め言葉ではないけれど。
(-337) toumi_ 2022/03/04(Fri) 9:23:27

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

「ああ、どうしましょう、ね。ううん……。
 彼、選ばれても気にしないのが、……気にするんですよね」

何度か話して深夜ドライブもした仲である彼を思い出す。
池に投げ続けていた石を思い出す。
似たようで、正反対だった――――

「気にするんですよね……」


罪悪感ではなく、選ばれたことを嫌がられないのが気になってしまう。

「入れましょうか……彼に。
 一番、残っている人間で受け入れてくれる人です。
 
俺が罪悪感を覚えずに済む人です


結局は保身に走るところが人間味があるな、なんて。
ボトルに入った液体を揺らして、ため息をつきながら。
今回はかなり自覚的に自分のことを他人事のように思った。

「そういえばハナサキさんが少しだけ犠牲的に見えた理由、聞きそびれましたね……。大方、俺の予想なら戻ってもいいことがない環境だったのだと思いますが……あの、
この先、生きていても平気ですか?

 お金とか、立場とか……俺みたいに犯罪に巻き込まれていたりしませんか?」

心配をしているのは確かなのだが、デリカシーがない言い方は健在中だった。
(-338) toumi_ 2022/03/04(Fri) 9:26:26

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「……ごめんなさい、
 俺はこの命を使いきるって決めたんですよ。
 親のために、選ばれた彼らのために、
 そして、自分のために。
 ……でも困ったな。

 本当に、心残りは君だけです。
 怒った人や、責め立てる人はいました。
 それでも、見送ってくれたり、
 やり通すようにいってくれました。
 その中で君だけがそんなに止めてしまう」

「俺のせい、ですよね。
 一人にしておいていこうとするから。
 余計なことを願ってしまったから。

 言い訳をさせてください。
 君を理解するのをやめた俺なんて、
 君に必要だと思わなかったんです。

 期待させた、酷い奴で終わって。
 君は悲しくても本当の理解者を見つけるまで、頑張れると思っていたんですよ」

こんなに、嫌だなんていってくれる人はじめてで。
勝手にわいた同情心以上に心を動かされて、本当に移り気が激しいのだとか、誰かに怒られそうだなと、思わず変な笑いが出た。
(-352) toumi_ 2022/03/04(Fri) 14:12:31

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「……絵乃くん。

 君は、俺に
生きてほしいんですか?


 それとも、
傍に居て欲しいですか


 きっと俺達はここでは平行線で交わることはありません。だから、俺は決めます。

 その答えで、俺は。
 これから誕生日を迎える、カミクズさんを今すぐ殺しにいくことにします」


今、なぜ、と思うかもしれない。
だが普川はあなたに告げるだろう。

カミクズという男が自殺しないように、
自分の興味で生かしてしまったこと。
君と同じように生きてほしいと願ったこと。
寂しくて、失う辛さに押し潰されていたこと。
彼は生き続けないことで救われると思ったこと。
彼を殺す経験で、仲が良くなった人を失う悲しみを得ようとしたこと。


「共に生きる選択肢は、俺からは用意しません」
(-353) toumi_ 2022/03/04(Fri) 14:16:06

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ



生きてほしいのかと訪ねたのに。
共にいきる選択肢がないということは。


男の望みは、君が生きて、自らが死ぬ世界。
君の選択はきっと、どんなものでも構わない。
男が用意できるものが、此れしかなかっただけなのだ。
(-354) toumi_ 2022/03/04(Fri) 14:25:52

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「聞いてください。
 ……理解しなくて良いんで勝手に言いますね。
 俺、あの人と仲良かったんですよ。
 楽しかったんですよ、なのに。
 死んでどっかにいくっていったんです。
 嫌でした、すごく嫌でした」

今の自分と同じだな、なんだ、だんだんふに落ちてきた。
きっと純粋な情じゃない、絵乃くんと唯一ちがうのは……。

「俺のこれって怒りなんですよ。
 ……仲が良いと思っていたのは自分だけで、
 あとから追い付いた感情は執着になって、
 彼から得る感情がもっと知りたくなりました」

「あとは、彼が死ぬだけです」

「愛だの、恋だの俺はまだわからないし。
 やっぱり一緒に死ぬことのよさは……
 このままだと永遠に理解できません。

 それでも、
 そばにいてあげないといけないなあって。

 なにかをしたいよりも上になるって。
 案外悪かったです」

歪んだ感情を露にしながら、ゆっくりとあなたの頬へてを伸ばせばその唇を撫で。
優しく額に口づけをおとして、目を合わせた。
少し腫れた目元がお互いに見えるようになる。
(-362) toumi_ 2022/03/04(Fri) 17:00:25

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「……おれのしてあげたいを、理解してください。
 可哀想で、可愛くて、手離せなかった、
 君のおかげで。
 俺は俺の望みを捨てなければいけないんです」

連れていきたくない、生きていてほしい。
嫌だ、辛い、一緒にしにたくなんてない。


「見送って、くれる?
 片付けてくる。

 そして、また。
 君のところに、帰ってくるよ」
(-363) toumi_ 2022/03/04(Fri) 17:01:03

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

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これまでも誤字が多かったのに大変なミスをしました。

誤)
 それでも、
 そばにいてあげないといけないなあって。

 なにかをしたいよりも上になるって。
 案外悪かったです

正)
 それでも、
 君のそばにいてあげないといけないなあって。

 なにかをしたいよりも上になるって。
 案外悪くなかったです」
(-364) toumi_ 2022/03/04(Fri) 17:04:12

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「結構、謝られてるような。
 ……印象付くくらいにはです」

「……あ、うん、落ち着いた」

緩いタートルネックにエプロン姿。
そして、片耳に気に入りのピアスをつけて。
おめかし、ではなく出勤スタイル。
少し髪型を変えて見せるのは、学生の雰囲気が消えた大人の普川の姿だった。


「おまたせ、
 制服より楽で良いね……君のようすがおかしいのは、ちょっと、面白い」

「それじゃあ乾杯、しようか?
 お酒という名のブドウジュースと一緒に」

大人びた様子の男は笑いかける。
偽っていない本当の姿で君の生誕を祝うために。
(-365) toumi_ 2022/03/04(Fri) 17:18:08

【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ

「……少しでも怪我をよくしていてくれよ……」

負担をかけた自覚は、ある。
だから申し訳なさそうにして、最後に部屋を出る前に振り返った。

「そう、だ。
 今日の投票、……ハナサキさんと一緒にツルギさんにいれるつもり。
 生きてほしい、から、選んでる。
 ……ええと、これは、そっか。

 約束か。
 いってきます」

守れるかな、なんて。
自分で撒いた種を摘み取りにいくと考えると、少しだけ、君には悪いし、皆に不謹慎だけれど。

楽しくなると良いな、と、その手にハサミを握ったのだった。
(-370) toumi_ 2022/03/04(Fri) 18:09:05
フカワは、チップ非準拠になった。花屋スタイルだ。
(a34) toumi_ 2022/03/04(Fri) 19:40:05

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「俺の誕生日は家族全員に祝われて、
 楽しかったはずだったんだけど。

 最後に息子を犯罪者にしたてあげて売るような親だったから、もしかしたら残機扱いだったのかもしれない」

なにもみていなくて、裏に隠されていた罪がたった一ヶ月前にすべて押し付けられた。
そんな、呆気の無い家族からの裏切りと別れ。
楽しかった記憶は紛い物でもおかしくはない。

「花束なんだけど……迷いすぎて……
 また後でとってきても良い?

 実は俺、合議休もうと思ってて。
 夜にまた君に会いに行きたいんです。

 いい、かな。その何度も……。
 外に連れだそうと、思ってるんだけど……用事とか、怪我とか」

椅子に座って向かい合う。
なんだそれ、なんて、笑って気恥ずかしそうなその姿をはにかみながら見つめかえす。
今だけは同年代の気持ちで。
本当に出会ってるような気分で、ケーキと、ちょっと罪の味がする飲み物で乾杯。

こんなに特別な誕生日は、自分もしたことがなかったな。なんてまだまだ遠いその日を思い描いていた。

 
(-383) toumi_ 2022/03/04(Fri) 19:47:44

【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ

「どういたしまして。俺も、嬉しいよ祝えて。
 さ……早く食べろよ。
 どうせろくに食べてなさそうだ。
 今は一緒に食べるために見張ってるから」

頬杖をついてフォークを揺らす。
つかの間の、平穏だ。
(-384) toumi_ 2022/03/04(Fri) 19:51:01

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ




……かわいらしい花が咲いたなと。
年甲斐もなく、というよりは、少しキザっぽい気持ちになって。
妹扱いのようにした割りには、少しちょっとは仲良くなれてしまって。
同じ意思を持って、罪を共有して、辛い気持ちになりながらここまで来た。
さすがに、情は、ちょっと沸いた。
義務感でも何でも無く、だ。

「……はい」

だから短く、俺は俺の言葉で。

「ハナサキさんで良かったですよ。俺の言葉を引き出すのが」

気遣おうとする気持ちも、繕う気持ちも。
格好つけも、素直な気持ちも全部、あなたから。

「そんな野に咲く花みたいに可愛い人だから。
 話しやすかったんです、かね」

ちょっとぐらい浮いた台詞も、今ならいいだろう。
(-405) toumi_ 2022/03/04(Fri) 20:51:59

【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ

「ちょっとだけです。本当に。
 ……それを言うなら、もう誰も選びたくないですよ。
 ……カイさんはぐちぐち良いそうだし。言い訳がしにくいし……」

ある一定の人物としか交流が多くないのは似たようなものだろうか。
こんな短期間で、一部としか話せないのは確かだ。

「ここで生きていて平気そうなひとナツメさんぐらいしか見たことありませんよ……。
 皆さん負けず劣らず、生きて行けなさそうな人ばかりでした。
 まあ、そうですか、終わってから……ん?

 ……質問はあとで、概要だけぱっと言いますよ。」


「俺は本当に、ここで
命を落とすつもり
で来ました。
 それをできる限り覆すつもりはありません、宣言をしたので。
 ですが――それはこの先、生きていくハナサキさんたちを
 放り捨てて、何処かに逃げようとしているつもりじゃないんです」

「……できるだけ、最後まで死にませんから。
 助けが欲しければ、元の世界に戻っても……。
 もう覚えられることは、覚悟しましたから。
 助け、ます。大丈夫です」
(-406) toumi_ 2022/03/04(Fri) 20:54:09
 




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