人狼物語 三日月国


82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】

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バーナード! 今日がお前の命日だ!

「……あーあ」

「──馬鹿だね。賭けは君の負けだよ、ダビー」

──ああ、やはり。

他者を奈落へ突き落とす事に、
腹の底から湧き上がるような達成感など無かった。
自身も共犯者のように、誰かをその毒牙に掛ければ
打ち震えるような歓びを得る事となるのだろうか?
その疑問の答えは、否だった。

わからない。
自身も共犯者らと同じように入念に、且つ最善を尽くし
そして演目が完璧に遂行されるように動いたはずだ。

それでも『エンヴィー』のように愉悦に震え、
けれど決して満たされない餓えに襲われる事も無く
『グラトニー』のように、享楽を味わうような感慨も無い。
彼等と自分は、いったい何が違ったのだろう。

わからない。

怠惰の名を関する、職務に忠実な内通者は
ただ黙して鑑賞室に佇んでいた。

『グラトニー』は笑った。かの観賞室に、『グラトニー』は戻っていた。
透けたドレスを翻し、豪奢なレッドベリルを飾ったほとんど裸と言っていいような衣装。
女である身体に、あってはならない陽芯を宿し。白い肌は派手に彩られている。
それぞれの顔を見て、いったいだれが寄越されたのかを知ると、たいそう声を上げて笑った。

「やあ、皆さん。ようこそ、最下層へ。
 私は『グラトニー』、あちらは『エンヴィー』。あちらは、『スロウス』と呼んでおくれ。
 なにせ仮面に呼ばせる名前は惜しいからね、よぅく頭に刻んでくれ……。
 ……もっとも、名乗りを挙げるのは遅かったかな?」

三者、仮面をつけられた新しい従業員たちを見遣り、女はほうとため息をつく。
コロンビーナマスクの下に隠された笑顔は、うっとりと頬を上気させていた。

かつんかつんと靴音響かせ、ペストマスクと燕尾服を纏った女がやってくる。

「──ご紹介に預かりました、エンヴィーです。
……なんてね。ごきげんよう新人さん」

新しい従業員たちに一礼をした後、共犯者の方へ視線を投げる。

「スロウス、お疲れ様。君の仕事ぶりはやはり信頼できるね」

そこまで話し終えてから、一拍置いて。

「…………その。何か感じるものはあった?」

期待を込めて投げかける。
答えなんて予想できてしまうのに。

アンタレスは、アソパソマソ!新しい顔よ!foodを頂きながら目的の人物の到着を待っている。
(a7) 2021/07/05(Mon) 20:18:41

「どうしてくれようかな。VIP達はやはり君たちが快楽の内に落ちるのが好きだろうか?
 私はもっとエキサイティングに血を見たいのだけど、彼らの意向には逆らえないからな……。
 おっと、先輩にちゃんとご挨拶するんだよ。君たちより一歩先に落花した、ムルイジだ」

過剰なまでに扇情的な衣装に身を包んだ『グラトニー』は、興奮冷めないように歩き回った。
彼女のものだろうトレイの上には様々な器具が置かれている。
異常な形の性玩具から、消毒された針、おぞましい程痛々しげな拷問具に至るまで。
それらは全て『グラトニー』があなた方に向けるために、ここにあるものだ。

「ああ、そうだ! 『スロウス』にも誉れを与えないとね、『エンヴィー』にだって。
 どうだろう、満たされたかな。それとももっと物質的な褒美がほしい?
 これまでここに立っていられるということは、成果を認められてるということさ。
 それなら、いろいろなものを望むことが出来る。法外な報奨でも、私のようにね」

「何も。」

共犯者からの問い掛けに、
これまでと変わりなく、簡潔な返答だけを返す。
自身の情動が怠惰に凍て付いて動かぬその事実に、
どうしようもなく、失望さえも感じる事は無かった。

「やはり僕は、あなた達のようにはなれないようです」

アンタレスは、豆を甘く煮たジャムの事が気に入った。
(a8) 2021/07/05(Mon) 20:20:24



「……そう」

仮面の女はそれだけを返した。
興味を持ってくれたから、もしかしたらと思ったけれど。

「…………そうなのかもね」

ぽつり。寂しさが、ひとしずく。



すぐに顔をあげて共犯者の話に耳を傾ける。

「……報奨?ああ、そんなものあるんだ。
法外ってグラトニーは何をお願いしているのかな。
正直、恵まれている君が何を望んでいるのか私には想像もつかないけれど」

その言葉は嘘ではない。表の顔を見ても、此処の姿を見ても。まるきり自分と違う"暴食'が何を望んでいるかなんてまるで考えられないのだ。

「とりあえず、私が望むものは……」


「──気に食わない奴らが地の底に落ちる姿を見ること。ただそれだけ。


ずるいよね、私はこんなにも醜い感情を抱き続けないと生きていけないのに。
皆等しく落ちればいいんだ。私はその為に生きている。そのためだけに動いている」

仮面の下で"嫉妬"は嗤う。まだ足りない。もっと寄越せと心が飢えている。
それは麻薬にも似ていた。刹那的な快楽の後に訪れる飢餓感。それからずっと苛み続ける嫉妬の毒。

どうすればこの心が晴れるのか、もはや女にさえも分からなかった。


「そう。まあ、けれど、仕方のないものだね。人の感性には向きがある。
 それにあなたのように冷静でいてくれる人がいるから、こちらも仕事がしやすいというもの。
 次は……そろそろ私が、VIPの気に入った人間を連れてこようか。
 誰があたるかというのも加味して決めなければいけない話だけれどね」

あまり強要するものでもない。聞いてみて、答えを聞いて、それで頷いた。
それが長所であるとも短所であるとも、何とも評価すべきではない。
きちんと『グラトニー』は、かれらの意向を尊重したいとは思っているのだ。

「………僕は」

この仕事は、次の夜に期日を迎えます。

それまでに『お客様』のご要望に応える事ができなければ
僕は用済みと判断され、随意に処分されるでしょう
そして、その仕事を以てこの船と取引をしているのは
僕ではなく、もっと上の人間です」

「だから、僕への報酬は必要ありません
強いて言うなら、あなた達の勝利が僕への報酬となるでしょう
僕の末路に関わらず、条件さえ満たせば取引は成るのだから」

「……ああ、そういえば
"取引"は、どうなったのでしょうね。」

怠惰なる白蛇は、飽くまでもいつも通りに滔々と語った。
何処までもただ、真実がそうであるというだけの事。
自身の境遇を、嘆く必要も、恨む必要も無い。

最後の独白のような呟きも、然して気にした様子ではなかった。

アンタレスは、矢張り  が見当たらないと確信した。
(a21) 2021/07/05(Mon) 20:58:10

あの規律正しい兄が朝食の場に姿を見せていない。
何かあったのだろうかと、周囲の者に訊くより確実な方法で確認を試みた。

『おはようございます、ダビー兄様。
 レストランにおられないようですが、如何しましたか?』


「私が恵まれている? ふふ、そうかな。本当に恵まれているのはVIPのかれらさ。
 私であっても彼らの食指のひとすくいで、ここには立ってはいられなくなる。
 まあ、それは登城するのを望まずに色々と別のものを望んでいるからではあるのだけどね」

一介の医者が、ただそれだけの地位でここにいられるものだろうか。
奇怪なものを用意して、様々な趣向をこらして。それはただの婦人科医の領分ではない。
女は赤く塗ったルージュを指で弾いて、ひみつめいて口にした。

「食糧だよ。美食と言えばいいかな。もっともそれが何かは、見た人もいるだろうけれどね。
 私は若い雌のアミルスタン羊がたいへんに好みなのさ」

じっとりと濡れたような瞳は貴方を見ている。熱く燃える情熱を抱えた貴方。
それから、流れ落ちるように首を傾けて、相手の望むものを聞いた。

「いい心がけだよ。なにせそれこそが、この仕事のために重要な原動力のひとつなのだから。
 『スロウス』は冷静に適切に、やるべき仕事をこなしている。それこそ必要な力。
 貴方は貪欲に、さらなる苦痛を与える。それはVIP達を大変に楽しませる素質。
 私は、よりかれらに近いから何を求めているかというのが手にとるようにわかるだけさ」

その嫉妬は、そしてその怠惰は。まさしく類稀なる力であるだろう。
そうした同僚を持つことに大変満足したように、ひとりで頷いて、"従業員"たちへとむきなおった。

「……期日を迎える?処分?
スロウス。ねえスロウス。何かなそれ、私聞い──」

聞いてないのは当然だ。
自分とグラトニー、スロウスはただの共犯者。船の人間を落とす為に集っただけの関係で、それ以上もそれ以下もない。だから個人の事情だって話す必要など無い。

「…………そっか。そう」

切れるカードが無い。何かしてやれることなどない。
自分はただ、人を騙し傷つけることしかしてやれない。

簡潔に答えて、閉口した。
何も感じないでいられるスロウスも、君を好きに扱える君の組織も。
ずるいよ。

「了解だとも、『スロウス』。そういうこともあるだろう。
 貴方がそれを受け入れているのなら、私があれこれと言うべきこともないさ。
 或いは『エンヴィー』は、その手を以て貴方を手に掛けたがるかもしれないが。
 まあ……一度VIPの意向を聞いてからだ」

過剰に嘆くことはなかった。それもまた、このパーティや倶楽部のあるべき姿だ。
誰もが足元を崩すのだ……それは誰に限ったことでもないのだ。
追い縋って助けようとするのは、いっそそれこそ、茶番も甚だしい。



「――さて!」

『グラトニー』は従業員たちの方を向いた。手にしたワイヤーがきらきらとエッジに光を反射する。
仮面越しに彼らを見定め、そして中継するVIP達のほうへと手を伸ばした。

「君たちがこれよりどのような"研修"を受けるのか、何を君たちに望むのか?
 それらはすこしのスパイスと、彼らの希望によって左右される。
 せいぜい、隣のものよりも多くを望まれないことを祈るといい、笑顔を向けてあげなさい!」

あなた方を値踏みして、紳士淑女は歓声を上げる。
やれ、慰みものにすべきだ。やれ、舌を切って飾ってやるべきだ。
水責めをしながら犯してみたい。太ったネズミに食わせよう。蠍を口に食わせよう。
性器を露出し互いにまぐわい合え。女のように犯されよ。
彼らは口々に、あらゆる望みをあなた方に向かって吐き散らす。

/*
……ということで、研修を決めるためにまずはVIP(プレイヤー)の意向を聞こうかと思います!
ご自分の操作するキャラクターにどんな目にあってほしいのか、ロールの形などでお聞かせください。
どのように主張するかは前日の二人を参考にするといいかもしれないですわね……。

「僕は期日以内に仕事を終えられるつもりでここに来た。
けれどそれは驕りでしかなかった。
我々が思っていたよりも、この船の人間は手に余る。
それだけの話です」

昨夜の哀れな犠牲者が語ったように、想定外が多すぎた。
ああ、やはり不確定要素のある賭けは好きではない。

「………ああ…それと、じきにここを去る僕に
あなた達がまだ、個人的な提言を許してくれるのなら。
次の"標的"を選ぶのは、少し待ってほしい」

「少し…焚き付けたい人が居る」

『兄様……?』

船内程度であればカバー出来る有効範囲の筈だ、それなのにいくら待っていても返事が来ない。
それが意図的であろうが無かろうが、返事が出来ない事情が生まれたという事。
つまり、良くない事態と捉えた。

(…………。)

そんな折に、ある従業員が接触しに来たのだった。

アンタレスは、席を立とうとしたが引き留められた。
(a31) 2021/07/05(Mon) 21:58:22

アンタレスは、ロシアンパイ(49)1d100をゲイザーから頂いた。
(a34) 2021/07/05(Mon) 22:25:34

アミルスタン羊。
それが何を意味するのか知っていた。

──私を食おうとするならこっちが食い殺すぞ。


言外からそう食ってかかる。
深緑色の瞳で、ルビー色の視線を睨み返す。さながらそれは警戒心の強い野良犬のよう。
貴方はきっと、気にしていないのだろうけど。

「……それは大変だね」

簡潔に答えて己もまた従業員へと視線を投げた。
スロウスと色々話をした。グラトニーとも話がしたい。
……私は、この二人をもうただの赤の他人として見ることができない。

けれど、それは後回し。今はそれよりやってきた新人達をどうするか集中するべきだ。
それが"先輩"としての務めであるから。

/*
なんかこんなこと書いてますけどキャラとしてのロールなのでどうか気にせずまったり会議してほしいのですわ墓下お嬢様たち〜!!永遠に玉ねぎみじんぎり大会でもいいですわよ!わたくし唐突に地下ホールクッキングバトル開催させますわよ!!

/*ところでこちら狼仲間お嬢様達に連絡なのですけれど……

私明日から仕事が激務で遅くまで働く運命が見えていますの……恐らく動きが非常に低速になって置きレスが増えること、既にこちらでご連絡させていただきますわね……申し訳ございませんわ……



従業員たちに意識を向ける前に、共犯者の方を見た。

「焚き付けたい人?……ああうん、分かった。私は今のところ何も予定はないから、スロウスの好きにしてほしいな」

それだけ答えて、でも少しだけ首を傾げた。
それもまた仕事としての行動なのだろうか。

/*

身体と生活は大事になさってね……
スロウス個人でカバーできそうな所はしたいと存じますわ
できるかはわかりませんけども〜〜!!!!!
とはいえ健康な身体が無ければおセックスもできませんの
萎えぽよですわ


敵意の視線を受けた、それだけでぶるりと身震いした。けれどそれは恐れではなく興奮に。
いつぞやに体を合わせたときよりもより高揚したようにとろけた瞳が貴方を見た。
喉をかするような吐息にふるえる唇は、いまにも吸い付いてしまいそうだった。
それを指でそうっと押し留めて、女は一歩下がる。仕事の話だって、重要だ。

「焚き付けたい人、ふむ。私はいいと思う。
 色々と此度のことで話を聞いてきたんだろう? それに任せたほうが面白いものも見れそうだ。
 よければ聞かせてほしい……ああ、勿論話がはっきりとしてからでも大丈夫さ。」

/*
平日ですものね……オリンピお盆控えてこの時期はどこも大変そうです、大丈夫ですわよ。
墓下と連携してちょっとずつ表にエッチをお届けしていきたいところですわね。

真実に迫ろうと奈落を覗き込んだ者
が、
この底なしの底へと転げ落ちる。
それもまた、お客様の愛してやまない演目なのではないかと」

こつりこつりと静かに靴底が床を叩く。
──音が遠ざかって行く。
刻限の迫る共犯者は踵を返し、最後の仕事へと向かう。

「僕は最後にそう愚考した
それだけの話ですよ、『エンヴィー』、『グラトニー』」

そうして最後に一度振り返って、
それから、振り向く事無くその場を後にした。

/*

ご連絡遅くなりましてマジ謝罪«Sorry»ですわ!!!
僭越ながら今夜の襲撃先の提案をさせて頂きますわよ!!

探り入れようとしてる人が墓落ちしたら愉悦じゃない?というのと
個人的に潜入を手引きしてあげたい、という事もあり
スロウスとしてはテンガンを噛んであげたいなと…思います!

被襲撃側としましても、
他の殺害能力役職によるお命頂戴宣言は来ているそうなのですけど
処刑でそれが不発した事での墓下回避は極力避けたい、との事で
できたら保険として噛んであげたいな〜〜〜!!!!
と考えていましてよ!

ただ、餓狼的に襲撃不発は怖い!とかがあったら
わたくし全然遠慮せず仰って頂きたいと存じますのよ!!!!!

/*いいですわよ!(即答)

ふふ、調べて嗅ぎ回る者を落とすのって楽しいですわよね……わたくしは賛成ですわ!

保険についても把握です。
襲撃不発が怖いのであれば、三人のうち二人をテンガンに襲撃セット、一人が別の方をセット(これはその被襲撃者に要相談)してリスクを少しでも軽減すればよさげになるんじゃないかな〜と思いますの。

(まあこのリスクケアの仕方も完璧ではないので、暗殺失敗して狼の襲撃で落ちることになった場合三人のセットしている対象からランダムで選ばれるので……三分の一引いてテンガンではない別の相手を噛むことになる場合も……あるっちゃありますわ)

ひとまずわたくし狼お嬢様Aことエンヴィーは全力で賛成ですわ!乗っかりますわよ!ゴーゴー!

/*まああと餓狼は二日連続で襲撃してないと落ちる仕様なので、一回お食事抜きにしても死にはしない……と思いますわ なのでやっぱり襲撃はテンガンへ三人セットしてもよろしいかと思いますの